ローズS
2020/9/20 中京競馬場 芝2000m

レース展望

秋華賞トライアル。今年は中京芝2000mで行われる。過去10年で1番人気は[5−1−0−4]で6連対。前走オークス5着以内は[5−1−0−1]。2番人気は[1−2−2−5]で3連対、3番人気は[0−0−2−8]で連対なし。6〜9番人気が6連対、10番人気以下が3連対。最近5年のうち4年で6番人気以下が連対し、馬連は17倍、74倍、213倍、25倍、16倍。重賞実績馬が揃うが中穴以上の決着が多い。

前走オークス3着以内は[5−2−0−6]だが、今年は出走がない。オークス4着馬は[1−0−1−1]、5着馬は[1−0−1−3]、6着以下は[1−2−1−25]。18年は13着のカンタービレ、昨年は15着のビーチサンバが巻き返して連対した。連対馬15頭が上がり3Fメンバー3位以内、1〜3着馬は21頭が上がり3Fメンバー3位以内だった。上がりの速さが問われる。速い上がりを繰り出せる馬に注意。

デゼルは新馬戦を出遅れて後方から最速の34.4秒で差し切って1分48秒7(稍重)で快勝。スイートピーSは後方から最速の32.5秒で大外から差し切って1分47秒1で優勝。前走オークスは後方から5位の33.8秒で伸びて0.7秒差の11着。不利もあったが、馬体が8キロ減って腹目が細くなっていた。母アヴニールセルタンはデビューから6連勝で仏1000ギニー、仏オークスを勝った馬。ひと夏越してどこまで馬体が成長してくるか。新馬戦で騎乗した武豊騎手に乗り替わる。過去10年で武豊騎手は[0−0−2−4]。

クラヴァシュドールは5戦連続で重賞を使われ、サウジアラビアRC2着、阪神JF3着、チューリップ賞2着、桜花賞4着、オークス15着。チューリップ賞はハナ差の2着。勝ったマルターズディオサは紫苑Sを制した。桜花賞は内から2位の37.1秒で伸びて0.7秒差の4着。勝負どころで外から来られて後方に下がるロスがあった。重馬場も堪えている。前走オークスは3番手から失速して15着。硬い馬場が影響したのか、それとも距離か。奥手といわれるハーツクライ産駒。今年の重賞で中内田厩舎は[0−1−1−15]。

アルテミスS勝ち馬リアアメリア、フローラS3着馬フアナ、忘れな草賞3着馬リリーピュアハート、フラワーC勝ち馬アブレイズ、新潟2歳S勝ち馬ウーマンズハート、前走西海賞を勝ったフィオリキアリなど。リアアメリアは阪神JFは6着、桜花賞は10着に終わったが、前走オークスは中団から4位の33.7秒で伸びて0.3秒差の4着に入った。過去10年でオークス最先着馬は[3−1−1−5]、オークス4着以下は[0−0−1−1]。4月以降の重賞で川田騎手は[0−2−2−18]、3番人気以内では[0−1−1−9]。

フアナは新馬戦でアドマイヤビルゴの2着。フローラSは中団から最速の35.2秒で伸びて0.1秒差の3着。前走1勝クラスは好位から最速の34.6秒で抜け出して優勝。芝1800mは[2−1−0−0]、芝2000mは[0−0−1−0]。ルメール騎手に乗り替わる。リリーピュアハートは忘れな草賞でウインマイティーに0.2秒差の3着。前走オークスはスタートで躓いて後方から6位の33.9秒で追い込んで0.7秒の9着まで追い上げた。今年の芝2000m重賞で福永騎手は[3−2−0−2]で5戦連続連対中。


レース回顧

2020年 9月20日(日) 2回中京4日  天候: 晴   馬場状態: 良 
11R  第38回関西テレビ放送賞ローズS
3歳・オープン・G2(馬齢) (牝)(国際)(指定)  芝 2000m   18頭立
------------------------------------------------------------------------------
着枠 馬  馬名               性齢 騎手     斤量 タイム  3F  人体重     廐舎
------------------------------------------------------------------------------
1 1  1  リアアメリア       牝 3 川田将雅  54  1.59.9 34.4  3 488 (栗)中内田充
2 7 13  ムジカ             牝 3 秋山真一  54  2.00.2 34.0 14 440 (栗)鈴木孝志
3 4  8  オーマイダーリン   牝 3 和田竜二  54  2.00.4 34.5 11 466 (栗)河内洋
4 7 15  デゼル             牝 3 武豊      54  2.00.4 33.8  4 470 (栗)友道康夫
5 5  9  クラヴァシュドール 牝 3 M.デム  54  2.00.5 34.6  2 458 (栗)中内田充
6 3  5  リリーピュアハート 牝 3 福永祐一  54  2.00.5 34.3  5 448 (栗)藤原英昭
7 6 11  アカイイト         牝 3 藤岡佑介  54  2.00.6 34.1 12 496 (栗)中竹和也
8 1  2  フィオリキアリ     牝 3 北村友一  54  2.00.6 34.6  7 440 (栗)清水久詞
9 8 18  ラインオブダンス   牝 3 坂井瑠星  54  2.00.6 34.2 13 482 (栗)矢作芳人
10 7 14  シャレード         牝 3 戸崎圭太  54  2.00.8 34.4  9 494 (栗)藤原英昭
11 2  3  フアナ             牝 3 ルメール  54  2.01.0 34.6  1 440 (栗)角居勝彦
12 5 10  アブレイズ         牝 3 藤井勘一  54  2.01.1 35.4  6 496 (栗)池江泰寿
13 2  4  ヤマニンプティパ   牝 3 竹之下智  54  2.01.3 35.6 18 426 (栗)千田輝彦
14 8 16  シャムロックヒル   牝 3 団野大成  54  2.02.3 36.6 15 478 (栗)佐々木晶
15 3  6  セウラサーリ       牝 3 池添謙一  54  2.02.3 36.4 10 458 (栗)西園正都
16 6 12  チャイカ           牝 3 松山弘平  54  2.02.3 35.6 16 472 (栗)今野貞一
17 8 17  エレナアヴァンティ 牝 3 幸英明    54  2.02.5 37.1 17 454 (美)宗像義忠
18 4  7  ウーマンズハート   牝 3 藤岡康太  54  2.04.0 38.2  8 464 (栗)西浦勝一
------------------------------------------------------------------------------
LAP :12.6-10.8-12.3-12.7-12.5-12.4-12.1-11.6-11.3-11.6
通過:35.7-48.4-60.9-73.3  上り:71.5-59.0-46.6-34.5  平均:1F:11.99 / 3F:35.97
単勝   1 \510 
複勝   1 \250 / 13 \2030 / 8 \1160 
枠連   1-7 \950 (1) 
馬連   01-13 \29960 (58) 
ワイド 01-13 \8060 (60)/ 01-08 \3580 (37)/ 08-13 \19380 (96) 
馬単   01-13 \39230 (94) 
3連複 01-08-13 \211480 (321/816) 
3連単 01-13-08 \1139000 (1640/4896) 

リアアメリアは1枠1番から内ラチ沿いの2番手につけ、直線で早め先頭からメンバー6位タイの34.4秒で後続を引き離し2馬身差で圧勝した。勝ちタイムは1分59秒9。エレナアヴァンティが逃げて前半5F60.9秒の緩い流れ。後半5Fは59.0秒、上がりは34.5秒、ラップは11.6−11.3−11.6秒。緩い流れだったが、2〜4着には11番手以下から追い込んだ馬が入った。リアアメリアはスタートを決めて2番手から抜け出す正攻法のレースで快勝。緩い流れでも人気馬がみな中団より後ろからのレースになったことがプラスに働いている。春は後脚の踏み込みに力強さが足りなかったが、馬体が14キロ増えて全体的にしっかりし、少し力強くなっていた。4月以降の重賞で川田騎手は[0−2−2−18]、今年の重賞で中内田厩舎は[0−1−1−15]だったが、ようやく重賞を制した。次走は秋華賞。今回のように先行策でデアリングタクトに挑むことになりそうだ。

ムジカは11番手を進み、直線で馬群に突っ込んでメンバー2位の34.0秒で上がって0.3秒差の2着。前走1勝クラスで2着に負けた馬が14番人気で激走した。メンバー1、2位の上がりを8戦連続で繰り出した。格上挑戦、初の左回り、初の芝2000mで2着に激走したのは、メンバーレベルが低いこと、まともに走らなかった馬が多かったこともあるのだろう。稍重で[0−2−1−0]。少しタフな馬場も合っている。

オーマイダーリンは後方3番手から内を通って進出し、メンバー8位の34.5秒で最内から伸びて0.5秒差の3着。前走1勝クラスを勝って連闘できた馬が初の芝2000mを克服して11番人気で激走した。前走まで5戦連続で最速上がり。テン乗りの和田騎手がロスなく回って末脚の威力を引き出した。かなり使い込んでいるが、連闘で馬体が6キロ増えていたようにタフな馬。次走秋華賞でも内を狙って一発狙いか。

デゼルは出遅れて後方からメンバー最速の33.8秒で追い込んで0.5秒差の4着。直線で大外から伸びてきたが、緩い流れで後方から大外ブン回しでは厳しかった。まだ馬体は成長しそうだが、現時点ではワンターンの芝1800mが合っている。絶対能力は高く、キャリアを積んでレース慣れすれば、あっさり重賞を勝つのではないか。まともにスタートを切って流れに乗ると一変する可能性がある。

フアナは後方のまま見せ場なく11着。スタートが遅く後方からのレースになり、直線でもスムーズさを欠いて伸び切れなかった。仕上がりは良さそうに映ったが、今の少しタフな中京の馬場が合わなかったか。休み明けの前走馬体28キロ増で1分44秒9の好タイムで優勝。2走ボケの可能性もある。賞金的に秋華賞出走は厳しくなった。相馬眼的に芝1800mの牝馬限定重賞を勝ちまくりそうな馬。



[Home]