京都記念
レース回顧

ブエナビスタは3番手を進み、直線で外からジャガーメイルに交わされかけたが、そこで手前を替えてひと伸びし、最後まで抜かせなかった。レースのラスト5Fは12.9−11.9−11.7−11.4−11.3秒で尻上がり。ラスト2F目でかなりの脚を使ったが、そこからもう一段ギアを隠し持っていた。有馬記念も強かったが、あらためて能力の高さを見せつける強い勝ち方。好位からこういう競馬ができれば、死角はほとんどない。馬体が12キロ増えていたが、昨年減っていたぶんが戻ったものと成長分だろう。馬体が増えたのは今後に向けていい傾向。この勝利でドバイに遠征することが決定。ドバイシーマクラシックでレッドディザイアと対決することになった。オールウェザーの馬場が合うかどうかは分からないが、能力は世界レベル。今からレースが楽しみだ。牝馬版ディープインパクト。秋には安藤勝騎手で凱旋門賞に挑戦してもらいたい。

ジャガーメイルは中団を進み、直線で外からブエナビスタに迫ったが、最後まで交わせずに半馬身差の2着。上がり3Fはメンバー最速タイの33.3秒。ブリンカーを装着したことでこれまでにない行きっぷりを見せた。ブエナビスタが強過ぎただけで例年なら楽に勝っている内容。G1に向けて目処の立つ走りだった。前週のダイヤモンドSをフレグモーネで取り消したが、翌週に人気を落としてこの激走。最近の重賞は人手で人気を落とした馬が激走することが多い。ダイヤモンドSを勝ったのは社台のお得意様である金子氏のフォゲッタブル(超良血の高額馬)。ジャガーメイルの馬主は社台の吉田和美氏。馬は人が走らせる。各陣営の思惑を読むことも予想では重賞なファクターになる。春は天皇賞(春)、宝塚記念が目標になりそうだ。

ドリームジャーニーは中団の後ろからメンバー最速タイの33.3秒で上がったが、2着に1馬身半差の3着。池添騎手が早めに動いたが、前半5F62.2秒のスローペースで前に行った馬に33秒台前半で上がられてはこの結果も仕方ない。むしろ小柄な馬が59キロを背負って33.3秒で上がったことを評価したい。真の実力がないとこの末脚は使えない。さすがに春秋グランプリ制覇をした馬。パドックでは馬体が12キロ増えて少し緩かったが、ここが目標ではないので、ゆったりと造ってきたのだろう。今年は年度代表馬を狙うと陣営は公言している。春は天皇賞(春)と宝塚記念制覇が目標になる。

ホクトスルタンは前半5F62.2秒で逃げて直線でも一瞬見せ場を作ったが、最後は切れ負けして0.4秒差の4着。京都記念は逃げた馬が3着に粘ることが多いが、今年は上位3頭がレベルの高い走りをしたため、粘り切れなかった。それでも休み明けでこれだけ走れれば上々。天皇賞父子4代制覇を狙わなくてはいけない馬。まずは賞金を加算して天皇賞(春)出走に漕ぎ着けたい。

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