中京の千二は、直線が短く坂がないため、ハイペースでも基本的には逃げ先行馬
が有利です。特に条件戦ではスピードがある馬が逃げ、ゴール前で少々バテても
そのままゴールするケースがよくあります。しかし重賞レースでは、厳しいレース
展開により、そう簡単に逃げ先行馬が有利とは行きません。ただしコース的に先行
馬が有利なのは間違いなく、差し追い込み馬は4コーナーで6番手以内に上がって
これないと好走は難しい状況です。
このような状況の中、G1戦ということもあって、騎手たちは揃って好位置を
取ろうと先行争いが激化する傾向にあります。特に3コーナー手前からの争いが
激しくなり、逃げ馬に先行馬が襲い掛かり、差し追い込み馬は大外捲くりと各馬
が4コーナーを目指して一斉にスパートします。こうなると、まず逃げ馬は余程
のスピードがないと好走は難しくなります。逃げ馬が好走するには、例えばエイ
シンバーリンのようなコーナーリングも上手くスピードにたけた馬でないと最後
まで粘るには至難の業と考えた方が良いでしょう。
では、どういう馬が好走できるのでしょうか。基本的な考え方としては、ハイ
ペースの中で強引なレースをしては末脚が鈍るのは当然のことなので、道中のどこ
かで息を入れられるかがポイントになります。道中で息を入れられれば、最後の
直線での伸びにつながります。逃げ馬の場合、例えば最初ハイペースで後続を離
し、3,4コーナー後続を引き付けるときに息を入れことができます。ただし、
それまでにかなりのハイペースで行かないとこの芸当はできないので、G1でこ
れをやるにはそれ相応の実力がないと通用しないことは言うまでもありません。先行
馬の場合は息を入れるのも難しいことではありませんが、差し追い込む馬の場合
は、道中のどこで息を入れれば良いかが非常に難しいのです。息を入れるために
スパートを遅らせては、後手を踏んで好位を確保できないし、前半ゆっくり行っ
て息を入れたとしても、後半連続して早い脚を使わなくてはならないため、
抜きどころが非常に難しいのです。
このポイントの最大のカギは、展開の読みと各馬の脚質・適性を見抜くことで
す。まず展開の読みですが、逃げ馬の脚質と人気馬の脚質を考慮し、各騎手がど
ういうレースをするかを考えれば、大体は分かるものです。各馬の脚質・適性は、
過去のレースから、長くいい脚を使える、一瞬だが切れる脚があるなどが分かる
はずです。これらを考慮した上で、どの馬が道中で息を入れることができるか、
また息を入れたことで位置どりが悪くなったり、脚質に反したレースにならない
かを読み切ることが重要です。
■ 差し追い込み馬の位置どり | => | 4コーナーで6番手以内 |
■ 道中、息を入れられるか? | => | 最後の直線での伸びにつながる |
■ 息を入れて有利進められるのは? | => | 展開と各馬の脚質・適性を見抜く |
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