新潟記念
2020/9/6 新潟競馬場 芝2000m

レース展望

サマー2000シリーズの最終戦。今年はアールスター(4着以上)、サトノガーネット(1着)、ブラヴァス(1着)に優勝のチャンスがある。過去10年で1番人気は[2−2−0−6]で4連対。14年以降は[2−2−0−2]。昨年はレイエンダが10着に終わった。2番人気は[2−0−0−8]で2連対、3番人気は[0−0−2−8]で連対なし。6〜9番人気が9連対、10番人気以下が2連対。最近5年の馬連は68倍、19倍、25倍、12倍、45倍で中穴決着が多い。ハンデ戦で波乱傾向が強い。

53キロ以下は[1−0−2−33]で連対は52キロの牝馬。連対馬20頭のうち13頭が56キロ以上。56キロが7連対と多い。トップハンデは[1−1−0−12]で2連対のみ。4、5歳馬が5番人気以内なら[1−1−0−2]。年齢別では3歳[1−0−0−5]、4歳[2−3−2−18]、5歳[4−3−4−36]、6歳[1−2−2−41]、7歳[2−2−2−24]、8歳以上[0−0−0−8]で5歳馬が活躍。3歳馬の連対は1番人気ブラストワンピースのみ。牝馬は[1−0−0−19]で1連対のみ。

ワーケアは前3走ホープフルS3着、弥生賞2着、ダービー8着。前走ダービーは8番手から伸び切れず1.0秒差の8着。東京の新馬、アイビーSではメンバー最速上がりで差し切ったが、ルメール騎手は流れが速くならなかったことでスタミナを生かせなかった、瞬発力に欠けるとコメント。中山の重い馬場を使って地力タイプに変貌したのか。今回は新潟外回りコースになるが、流れが緩んで瞬発力が問われるのか、荒れ馬場で地力が問われるのか。3歳馬で53キロで出走できる。18年は3歳馬ブラストワンピースが大外一気を決めている。

ブラヴァスは条件戦を2連勝してオープン入り。2走前の新潟大賞典は好位からメンバー3位タイの35.0秒で伸びて0.3秒差の4着。1〜3着馬より1キロ重い55キロを背負っていた。前走七夕賞(55キロ)は好位の外からメンバー5位の37.2秒で伸びて0.2秒差の2着。外を回っていい脚を長く使ったが、コース巧者のクレッシェンドラヴにロスなく立ち回られた。ハンデは前走より1キロ重い56キロ。芝2000mは[3−2−1−3]。勝てばサマー2000シリーズの優勝のチャンスがあるだけに勝負モードか。

小倉大賞典勝ち馬カデナ、昨年の新潟記念2着馬ジナンボー、小倉記念勝ち馬アールスター、前走エプソムC7着のピースワンパラディ、鳴尾記念2着馬サトノガーネット、目黒記念2着馬アイスバブル、前走関越S2着のウインガナドル、前走ジューンSを勝ったサンレイポケットなど。カデナは休み明けを除き芝1800〜2000mのG3では[2−1−1−0]で3着以内を確保。昨年の新潟記念では後方からメンバー最速タイの33.8秒で追い込んで0.3秒差の3着。ハンデは昨年より1キロ重い58キロ。宝塚記念以来のレースになる。

ジナンボーは昨年の新潟記念で4番手から抜け出してユーキャンスマイルにクビ差の2着。小倉大賞典は3番手から抜け出して0.3秒差の3着に入った。前2走は大阪杯6着、七夕賞9着。昨年より2キロ重い56キロ。Mデムーロ騎手では[3−1−0−1]。サンレイポケットは芝2000m[3−2−0−3]、左回りでは[2−1−0−0]で上がりは全てメンバー最速。前走ジューンS(不良)は大外から豪快に差し切った。過去10年で前走3勝クラスは[1−2−0−22]。ハンデは54キロ。荻野極騎手は重賞初制覇なるか。


レース回顧

2020年 9月 6日(日) 3回新潟8日  天候: 晴   馬場状態: 良 
11R  第56回農林水産省賞典新潟記念
3歳以上・オープン・G3(ハンデ) (国際)(特指)  芝 2000m・外   18頭立
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着枠 馬  馬名               性齢 騎手     斤量 タイム  3F  人体重     廐舎
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1 8 17  ブラヴァス         牡 4 福永祐一  56  1.59.9 32.6  2 490 (栗)友道康夫
2 3  5  ジナンボー         牡 5 M.デム  56  1.59.9 33.1  3 486 (美)堀宣行
3 8 16  サンレイポケット   牡 5 荻野極    54  1.59.9 32.4  5 476 (栗)高橋義忠
4 4  8  サトノガーネット   牝 5 坂井瑠星  55  2.00.0 31.9  8 440 (栗)矢作芳人
5 2  4  サトノダムゼル     牝 4 岩田康誠  53  2.00.2 33.3  7 454 (美)堀宣行
6 7 14  カデナ             牡 6 鮫島克駿  58  2.00.2 32.3  6 476 (栗)中竹和也
7 2  3  ピースワンパラディ 牡 4 池添謙一  55  2.00.4 32.9  4 466 (美)大竹正博
8 5 10  ウインガナドル     牡 6 三浦皇成  55  2.00.4 33.5 12 462 (美)上原博之
9 7 13  ゴールドギア       牡 5 武藤雅    53  2.00.4 32.7 10 480 (美)伊藤圭三
10 6 11  ワーケア           牡 3 ルメール  53  2.00.6 33.5  1 492 (美)手塚貴久
11 7 15  リープフラウミルヒ 牝 5 津村明秀  53  2.00.6 33.5 15 428 (美)相沢郁
12 5  9  アイスストーム     牡 5 柴田大知  56  2.00.7 33.0 13 516 (栗)吉村圭司
13 8 18  サトノクロニクル   牡 6 藤井勘一  56  2.00.7 33.0 14 476 (栗)池江泰寿
14 4  7  アールスター       牡 5 長岡禎仁  56  2.00.8 33.7 11 512 (栗)杉山晴紀
15 1  1  インビジブルレイズ 牡 6 北村宏司  56  2.01.2 33.9 16 480 (栗)吉村圭司
16 1  2  アイスバブル       牡 5 戸崎圭太  55  2.01.4 33.9  9 450 (栗)池江泰寿
17 3  6  メートルダール     牡 7 丸山元気  56  2.01.5 34.3 17 482 (美)戸田博文
18 6 12  プレシャスブルー   牡 6 石橋脩    54  2.01.7 34.7 18 426 (美)相沢郁
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LAP :12.8-11.5-12.5-12.4-12.7-13.0-11.9-10.8-10.7-11.6
通過:36.8-49.2-61.9-74.9  上り:70.7-58.0-45.0-33.1  平均:1F:11.99 / 3F:35.97
単勝   17 \500 
複勝   17 \180 / 5 \250 / 16 \280 
枠連   3-8 \1380 (4) 
馬連   05-17 \1890 (2) 
ワイド 05-17 \710 (3)/ 16-17 \680 (2)/ 05-16 \1400 (12) 
馬単   17-05 \3330 (3) 
3連複 05-16-17 \6770 (9/816) 
3連単 17-05-16 \32940 (37/4896) 

ブラヴァスは中団の外からメンバー4位の32.6秒で差し切ってレースを制した。勝ちタイムは1分59秒9。ウインガナドルが逃げて前半5F61.9秒の超スローペース。後半5Fは58.0秒、ラップは13.0−11.9−10.8−10.7−11.6秒。中盤に12.7−13.0秒に落ちたことで究極の上がり勝負になった。ブラヴァスは外枠スタートから馬場にいい外を回っていい脚を長く使って差し切り重賞初制覇。サマー2000シリーズの優勝を決めた。福永騎手は「まだ体が前と後ろで噛み合っていない」とコメント。母はヴィルーナ。4歳馬でまだ完成度は高くないだけにこれから成長すれば、まだパフォーマンスアップできそうだ。過去10年で友道厩舎は[4−0−0−2]、6番人気以内なら[4−0−0−0]。昨年はユーキャンスマイルで制しており、新潟記念2連勝となった。

ジナンボーはスタートで寄られて後方からのレースになったが、向こう正面で最内から上がって3コーナーで先頭に立ってラップを落とし、直線で外に出してメンバー9位の33.1秒で上がって頭差の2着。昨年は前半5F58.6秒で4番手から抜け出して2着に粘ったが、今年は超スローペースで早め先頭から粘り込んだ。超スローとみたMデムーロ騎手が最内から上がって先頭に立ったことが大きかったが、前半荒れた内を通っており地力がないと粘り込めない。これで左回りの芝2000m以下では[3−2−0−1]。近走不振が続いていたが、[3−2−0−1]のMデムーロ騎手も合っているのだろう。

サンレイポケットは中団の後ろからメンバー3位の32.4秒で上がってアタマ+クビ差の3着。前走3勝クラスを勝った馬が昇級初戦で切れる脚を使って3着に入った。昨年はジナンボーが昇級初戦で2着に入っている。これで左回りの芝2000mでは[2−1−1−0]で上がりは1、1、1、3位。ジャングルポケット産駒で道悪をこなすタイプ。馬場が渋ったときは特に注意したい。

サトノガーネットは最後方からメンバー最速の31.9秒で追い込んで0.1秒差の4着。出遅れて最後方からのレースになったが、究極の末脚を繰り出した。もう少しスムーズなら馬券圏内があったかもしれない。重賞で揉まれて少しずつ力をつけている。小柄な牝馬がかなり使い込んでいるが、矢作厩舎の管理馬はタフ。並の馬では届かない位置から突っ込めるタイプ。昨年9着のエリザベス女王杯で注意したい。

サトノダムゼルは3番手からメンバー10位の33.3秒で上がって0.3秒差の5着。直線で手応えが良く岩田騎手が追い出しを待つ余裕があったが、追い出すと内に切れ込んでフラフラし伸び切れなかった。これで芝2000mは[0−0−0−2]、芝1800mは[4−1−0−0]。現時点では芝1800mがベストだが、芝2000mでもやれるのではないか。牝馬限定重賞戦線に乗ってきそうだ。

ワーケアは6番手につけたが、直線で伸び切れず0.7秒差の10着。上がりはメンバー11位タイの33.5秒。53キロでこの流れなら32秒台で上がれそうだが、直線ではジリジリだった。ルメール騎手は「ずっと同じペースでペースアップできなかった」とコメント。奥手のハーツクライ産駒。長い目で本格化を待ちたい。コントレイル、サリオスを除く3歳牡馬のレベルが低い可能性がある。



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