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自信の本命グランプリボスへの道標
[7]グランプリボス
京王杯2歳Sは好位の内で脚をタメて直線で外からメンバー3位の33.7秒で差し切るほぼ完璧な内容。最後はリアルインパクトに迫られたが、抜け出してからはデムーロ騎手が緩めて余裕を残していた点は見逃せない。G1を前に目一杯に走らせるとそれ以上のデキは望めない。陣営が前走デムーロ騎手を乗せたことはかなり大きい。新馬戦で完封したオールアズワンは札幌2歳Sを制している。2戦目のデイリー杯2歳Sでは7着に終わったが、乗り込みが少なかったのが敗因。もし距離が敗因なら京王杯2歳Sであの勝ち方はできない。京王杯2歳Sの勝ちタイム1分21秒8は03年の勝ち馬コスモサンビーム(朝日杯1着)、08年2着フィフスペトル(朝日杯2着)と同タイム。昨年の勝ち馬エイシンアポロンは1分22秒0で走り、朝日杯で2着に入っている。東京芝1400mと中山芝1600mは全くコースは違うが、朝日杯はG1でラップが落ちにくいため、東京芝1400mで高速ラップを経験した馬が好走することが多い。コスモサンビーム、フィフスペトル、エイシンアポロンがそれを証明している。グランプリボスは中山芝1600mとコース形態の似た札幌芝1500mでデビューし、デイリー杯2歳Sで1600m、京王杯SCで高速ラップを経験した。
同厩のスーパーホーネットは札幌芝1800m4着(新馬)→札幌芝1500m1着(未勝利)→デイリー杯3着→東京芝1400m1着(くるみ賞)をステップに朝日杯でクビ差の2着に入っている。グランプリボスのローテーションは厩舎の先輩スーパーホーネットから学んでさらに無駄をなくし、朝日杯を勝つためにデイリー杯では敢えて仕上げなかった。東大出身の調教師が考え抜いたローテーションと渾身の仕上げで勝ちにきている。京王杯は朝日杯を意識してデムーロ騎手を乗せて好位から差すレースで楽勝。これはトリッキーな中山で大きな武器になる。最終調教は馬の後ろで折り合わせて終いを伸ばす実戦形式で最後は弾けるように伸びた。デビューから3戦とも508キロで出走したようにまだ攻めの仕上げを施していない。調教後の馬体重が514キロだったが、金曜の坂路追いと輸送で絞れるはずだ。少し外めの枠に入ったが、朝日杯は内枠が有利というのが有名なため、各騎手が内に殺到することを考えるとこの枠は悪くない。好位でタメて直線で早めに抜け出す正攻法の競馬。これで勝てなければ仕方がないと乗り方で厩舎初のG1制覇を狙うのだろう。
競馬アナリストGM
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