紫苑S
2020/9/12 中山競馬場 芝2000m

レース展望

過去10年で1番人気は[3−2−2−3]で5連対。差し追い込み馬は[3−2−1−1]だが、先行馬は[0−0−1−2]で不振。2番人気は[3−1−0−6]で4連対、3番人気は[0−1−0−9]で1連対のみ。6〜9番人気は6連対、10番人気以下は[0−0−1−72]。最近5年は隔年で人気薄が連対し、馬連は39倍、12倍、14倍、6倍、30倍。人気馬に人気薄を絡めて中穴を狙うのが妙味。

関東馬[8−7−8−108]で15連対、関西馬[2−3−2−24]で5連対。関西馬は5番人気以内[2−2−0−7]だが、6番人気以下[0−1−2−17]で1連対のみ。6番人気以下の関東馬は[2−3−3−84]。穴で関東馬に注意。6番人気以下で連対した6頭は前走1、2、6、9、10、16着。前走2勝クラス以上なら前走着順不問。6頭のうち4頭が前走4番人気以内。穴で前走人気で負けた関東馬に注意。

ウインマイティーは前走オークスで内ラチ沿いの好位からメンバー8位タイの34.1秒で伸びて0.2秒差の3着。13番人気で激走した。中山芝1800mのデイジー賞、阪神芝2000mの忘れな草賞(稍重)を勝っており、小回りの中山芝2000mは問題ないか。過去10年でオークスから直行した馬は[1−1−4−17]、オークス3着以内は[1−0−1−2]。ゴールドシップ産駒で開幕週の高速馬場がカギになる。

スカイグルーヴは京成杯で2番手からメンバー3位タイの36.2秒で抜け出して0.1秒差の2着。前に行った馬を一掃したが、大外から追い込んだクリスタルブラックに差し切られた。前走フローラSは7番手から伸び切れず0.6秒差の5着。休み明けで馬体が14キロ減って少しガレていた。小柄な牝馬だけに強い向かい風も影響したか。新馬戦を尻上がりラップで5馬身差で圧勝した馬。休養してどこまで成長してくるか。

ニュージーランドT2着馬シーズンズギフト、フローラS2着馬ホウオウピースフル、チューリップ賞勝ち馬マルターズディオサ、クイーンC2着馬マジックキャッスル、前走ラジオNIKKEI賞4着のパラスアテナ、フラワーC2着馬レッドルレーヴなど。重賞勝ち馬はマルターズディオサしかいないが、重賞2着馬が6頭出走している。例年以上に重賞実績馬が揃った。土曜は曇り時々雨の予報。馬場が渋る可能性がある。

シーズンズギフトは福島芝2000mの新馬戦を勝ち、中山で若竹賞1着、フラワーC3着、ニュージーランドT2着。ニュージーランドTではハイペースで差すレースをして脚質の幅を広げている。黒岩厩舎は昨年の紫苑Sをパッシングスルーで制している。ホウオウピースフルは芝2000m[1−1−0−0]で百日草特別1着、フローラS2着。ブラストワンピースの半妹でオルフェーヴル産駒。小回りの中山で覚醒するか。

マルターズディオサは桜花賞8着は重馬場、オークス10着は距離が堪えたか。中山ではサフラン賞を外から捲って勝っている。脚質に幅があり高速決着にも対応できるが、距離2000mを克服できるかがカギ。マジックキャッスルは前走オークスでメンバー2位タイの33.4秒で追い込んで0.4秒差の5着。直線でスムーズさを欠く不利があった。過去10年で国枝厩舎は[1−1−2−1]、5番人気以内なら[1−1−2−0]。


レース回顧

2020年 9月12日(土) 4回中山1日  天候: 曇   馬場状態:稍重
11R  第5回紫苑S
3歳・オープン・G3(馬齢) (牝)(国際)(指定)  芝 2000m   18頭立
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着枠 馬  馬名               性齢 騎手     斤量 タイム  3F  人体重     廐舎
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1 5 10  マルターズディオサ 牝 3 田辺裕信  54  2.02.1 35.8  5 446 (美)手塚貴久
2 8 18  パラスアテナ       牝 3 武豊      54  2.02.3 35.6 10 452 (美)高柳瑞樹
3 8 16  シーズンズギフト   牝 3 ルメール  54  2.02.3 35.8  3 480 (美)黒岩陽一
4 1  2  マジックキャッスル 牝 3 浜中俊    54  2.02.3 35.2  6 422 (美)国枝栄
5 4  8  ミスニューヨーク   牝 3 加藤祥太  54  2.02.4 35.7  8 460 (栗)杉山晴紀
6 8 17  ウインマイティー   牝 3 和田竜二  54  2.02.4 35.0  2 470 (栗)五十嵐忠
7 6 12  クロスセル         牝 3 内田博幸  54  2.02.6 36.1 14 520 (美)和田正一
8 5  9  スマートリアン     牝 3 横山武史  54  2.02.6 36.2 13 462 (栗)石橋守
9 6 11  スカイグルーヴ     牝 3 戸崎圭太  54  2.02.6 35.4  1 456 (美)木村哲也
10 3  5  コトブキテティス   牝 3 北村宏司  54  2.02.8 35.3 17 434 (美)田島俊明
11 2  4  ホウオウエミーズ   牝 3 津村明秀  54  2.02.9 35.6 15 450 (美)池上昌和
12 3  6  ラヴユーライヴ     牝 3 坂井瑠星  54  2.02.9 35.5  7 432 (栗)矢作芳人
13 7 13  ホウオウピースフル 牝 3 池添謙一  54  2.03.1 36.1  4 488 (美)大竹正博
14 7 15  フェルマーテ       牝 3 吉田豊    54  2.03.4 35.7 18 466 (美)戸田博文
15 2  3  レッドルレーヴ     牝 3 三浦皇成  54  2.03.5 36.7  9 452 (美)藤沢和雄
16 7 14  チェーンオブラブ   牝 3 石橋脩    54  2.03.7 36.1 11 468 (美)小笠倫弘
17 4  7  ストリートピアノ   牝 3 武藤雅    54  2.03.9 36.7 16 454 (美)武藤善則
18 1  1  ショウナンハレルヤ 牝 3 丸山元気  54  2.05.4 39.2 12 456 (美)矢野英一
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LAP :12.4-11.4-12.5-12.8-12.7-12.4-12.0-11.8-12.0-12.1
通過:36.3-49.1-61.8-74.2  上り:73.0-60.3-47.9-35.9  平均:1F:12.21 / 3F:36.63
単勝   10 \960 
複勝   10 \360 / 18 \660 / 16 \230 
枠連   5-8 \1250 (5) 
馬連   10-18 \13320 (49) 
ワイド 10-18 \4220 (53)/ 10-16 \1140 (10)/ 16-18 \2570 (34) 
馬単   10-18 \21830 (84) 
3連複 10-16-18 \21370 (74/816) 
3連単 10-18-16 \147440 (499/4896) 

マルターズディオサはスタートを決めて2番手につけ、4コーナーで先頭に立つとメンバー10位タイの35.8秒で後続を完封しレースを制した。勝ちタイムは2分2秒1(稍重)。ショウナンハレルヤが逃げて前半5F36.3秒、5F61.8秒のスローペース。4F、5F目に12.8−12.7秒と緩んでラスト3Fは11.8−12.0−12.1秒。スローの上がり勝負で芝2000mよりも短い距離の適性が問われるレースになった。マルターズディオサは先行して抜け出す本来のレースで快勝。開幕週の馬場で流れが緩んだことがプラスに働いている。チューリップ賞を勝ったメンバー唯一の重賞勝ち馬が5番人気で優勝。チューリップ賞でレシステンシアを完封したのはダテではないことを示した。馬体が12キロ増えて少し余裕残しだったが、少し背が伸びて距離をこなす方に成長していた。次走は秋華賞。先行してひと脚使える持ち味をフルに発揮してどこまで踏ん張れるか。

今年2年目のキズナ産駒は、2歳馬は[1−2−3−11]で2、3着が多く、3歳馬は[5−0−0−28]で1着しかない。G3は[4−0−3−20]、G2は[2−1−0−6]、G1は[0−1−0−13]。G1の前哨戦に強いので注意したい。

パラスアテナは大外枠から8番手につけ、勝負どころで外から上がってメンバー6位タイの35.6秒で上がって0.2秒差の2着。大外枠から外々を回るレースになったが、いい脚を長く使って2着を確保した。前走ラジオNIKKEI賞で1番人気に支持された馬が10番人気で激走した。ラジオNIKKEI賞4着は馬体が10キロ増で太め残り、位置取りも後ろ過ぎたのだろう。2走前に福島芝2000mの未勝利戦(稍重)で5馬身差で圧勝。昨年は福島芝2000m(稍重)の1勝クラスを圧勝した馬パッシングスルーが紫苑Sを勝ったように福島芝2000mとリンクする点に注意したい。少し脚捌きが硬く映る点が気になるが、馬体重よりも大きく見せる馬でまだこれから成長が見込める。パンとすれば良馬場で切れる脚を使えるのではないか。カーネーションCを1分45秒9で走ったようにある程度の時計勝負に対応できる下地はある。

シーズンズギフトは4番手から直線で内を突き、メンバー10位タイの35.8秒で伸びて0.2秒差の3着。ルメール騎手は3、4コーナーで内にモタれたことが影響したとコメント。パドックでは馬体が8キロ増えていかにも休み明けの雰囲気があったが、好位からしぶとく伸びて地力で3着を確保した。これで[2−1−2−0]。まだ折り合い面に不安があるが、どんなレースになっても3着を確保しているように距離にも脚質にも幅がある。次走は良くなりそうな雰囲気があるので注意したい。デビューから福島、中山を使っているように小回りコースが合っている。

マジックキャッスルは中団からメンバー2位の35.2秒で伸びて0.2秒差の4着。3着とはハナ差。直線でスムーズさを欠いたぶん届かなかった。オークスでメンバー2位の33.4秒で上がって5着に入っており、距離をこなす下地ができた。422キロのディープインパクト産駒。もっと軽い馬場が合っている。

ウインマイティーは出遅れて後方を進み、大外からメンバー最速の35.0秒で追い込んで0.3秒差の6着。好位につけてひと脚使えるタイプで道悪もこなせるが、出遅れて位置取りが悪くなったことが堪えた。本来はレース巧者で好位につけてひと脚使えるタイプ。ゴールドシップ産駒で少し時計の掛かる馬場が合っている。



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