京都大賞典
2020/10/11 京都競馬場 芝2400m

レース展望

過去10年で1番人気は[3−1−2−4]で4連対。前走宝塚記念4着以内なら[3−0−0−1](4、5歳馬)で勝率75%。2番人気は[2−1−3−4]で3連対、3番人気は[1−0−2−7]で1連対。6〜9番人気は6連対、10番人気以下は2連対。過去5年の馬連は6倍、14倍、43倍、17倍、537倍。G1実績馬が揃うと堅いが、少ないと荒れる傾向がある。昨年は11−6番人気で大波乱になった。

上がり3F別は1位[4−2−0−4]、2位[4−1−2−5]、3位[1−2−4−2]、4〜5位[0−3−1−19]、6位以下は[1−2−3−58]。上がり3位以内が14連対。開幕週の京都外回りで上がりの速さが問われる。6番人気以下で連対した8頭のうち3頭に京都芝2200m以上のG2で勝ち星、残る5頭のうち3頭にG2で3着以内があった。穴はG2実績馬。特に京都のG2で実績のある馬に注意。

キセキは国内G1[1−4−1−4]の実力馬。今年は阪神大賞典7着(出遅れ)、天皇賞(春)6着(掛かってハナ)に終わったが、前走宝塚記念は後方から捲ってメンバー2位の37.2秒で上がり1.0秒差の2着。不良馬場の菊花賞を勝った馬がタフな稍重の馬場で激走した。国内の芝2400mは[0−2−0−0]で神戸新聞杯、ジャパンC2着。過去10年で6歳馬は[1−0−3−26]。テン乗りの浜中騎手が騎乗する。

グローリーヴェイズは昨年日経新春杯1着、天皇賞(春)2着、京都大賞典6着、香港ヴァーズ1着。G1初制覇となった香港ヴァーズはラッキーライラックに3馬身半差をつけた。昨年の京都大賞典は0.8秒差の6着、前走宝塚記念は5.3秒差の17着に終わったように成績にムラがある。京都外回りは[1−2−0−3]で日経新春杯を勝っている。過去10年で川田騎手は[3−0−0−1]、3番人気以内なら[3−0−0−0]。

3連勝で目黒記念を勝ったキングオブコージ、目黒記念&オールカマー3着のステイフーリッシュ、鳴尾記念勝ち馬パフォーマプロミス、昨年の京都大賞典2着馬ダンビュライト、同3着馬シルヴァンシャーなど。キングオブコージは条件戦を先行抜け出しで3連勝。前走目黒記念は後方からメンバー最速の34.9秒で差し切って2分29秒6の好タイムで優勝。安田翔厩舎のロードカナロア産駒で母の父はガリレオ。今年のG2で横山典騎手は[4−0−0−6]、2番人気以内なら[4−0−0−2]。

ステイフーリッシュはG2[1−2−3−2]で京都では[1−1−1−0]。今年のG2では[0−1−3−0]で3着以内を確保。藤岡佑騎手が騎乗する。パフォーマプロミスは1年ぶりの出走となった鳴尾記念を10番人気で優勝。京都芝2400mは18年の日経新春杯を勝っている。56キロ以下[7−2−1−0]、右回りで56キロ以下[5−0−0−0]。過去10年で8歳馬は[0−0−0−8]。ダンビュライトはG2[2−1−2−2]、京都では[1−1−0−0]。昨年より1キロ軽い56キロで出走できる。


レース回顧

2020年10月11日(日) 4回京都2日  天候: 晴   馬場状態:稍重
11R  第55回京都大賞典
3歳以上・オープン・G2(別定) (国際)(指定)  芝 2400m・外   17頭立
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着枠 馬  馬名               性齢 騎手     斤量 タイム  3F  人体重     廐舎
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1 7 13  グローリーヴェイズ 牡 5 川田将雅  58  2.25.6 34.5  3 456 (美)尾関知人
2 1  2  キセキ             牡 6 浜中俊    57  2.25.7 34.3  1 502 (栗)角居勝彦
3 8 17  キングオブコージ   牡 4 横山典弘  57  2.25.9 34.4  2 492 (栗)安田翔伍
4 2  3  シルヴァンシャー   牡 5 北村友一  56  2.25.9 34.6  8 472 (栗)池江泰寿
5 3  6  ステイフーリッシュ 牡 5 藤岡佑介  56  2.26.0 35.2  4 466 (栗)矢作芳人
6 8 15  パフォーマプロミス 牡 8 福永祐一  56  2.26.1 34.9  6 468 (栗)藤原英昭
7 1  1  ダンビュライト     セ 6 松若風馬  56  2.26.1 35.5  5 498 (栗)音無秀孝
8 7 14  アイスバブル       牡 5 幸英明    56  2.26.1 34.4 13 456 (栗)池江泰寿
9 6 11  バイオスパーク     牡 5 和田竜二  56  2.26.2 35.4 10 474 (栗)浜田多実
10 4  8  カセドラルベル     牝 4 松山弘平  54  2.26.3 35.6  7 558 (栗)西村真幸
11 4  7  リッジマン         牡 7 古川吉洋  56  2.26.7 35.1 17 464 (栗)庄野靖志
12 3  5  ノーブルマーズ     牡 7 高倉稜    56  2.27.1 36.0 12 498 (栗)宮本博
13 8 16  ミスマンマミーア   牝 5 池添謙一  54  2.27.2 35.2  9 468 (栗)寺島良
14 2  4  タイセイトレイル   牡 5 川須栄彦  56  2.27.3 35.9 11 494 (栗)矢作芳人
15 6 12  ドゥオーモ         牡 7 藤岡康太  56  2.27.4 35.5 14 476 (栗)野中賢二
16 5  9  モンドインテロ     牡 8 嶋田純次  57  2.27.9 36.6 16 488 (美)手塚貴久
17 5 10  アルバート         牡 9 岩田康誠  56  2.28.1 36.3 15 488 (栗)橋口慎介
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LAP :12.8-10.9-11.8-12.3-12.6-12.5-12.7-12.8-12.2-11.6-11.6-11.8
通過:35.5-47.8-60.4-72.9  上り:72.7-60.0-47.2-35.0  平均:1F:12.13 / 3F:36.40
単勝   13 \620 
複勝   13 \240 / 2 \180 / 17 \210 
枠連   1-7 \970 (3) 
馬連   02-13 \1170 (2) 
ワイド 02-13 \580 (2)/ 13-17 \1010 (12)/ 02-17 \670 (3) 
馬単   13-02 \2590 (4) 
3連複 02-13-17 \3280 (4/680) 
3連単 13-02-17 \17470 (26/4080) 

グローリーヴェイズは5番手からメンバー4位の34.5秒で抜け出してレースを制した。勝ちタイムは2分25秒6(稍重)。ダンビュライトが逃げて前半5F60.4秒の平均ペース。中盤に12.7−12.8秒と流れが緩んで上がりは35.0秒、ラップは11.6−11.6−11,8秒。ダンビュライト、ステイフーリッシュが粘ってもおかしくない展開だったが、G1馬2頭と前走G2を勝った上がり馬が2頭よりも速い上がりを繰り出して上位を独占。グローリーヴェイズは好位から抜け出す正攻法のレースで快勝。日経新春杯1着、天皇賞(春)2着がある京都巧者。改修工事に入る前に社台は勝っておこうと考え、川田騎手を確保していた。タフな馬場が合うため、今日の稍重の馬場も味方したのだろう。キセキが最後方から大外をブン回し、キングオブコージの仕掛けが遅れたことも有利に働いている。騎手たちは社台が勝たせたい馬がいるときは空気を読んで忖度しているように見える。川田騎手は重賞で不振が続いていたが、9月以降は[2−2−1−2]、3番人気以内なら[2−2−1−1]。人気馬で結果を出すようになった。グローリーヴェイズは次走未定だが、社台は使い分けのため香港ヴァーズの連覇を目指す可能性が高そうだ。

キセキは出遅れて最後方から大外をブン回し、メンバー最速の34.3秒で追い込んで0.1秒差の2着。かなりロスがあったが、G1実績馬が地力を示した。これで国内の芝2400mは[0−3−0−0]。出遅れ、折り合いなど課題はあるが、宝塚記念と同様に後方から捲るレースで復調してきた。不良馬場の菊花賞を後方から捲って勝った馬。稍重の時計の掛かる馬場も合うのだろう。武豊騎手が凱旋門賞遠征後の隔離で騎乗できなかったが、次走の天皇賞(秋)は騎乗することになった。芝2000mは[2−1−1−0]で18年の天皇賞(秋)で逃げて1分57秒0で走って0.2秒差の2着がある。祖母はロンドンブリッジ。高速決着に対応できるスピードも備えている。武豊騎手はメイショウサムソンで勝ったが、サイレンススズカの1枠1番に入ったら要注意か。

キングオブコージは中団の後ろからメンバー2位の34.4秒で伸びて0.3秒差の3着。勝負どころで動かず、外から前に出たキセキが邪魔になって追い出しが遅れるロスがあった。横山典騎手が間違っても社台のグローリーヴェイズを交わさないように騎乗していた感がある。休み明けで馬体の張りはひと息だったが、そのデキでG1馬2頭と接戦したことを評価したい。今後のメドは立ったのではないか。ロードカナロア産駒の4歳馬。これからキャリアを積んで地力が強化されれば、G1で活躍する馬になりそうだ。次走はジャパンC、AR共和国杯あたりになりそうだ。

シルヴァンシャーは中団からメンバー5位の34.6秒で伸びて0.3秒差の4着。3着とはクビ差。休み明けでも馬体が10キロ絞れて仕上げてきていた。昨年は内を通って前に行った馬が有利な馬場&展開で外を回って3着に入ったが、今年は昨年より強いメンバーだった。骨折などがあり、5歳馬でまだ11戦しかしていない。直線に坂があるコースの長距離戦が合うため、賞金を加算して有馬記念に出走したら注意したい。



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