桜花賞のポイント
阪神競馬場 芝1600m

スムーズな競馬ができるか?(最初のコーナーをいかにクリアするか?)
 阪神千六は、スタートしてすぐにコーナーがあるため、ご茶つきやすく、 そこをいかにクリアして流れに乗るかがポイントになります。

 スタート後、このコーナーをめがけ各馬が一斉にスパートし、内枠からスパート した馬と外枠からいい位置に付けようと内に切れ込んで来た馬が出会うため、 ご茶つくのです。各騎手たちはこのコーナーでいい位置につけ流れに乗りたい と考えています。その心理が働き過ぎると、スタートして猛烈なダッシュで コーナーを目指し、そのままペースが落ちないいわゆる「魔の桜花賞ペース」 になり、逃げ先行馬が全滅する展開になるのです。ただ最近は、ハイペースで 行ったら最後まで持たないのは騎手たちも重々承知しており、極端なハイペース にはならない傾向にあるようです。そのような傾向になったのは、阪神コース が改修され、カーブが緩やかになり、直線に坂ができたからです。直線の坂は、 ハイペースで飛ばしてきた逃げ先行馬には、当然苦しいものになるからです。

 では、どんな馬が流れに乗り、スムーズな競馬ができるのでしょうか? 展開は生き物と言われるようにスタートしてからでないと分かりません。 それを予想するのですから、非常に難しいのですが、枠順と過去のレース結果で だいたい予想はできます。

 まず枠順ですが、逃げたい馬、先行したい馬の枠順により、ご茶つく度合いが 決まります。例えば、内枠に逃げ先行馬が揃い、外枠には無理せず中団に付けたい 馬が揃った場合は、ほとんどご茶つきません。逆に内枠、外枠に逃げ先行馬が 入った場合は、ご茶つき度合いは大きくなります。挟まれた馬は、当然いい位置 に付けれないし、何より馬の気分を害する可能性があります。特に馬込みを気に する馬にとっては、かなりのストレスになるはずです。気分を害すると極端に能力 を発揮できなくなるのが馬の特性なので、この点でもスムーズな競馬がいかに重要 かが分かると思います。

 次に過去のレース結果ですが、各馬が好結果を出しているレースを選定し、その ときの戦法をチェックします。騎手たちは、好結果を出したイメージを大事にし、 それを戦法として使うのが普通なので、そこから各馬の出方を予想します。 ただし、騎手たちも事前に展開を予想しているので、展開が決まりそうなファクター がある場合、例えば極端な逃げ馬がいる場合などは、逃げ馬でも競う合いを避ける ために抑えたりするものです。

 以上から、流れに乗れる馬は、出走馬と枠順によって毎回違います。それでも敢えて 流れに乗れる馬を挙げるとすれば、自在性のある馬と言えるでしょう。自在性の ある馬の共通点として、競馬センスの良さが挙げられます。競馬センスのある馬を 見抜くには、直線で馬群を割って勝ったり、狭い最内から伸びて勝ったりと苦しい 競馬でも好結果を上げている馬を見つければ良いでしょう。特に涼しい顔で馬群を 割るような馬は、競馬センスは抜群で、かつかなりの大物ということです。

枠順を考慮してスムーズに行ける馬を探そう!
好結果を出しているレースから、各馬の戦法を予想しよう!
自在性のある馬が有利。競馬センスのある馬を見抜こう!
条件を満たす馬でも調子がいいことが大前提。

馬込みを気にしない差し馬が有利
 スムーズな競馬が重要なことを述べましたが、単純に逃げ馬が自分の逃げを 打てればそれが1番スムーズだと思う人もいるのではないでしょうか? 確かにそうなのですが、改修工事で直線に坂ができてからは、逃げるには非常に 難しいコースになったのです。この時期の4歳牝馬にとって逃げ切るのは、 至難の業と考えた方が良いでしょう。過去10年でも逃げて連対したのは、 ロンドンブリッジただ1頭です。逃げ馬ではキョウエイマーチが2番手から早めに 抜け出し優勝しています。では2頭は桜花賞の前にどんなレースをしていた のでしょうか? ロンドンブリッジは、3歳時のファンタジーS芝千四を ハイペースの逃げでレコード勝ちしています。キョウエイマーチは、4歳牝馬特別 芝千四をハイペースの逃げで1.1秒差で楽勝しています。両馬ともに、絶対的な スピード能力に優れた馬で、武器は「スピード」でした。 このように逃げ馬を狙う場合は、絶対的なスピードを武器にした馬でハイペースの 逃げで重賞を勝つくらいの実績がないと苦しいと思った方が良いでしょう。

 では、差し馬がスムーズな競馬をするにはどうしたらよいのでしょうか? 外枠からスタートし、外々をまわれば、ご茶つくこともなくスムーズな競馬ができ ますが、距離のロスが大きいため、それでは好走は出来ません。前にも述べましたが、 阪神千六はスタートしてすぐにコーナーのため、外枠は距離のロスがあります。 特に大外枠ではそのロスはMAXとなり、そのまま外をまわっては、実力が2枚も 3枚も抜けていない限り、勝つのは難しいのです。

 平成元年の桜花賞で大外枠を引いたシャダイカグラの武豊騎手は、1番人気にも かかわらず、意識的にスタートを遅らせました。つまり、少々出遅れてスタートし、 すぐ内に入れて馬群に突っ込んでいきコースロスを最小限にしたのです。 その結果、シャダイカグラはホクトビーナスを外から鋭い差し脚でかわし見事1着。 武豊の秘策に目を奪われがちですが、ここで注意したいのは馬群に突っ込んで行き、 すぐに好位置につけれた点です。つまり、シャダイカグラが馬込みを気にしない 精神力が強い馬だったからなのです。

 つまり、大外をまわってコースロスをしてスムーズさを優先する差し馬より、 道中は馬込みの中でじっと我慢し、直線外に出して鋭い差し脚を使える差し馬が 有利なのです。普段からレースを良く見ておくことと厩舎情報などをチェックすれば、 馬込みが大丈夫か見抜けるはずです。特に極端な追い込みの馬は、概して馬込みが 苦手なようです。そういう戦法を取らざるを得ないということなのです。

逃げ切るには絶対的スピードが武器の馬。ハイペースの逃げでの重賞実績。
差し馬でも大外枠は不利。差し馬は馬込みで我慢できる馬を狙おう!

この時期の牝馬は調子が変わりやすい
 この時期の4歳牝馬は、ソエが出たり、フケがでたりと体調変化の要因が多数あります。 強い調教をやって好タイムを出した馬を絶好調と考えていると、レースの時には コズんでとても好走できそうにないというのもよくあるケースです。 また、関東馬は輸送をしますが、この時期の4歳馬にとって輸送はかなりのストレス になるようです。そのため、体重がかなり減る馬もよくいます。 関東馬が桜花賞で好走できない理由の一つかもしれません。

 このようにこの時期の4歳牝馬の体調は刻々と変化します。この変化に対応する には、やはり当日のパドック、返し馬を見なければ、万全とは言えないでしょう。 できる限り、直前までチェックしてから、馬券を買いたいものです。

当日のパドックと返し馬をチェックしよう!


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