クイーンS
2020/8/2 札幌競馬場 芝1800m

レース展望

過去10年で1番人気は[5−2−1−2]で7連対。4歳馬は[3−2−1−2]で取りこぼしが多い。2番人気は[3−0−1−6]で3連対、3番人気は[0−1−2−7]で1連対。1、2番人気のどちらかが必ず連対している。6〜9番人気が5連対、10番人気以下が2連対。最近5年の馬連は26倍、41倍、22倍、10倍、12倍で中穴決着が多い。人気馬を軸に人気薄を絡めて中穴を狙うのが妙味。

逃げ馬は[1−0−0−9]で2番人気の1連対のみ。先行馬が9連対、差し馬が4連対、追い込み馬が6連対。5番手以内につけた馬と差し追い込み馬で決着することが多い。小回りコースでも直線一気が決まる。6番人気以下で連対した7頭のうち6頭が差し追い込み馬。前走8、9、10、11、13着馬が巻き返しており、前走着順は不問。穴で前走惨敗して人気がない芝1800m&洋芝巧者の差し追い込み馬に注意。

フェアリーポルカは中山牝馬S、福島牝馬Sを2連勝。前走福島牝馬Sはメンバー最速の34.5秒で馬群を割って抜け出し1分46秒8で優勝。ラスト4Fは11.8−11.9−11.7−11.9秒。これまで不振が続いていた外枠を克服して地力強化を示した。芝1800mでは3戦3勝。北海道は初めてになるが、タフな馬場をこなすタイプ。和田騎手では[3−0−1−2]。他馬より1キロ重い56キロがどう出るか。

コントラチェックは3走前にターコイズSを逃げて1分32秒2の好タイムで優勝。中山牝馬S16着は不良馬場、ヴィクトリアマイル14着は高速馬場が影響している。これまで逃げたときは4戦4勝。札幌芝1800mではスローで逃げてメンバー最速の35.2秒で上がり7馬身差で圧勝している。過去10年のクイーンSでディープインパクト産駒は2番人気以内なら[2−0−1−1]。ルメール騎手が逃げて粘らせるか。

昨年のクイーンS2着馬スカーレットカラー、同3着馬カリビアンゴールド、昨年のローズS2着馬ビーチサンバ、東京新聞杯2着馬シャドウディーヴァ、福島牝馬S2着馬リープフラウミルヒなど。スカーレットカラーは昨年のクイーンSで後方からメンバー最速の33.4秒で追い込んでクビ差の2着に入った。前走ヴィクトリアマイルは中団から失速して15着。成績にムラはあるが、前残りにならなければ突っ込んでくるか。

カリビアンゴールドは札幌芝[1−0−1−1]、函館芝[0−3−2−0]の洋芝巧者。前走巴賞は2番手から粘って0.3秒差の3着。昨年のクイーンSは好位から伸びてクビ+頭差の3着。大外14番枠だった。ビーチサンバは秋華賞5着、京都牝馬S5着、阪神牝馬S4着と善戦止まりが多い。昨年のローズSは2番手から早めに先頭に立ち、1分44秒4で走ってクビ差の2着。福永騎手が強気に前に行って粘らせるか。


レース回顧

2020年 8月 2日(日) 1回札幌4日  天候: 晴   馬場状態: 良 
11R  第68回北海道新聞杯クイーンS
3歳以上・オープン・G3(別定) (牝)(国際)(特指)  芝 1800m   14頭立
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着枠 馬  馬名               性齢 騎手     斤量 タイム  3F  人体重     廐舎
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1 1  1  レッドアネモス     牝 4 吉田隼人  55  1.45.9 35.0 11 468 (栗)友道康夫
2 6  9  ビーチサンバ       牝 4 福永祐一  55  1.46.0 34.9  4 468 (栗)友道康夫
3 2  2  スカーレットカラー 牝 5 岩田康誠  56  1.46.0 34.7  1 474 (栗)高橋亮
4 8 14  シャドウディーヴァ 牝 4 内田博幸  55  1.46.1 34.9  9 474 (美)斎藤誠
5 4  6  カリビアンゴールド 牝 6 藤岡康太  55  1.46.1 35.4  5 472 (栗)鮫島一歩
6 5  8  フェアリーポルカ   牝 4 和田竜二  56  1.46.1 35.3  2 510 (栗)西村真幸
7 6 10  リープフラウミルヒ 牝 5 丹内祐次  55  1.46.2 35.1  6 424 (美)相沢郁
8 3  3  ナルハヤ           牝 6 藤田菜七  55  1.46.3 36.4 10 494 (栗)梅田智之
9 8 13  サムシングジャスト 牝 4 武豊      55  1.46.3 35.0  7 508 (栗)松田国英
10 5  7  コントラチェック   牝 4 ルメール  55  1.46.6 36.4  3 472 (美)藤沢和雄
11 4  5  アロハリリー       牝 5 池添謙一  55  1.46.6 36.0 13 468 (栗)高野友和
12 7 12  オールフォーラヴ   牝 5 横山武史  55  1.46.6 35.7 12 468 (栗)中内田充
13 3  4  タガノアスワド     牝 6 西村淳也  55  1.47.8 37.8  8 514 (栗)五十嵐忠
14 7 11  モルフェオルフェ   牝 5 柴田善臣  55  1.47.9 37.3 14 448 (美)大江原哲
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LAP :12.1-11.2-11.5-11.5-11.9-11.7-12.0-12.0-12.0
通過:34.8-46.3-58.2-69.9  上り:71.1-59.6-47.7-36.0  平均:1F:11.77 / 3F:35.30
単勝   1 \4370 
複勝   1 \740 / 9 \200 / 2 \150 
枠連   1-6 \10000 (24) 
馬連   01-09 \13870 (37) 
ワイド 01-09 \3040 (35)/ 01-02 \1730 (19)/ 02-09 \400 (2) 
馬単   01-09 \35290 (84) 
3連複 01-02-09 \12270 (37/364) 
3連単 01-09-02 \153700 (456/2184) 

レッドアネモスは1枠1番から中団の内につけ、メンバー4位タイの35.0秒で馬群を割って抜け出しレースを制した。勝ちタイムは1分45秒9。ナルハヤが逃げて前半5F58.2秒のハイペース。上がりは36.0秒、ラップは12.0−12.0−12.0秒。上がりの掛かる消耗戦になり、中団より後ろで脚をタメた馬が1〜4着を独占した。レッドアネモスは前5走6着以下で11番人気だったが、吉田隼騎手がロスなく回って直線でひと脚使って抜け出し重賞初制覇を飾った。吉田隼騎手は函館記念を15番人気のアドマイヤジャスタで勝っている。これで8〜9月は[3−0−0−0]、5番枠より内では[3−0−0−1]。サフラン賞で逃げてコントラチェックを完封し、白百合Sではモズベッロを完封して勝っている。近走不振で人気はなかったが、激走の条件が揃っていた。いつもは詰めが甘く少し足りないが、ハイペースで1枠からロスなく回って地力を生かせたのだろう。友道厩舎の管理馬がワンツーを決め、人気がないレッドアネモスが優勝。今年の北海道の重賞はここまで4レース行われ、全て10番人気以下が連対している。滞在、無観客競馬でなせこんなに荒れるのか?観客がいないと走る気にならない馬がいるのか?次走はひと息入れて府中牝馬Sか。

ビーチサンバはスタートが遅く後方を進み、直線で外からメンバー2位タイの34.9秒で追い込んで0.1秒差の2着。直線で外にシャドウディーヴァがいて外に出すのに手間取り、追えたのはラスト1Fを過ぎてからだったが、そこから鋭く伸びて2着まで追い上げた。阪神JF、クイーンCでクロノジェネシスにクビ差の2、3着に入った馬。近走は善戦止まりが続いていたが、あらためて能力があることを示した。これでG2以下、6番枠より外では[1−4−0−0](2着は全て重賞)。この条件が揃ったときに狙うのが妙味。

スカーレットカラーは後方2番手から内を突いてメンバー最速の34.7秒で追い込んで0.1秒差の3着。直線で前が詰まって岩田騎手が立ち上がる致命的なロスがあったが、そこから鋭く伸びて3着まで追い上げた。岩田騎手は「笑うくらい下手に乗ってしまった。勝ち馬の後をついて行けば勝っていた」とコメント。勝負どころで前にいたレッドアネモスは詰めが甘いだけに岩田騎手はレッドアネモスが直線で抜け出すとは思えなかったのだろう。輸送すると飼葉を食べずに馬体が減るタイプ。馬体をキープできれば、次走の府中牝馬Sで2連覇が狙えそうだ。

シャドウディーヴァは後方から外を回って早めに動き、メンバー2位タイの34.9秒で伸びて0.2秒差の4着。得意ではない右回りで大外をブン回して4着なら上々の内容。東京新聞杯でプリモシーンに半馬身差の2着に来たのはダテではない。右回りでもやれそうだが、基本的には左回りで注意したい。

フェアリーポルカは中団からメンバー7位の35.3秒で伸びて0.2秒差の6着。勝負どころで外を回って伸び切れなかった。他馬より1キロ重い56キロ、馬体18キロ増も微妙に影響したのだろう。馬格のあるタフな牝馬で長く活躍しそうなタイプ。内枠からロスなく回れそうなときに注意したい。

サムシングジャストは最後方からメンバー4位タイの35.0秒で追い込んで0.4秒差の9着。勝負どころで外から動く馬が多く、その馬たちのさらに外を回されたことが堪えた。直線ではジリジリと伸びていたが、早めに動かなかことでいい脚を長く使える持ち味を生かせなかった。

コントラチェックは5番手から徐々に上がってメンバー11位タイの36.4秒で上がって0.7秒差の10着。ターコイズSはハイペースで逃げて強かったが、その後は逃げられずに16、14、10着。54キロでは[4−1−1−0]、55キロでは[0−0−0−5]。背中が弱いのか?



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