相馬眼ニュース

■クリスエスの上に行けるか ゼンノロブロイ
5月3日の青葉賞を勝ったゼンノロブロイを取り上げたい。スローペースの好位を進み直線に向くとほとんど馬なりのまま加速して2着に1馬身1/4差をつけて快勝した。直線で横山典騎手が外のクラフトワークに馬体を併せに行って接触したことで迷惑をかけたが、手応えを見ると楽勝とも言えるレベルの走りだった。現時点での完成度はそれほど高くないが、それでこれだけのパフォーマンスを発揮できるのだから相当な能力があるのは間違いない。

山吹賞と青葉賞勝ちというのは前年のシンボリクリスエスと同じステップ。奇しくも同じ藤沢和厩舎だが、シンボリクリスエスが山吹賞2分14秒3(上がり34.7秒)、青葉賞2分26秒4(上がり34.1秒)なのに対し、ゼンノロブロイは山吹賞2分14秒9(上がり34.7秒)、青葉賞2分26秒3(上がり34.1秒)とほぼ互角の内容。シンボリクリスエスは2戦連続してレースのラップが尻上がりに早くなったが、ゼンノロブロイは山吹賞で尻上がりラップを刻んでいる。

2頭を比較するとシンボリクリスエスが山吹賞で一変した走りを見せて、いきなり馬が走りに前向きになり、それにともない馬体が充実してきたが、ゼンノロブロイはまだそのレベルに達していない。シンボリクリスエスは500万条件を勝ち上がれなかったことで藤沢和厩舎にしては使い込まれたが、結果的にそれが良かった。ゼンノロブロイはすみれSを落鉄で3着に敗れた以外は順調に登り詰めた。

順調に来たことが、皮肉にもキャリア、勝負強さなどの面で死角になる。調教で3頭併せの真ん中に入れて闘争心を駆り立てているように馬がまだ走りに前向きになっていないところが現時点での死角だろう。ダービーがどういうレースになるのか分からないが、厳しいレースで叩き合いになったときはキャリアと勝負強さが利いてくるものだ。

ただし馬体のスケールでは青葉賞組では1番だし、皐月賞の上位2頭ネオユニヴァースとサクラプレジデントと比較しても上位に位置づけてもいいだけのものがある。レースの上手さと勝負強さという点ではネオユニヴァースとサクラプレジデントが上だが、ゼンノロブロイは2頭をまとめて負かす可能性を秘めている。その可能性に近づくには闘争心を出すこと。ゼンノロブロイが併せ馬の調教で闘争心を見せたとき、藤沢和厩舎初のクラシック制覇が見えてきそうだ。

★ゼンノロブロイ
牡3歳 黒鹿毛
[東]藤沢和
馬主:大迫忍
父:サンデーサイレンス
母:ローミンレイチェル
母父:マイニング
全成績:3-0-0-1
誕生日:00/03/27

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