エルムS
2020/8/9 札幌競馬場 ダ1700m

レース展望

過去10年で1番人気は[2−1−4−3]で3連対。単勝1倍台は[2−1−1−0]、2倍台は[0−0−2−2]、3倍台は[0−0−1−1]。単勝2倍以上は連対がなく不振。2番人気は[4−1−0−5]で5連対、3番人気は[2−1−1−6]で3連対。連対馬17頭が5番人気以内、残る3頭は7、8、10番人気。最近5年の馬連は14倍、96倍、8倍、12倍、92倍。昨年は2−10番人気で波乱になった。

年齢別では4歳[4−1−3−11]、5歳[5−3−4−21]、6歳[1−3−2−32]、7歳以上[0−3−1−36]。4、5歳馬が勝ち、6、7歳馬が2着に来ることが多い。夏のローカルG3で一線級は出走しない。重賞実績のある高齢馬に注意。前走北海道のダ1700mのOP特別出走馬は[5−3−4−43]、前走勝った馬は[2−1−2−5]、1、2番人気なら[2−1−2−0]で複勝率100%。

タイムフライヤーは前走マリーンSを中団からメンバー最速の37.3秒で差し切って1分43秒6で3馬身半差で圧勝。ダートを使って7戦目で勝利を挙げた。初ダートだった昨年のエルムSでは先行して伸び切れず0.5秒差の6着に終わったが、早めに上がって見せ場を作った。今回は1キロ減の56キロで出走できる。ルメール騎手で1番人気に支持されそうだ。データ的には3着を外さないか。時計が速くなり過ぎなれば。

ウェスタールンドは18年のチャンピオンズCで2着に入った馬。今年はダイオライト記念で復帰し2着。前走アンタレスSを後方からメンバー最速の35.0秒で差し切って重賞初制覇を飾った。ダ1700mは[2−0−0−0]で2勝クラス、3勝クラスを勝っている。今年8歳になったが、全く衰えはない。追い込みタイプだけに脚抜きのいい馬場で前残りになると厳しいが、藤岡佑騎手が強気に捲って行くのではないか。

アンタレスS2着馬アナザートゥルース、前走プロキオンS2着のエアスピネル、過去2年のエルムSで1、2着のハイランドピーク、昨年のプロキオンS勝ち馬アルクトス、名古屋大賞典勝ち馬ロードゴラッソ、昨年の3着馬サトノディターン、同5着馬リアンヴェリテなど。4歳馬2頭は除外対象で出走馬は全て5歳以上の牡馬。これによって何が起きるのか。今年の北海道の重賞は4R全てで10番人気以下が連対している。

アナザートゥルースは重賞[2−2−2−3]の実力馬。サウンドトゥルーの半弟。初のダ1700mで58キロがどう出るか。エアスピネルは前走1年ぶり、初ダートとなったプロキオンSで中団から伸びて0.3秒差の2着。いきなり激走した反動がないことが条件。久々に武豊騎手が騎乗する。ハイランドピークは長期休み明けの前走大沼Sで0.2秒差の3着。今回は2キロ減の56キロ。横山和騎手では[3−5−0−4]でダ1700mでは[2−2−0−0]。横山一家3人で決着すれば3連単は100万馬券か。


レース回顧

2020年 8月 9日(日) 1回札幌6日  天候: 曇   馬場状態: 良 
11R  第25回エルムS
3歳以上・オープン・G3(別定) (国際)(指定)  ダート 1700m   14頭立
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着枠 馬  馬名               性齢 騎手     斤量 タイム  3F  人体重     廐舎
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1 8 13  タイムフライヤー   牡 5 ルメール  56  1.43.4 35.7  1 490 (栗)松田国英
2 5  8  ウェスタールンド   セ 8 藤岡佑介  57  1.43.7 35.5  2 488 (栗)佐々木晶
3 6 10  アナザートゥルース セ 6 大野拓弥  58  1.43.8 36.5  5 484 (美)高木登
4 7 12  ハイランドピーク   牡 6 横山和生  56  1.44.0 36.6  4 470 (美)土田稔
5 3  4  ワンダーリーデル   牡 7 横山典弘  57  1.44.0 35.7  9 532 (栗)安田翔伍
6 7 11  アルクトス         牡 5 田辺裕信  56  1.44.1 36.3  6 546 (美)栗田徹
7 2  2  エアスピネル       牡 7 武豊      56  1.44.1 36.5  3 488 (栗)笹田和秀
8 5  7  ワイルドカード     牡 6 北村宏司  56  1.44.2 36.3 12 532 (美)木村哲也
9 4  5  アディラート       牡 6 吉田隼人  56  1.44.8 37.1 10 508 (栗)須貝尚介
10 4  6  リアンヴェリテ     牡 6 国分恭介  56  1.44.8 37.6  7 484 (栗)中竹和也
11 6  9  ロードゴラッソ     牡 5 池添謙一  57  1.45.1 37.1 11 482 (栗)藤岡健一
12 8 14 $バスカヴィル       牡 6 浜中俊    56  1.45.5 38.0 13 482 (美)加藤征弘
13 3  3  サトノティターン   牡 7 藤岡康太  56  1.45.9 37.7  8 584 (美)堀宣行
14 1  1  ヒラボクラターシュ 牡 5 横山武史  56  1.47.0 39.5 14 530 (栗)大久保龍
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LAP : 6.7-11.2-12.4-12.4-12.3-12.2-12.2-11.7-12.3
通過:30.3-42.7-55.0-67.2  上り:73.1-60.7-48.4-36.2  平均:1F:12.16 / 3F:36.49
単勝   13 \300 
複勝   13 \140 / 8 \150 / 10 \260 
枠連   5-8 \800 (2) 
馬連   08-13 \900 (1) 
ワイド 08-13 \380 (1)/ 10-13 \730 (7)/ 08-10 \630 (5) 
馬単   13-08 \1560 (1) 
3連複 08-10-13 \2680 (3/364) 
3連単 13-08-10 \9480 (3/2184) 

タイムフライヤーは外枠スタートから中団を進み、勝負どころで外から押し上げ、メンバー2位タイの35.7秒で抜け出して2馬身差で圧勝した。勝ちタイムは1分43秒4。リアンヴェリテが逃げて前半4F48.9秒、5F61.1秒の緩い流れ。最後までラップが落ちず、末脚の持続力が問われるレースになった。タイムフライヤーは勝負どころで外からウェスタールンドに来られたが、そこまでタメて乗れたことで直線でひと伸びして振り切った。前走マリーンSを3馬身半差で圧勝した馬が1番人気でダート重賞初制覇。良馬場、緩い流れで高速決着にならなかったことも良かったのだろう。ルメール騎手はヴィクトリアマイルのアーモンドアイ以来の重賞勝利となった。今後は武蔵野SからチャンピオンズCに向かうことになりそうだ。

ウェスタールンドは離れた最後方を進み、勝負どころで一気に捲ってメンバー最速の35.5秒で上がり0.3秒差の2着。強引に捲り切らなかったのは、4コーナーで前に同馬主のタイムフライヤーがいたこともあるか
。タイムフライヤーより1キロ重い57キロを背負っていた。前半5F5F61.1秒の前残りの展開で最後方から突っ込んだように末脚の持続力と威力は相当なものある。秋のG1を狙っているため、今回は調教で攻めておらず、馬体8キロ増で少し余裕残しの仕上げだった。今後は一度使ってチャンピオンズCを目指すことになりそうだ。

アナザートゥルースは2番手から早めに先頭に立ち、メンバー6位タイの36.5秒で上がって0.4秒差の3着。58キロを背負っていたが、ダート得意な大野騎手が前に行って粘らせた。アンタレスSで負けたウェスタールンドには0.3秒差から0.1秒差に詰めている。もっと長い距離の方が合うタイプ。今後も重賞戦線で相手なりに走りそうだ。

ハイランドピークは3番手からメンバー8位の36.6秒で上がって0.6秒差の6着。これでエルムSでは1着(重)、2着(稍重)、4着(良)。例年より流れが緩み、良馬場での速い上がりに対応できなかった。ダートで稍重以上では[3−4−2−2]。雨で馬場が渋って脚抜きが良くなったら要注意。

エアスピネルは6番手からメンバー6位タイの36.5秒で上がって0.7秒差の7着。好位で流れに乗っていたが、直線で伸び切れなかった。前走プロキオンS2着は稍重の軽い馬場。武豊騎手は「もっと締まった馬場の方がいい」とコメントしている。調教が地味だったように久々で激走した反動もあったのではないか。



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