AR共和国杯
2020/11/8 東京競馬場 芝2500m

レース展望

過去10年で1番人気は[3−2−1−4]で5連対。G1連対がある馬は[1−1−0−0]、G1連対がない馬は[2−1−1−4]で4歳馬は[2−1−1−2]、5歳以上は[0−0−0−2]。2番人気は[4−1−0−5]で5連対、3番人気は[2−1−5−2]で3連対。連対馬18頭が5番人気以内、残る2頭は7、7番人気。過去5年の馬連は14倍、11倍、18倍、9倍、31倍で30倍台までに収まっている。

53キロは[0−1−0−16]、54キロは[0−0−1−25]で53キロの1連対のみ。55キロは[1−4−5−23]で2、3着が多い。56〜57.5キロは[8−4−1−38]で12連対。58キロ以上は[1−1−0−11]で2連対。7番人気で連対した2頭は芝2000m重賞で3着以内があり、前走3、4着に負けていた。穴で芝2000m重賞で3着以内がある馬、特に5、6歳牡馬の激走に注意。

ユーキャンスマイルはダイヤモンドS、新潟記念、阪神大賞典を優勝。G1では菊花賞3着、天皇賞(春)5着、天皇賞(秋)4着、ジャパンC5着、天皇賞(春)4着で善戦止まりが続いている。手前の関係で左回りの方が走るが、今年は右回りの阪神大賞典でG2制覇。前走天皇賞(春)4着はテン乗りの浜中騎手が馬場の荒れた内を突いたことが堪えている。今回はメンバーが楽になるが、休み明けでトップハンデ58キロを背負う点がどう出るか。過去10年で58キロは[1−0−0−8]で2番人気のシュヴァルグラン(友道厩舎)が勝っている。

オーソリティは[3−0−1−1]で重賞ではホープフルS5着、弥生賞3着、青葉賞1着。前走青葉賞は内枠スタートから5番手につけ、メンバー2位の34.1秒で外から差し切って2分23秒0のレースレコードで優勝。3歳1勝クラスのマイル戦で1分32秒1が出る高速馬場だったが、後半5Fは57.9秒でラップは11.7−11.6−11.6−11.5−11.5秒で尻上がり&持続ラップだった。左第1指骨剥離骨折で半年ぶりの出走になるが、社台はルメール騎手を確保。G2勝ちのある3歳馬が54キロで出走できる。

新潟記念&毎日王冠3着のサンレイポケット、ダイヤモンドS2着馬メイショウテンゲン、昨年の菊花賞2着馬サトノルークス、阪神大賞典2着馬トーセンカンビーナ、目黒記念で2着が2回あるアイスバブル、AJC杯3着馬ラストドラフトなど。サンレイポケットは新潟記念で中団の後ろからメンバー3位の32.4秒で伸びてアタマ+クビ差の3着。前走毎日王冠は中団の外からメンバー3位の34.4秒で伸びて0.5秒差の3着。2着ダイワキャグニーとはハナ差だった。左回りは[3−1−2−0]。荻野極騎手は重賞初制覇なるか。

メイショウテンゲンは阪神大賞典でユーキャンスマイルに0.4秒差の3着。前走宝塚記念は後方から追い込んで5着まで追い上げた。ハンデは56キロ。消耗戦になって上がりが掛かれば。サトノルークスは菊花賞2着の後、鳴尾記念8着、小倉記念11着に終わった。東京ではダービー17着。テン乗りの大野騎手に乗り替わる。トーセンカンビーナは阪神大賞典2着、天皇賞(春)5着。叩き2戦目、加藤征厩舎に転厩して2戦目、Mデムーロ騎手でどこまで変わるか。アイスバブルは前2走16、8着に終わった。横山武騎手に乗り替わる。


レース回顧

2020年11月 8日(日) 5回東京2日  天候: 曇   馬場状態: 良 
11R  第58回アルゼンチン共和国杯
3歳以上・オープン・G2(ハンデ) (国際)(特指)  芝 2500m   18頭立
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着枠 馬  馬名               性齢 騎手     斤量 タイム  3F  人体重     廐舎
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1 8 18  オーソリティ       牡 3 ルメール  54  2.31.6 34.4  3 512 (美)木村哲也
2 1  2  ラストドラフト     牡 4 戸崎圭太  56  2.31.8 34.2  6 462 (美)戸田博文
3 5 10  サンアップルトン   牡 4 柴田善臣  55  2.31.9 34.1  9 474 (美)中野栄治
4 3  5  ユーキャンスマイル 牡 5 岩田康誠  58  2.32.0 34.6  1 496 (栗)友道康夫
5 7 13  タイセイトレイル   牡 5 坂井瑠星  55  2.32.0 34.7 13 490 (栗)矢作芳人
6 4  8  サンレイポケット   牡 5 荻野極    55  2.32.0 34.4  2 468 (栗)高橋義忠
7 2  3 $ベストアプローチ   セ 6 江田照男  56  2.32.1 34.3 15 490 (美)小島茂之
8 8 16  アールスター       牡 5 長岡禎仁  56  2.32.2 34.9 16 504 (栗)杉山晴紀
9 8 17  ゴールドギア       牡 5 田辺裕信  53  2.32.4 34.4 11 482 (美)伊藤圭三
10 5  9  ミュゼエイリアン   セ 8 横山和生  53  2.32.6 35.9 17 496 (美)黒岩陽一
11 7 14  オセアグレイト     牡 4 三浦皇成  55  2.32.8 35.9  8 494 (美)菊川正達
12 4  7  アイスバブル       牡 5 横山武史  55  2.33.0 35.4 10 446 (栗)池江泰寿
13 7 15  サトノルークス     牡 4 大野拓弥  56  2.33.4 36.0  5 480 (栗)池江泰寿
14 3  6  トーセンカンビーナ 牡 4 M.デム  55  2.33.5 35.3 12 460 (美)加藤征弘
15 1  1  バレリオ           牡 5 津村明秀  55  2.33.7 36.3  7 504 (美)相沢郁
16 6 11  プリンスオブペスカ 牡 6 丸山元気  54  2.35.1 37.1 18 474 (栗)松永昌博
17 6 12  メイショウテンゲン 牡 4 池添謙一  56  2.35.4 37.6  4 454 (栗)池添兼雄
18 2  4  エアウィンザー     セ 6 横山典弘  57  2.37.4 39.5 14 498 (栗)角居勝彦
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LAP : 7.3-11.3-11.1-11.8-12.2-12.1-12.8-12.9-12.6-12.6-11.3-11.2-12.4
通過:*35.6-47.6-59.7-72.2  上り:73.0-60.1-47.5-34.9  平均:1F:12.13 / 3F:36.38
単勝   18 \530 
複勝   18 \270 / 2 \460 / 10 \540 
枠連   1-8 \2040 (10) 
馬連   02-18 \6680 (23) 
ワイド 02-18 \2630 (26)/ 10-18 \2620 (25)/ 02-10 \5440 (50) 
馬単   18-02 \9590 (33) 
3連複 02-10-18 \48220 (136/816) 
3連単 18-02-10 \202520 (570/4896) 

オーソリティは大外18番枠から3番手につけ、メンバー4位の34.4秒で抜け出してレースを制した。勝ちタイムは2分31秒6。ミュゼエイリアンが逃げて前半5F59.7秒。中盤以降に12.8−12.9−12.6−12.6秒と流れが緩んでラスト3F34.9秒、ラップは11.3−11.2−12.4秒の上がり勝負になった。オーソリティは3番手から抜け出す正攻法のレースで快勝。土曜のモントライゼ(ルメール騎手)と同じようなレースだった。3歳馬は古馬相手の芝重賞でサリオス(毎日王冠)しか勝っていなかったが、これで2勝目となった。G2の青葉賞を勝った馬が54キロというのは、過去にAR共和国杯に出走した3歳馬と比べて恵まれていた。社台傘下のシルクHC、ノーザンファーム生産馬、ルメール騎手。JRAは外が伸びる馬場で揉まれない大外枠に入れ、ハンデ54キロでアシストしている。中盤以降に本来なら流れが速くなるところで逆に流れが緩んだことも有利に働いている。誰も社台のルメール騎手を負かしにいかない。特に賞金の高いG1、G2でその傾向が強い。次走は状態面次第で有馬記念を使うことになりそうだ。

ラストドラフトは1枠から道中ロスなく回り、直線で外に出してメンバー2位の34.2秒で伸びて0.2秒差の2着。消耗戦になったAJC杯で勝負どころで不利がありながら3着に突っ込んだ馬。初めての芝2500mである程度のスタミナを示し新味を見せた。母は桜花賞馬マルセリーナ。半弟のヒートオンビートが長い距離で好走を続けて頭角を現してきたことで長い距離を使ったのだろう。次走は昨年2着の中日新聞杯か。

サンアップルトンは中団の後ろからメンバー最速の34.1秒で伸びて0.3秒差の3着。日経賞で最後方からメンバー最速の35.3秒で追い込んで0.4秒差の4着に入った馬が9番人気で激走した。前走オールカマーは休み明けで馬体が12キロ増えて6着に終わったが、ひと叩きされて馬体が8キロ絞れ、気配が良くなっていた。柴田善騎手では[3−1−1−2]。これでG2では4、6、3着。次走は有馬記念、またはAJC杯になりそうだ。

ユーキャンスマイルは中団の後ろから内を通って追い上げ、直線で馬群を割って伸びかけたが、そこから伸び切れず0.4秒差の4着。直線で伸び切れなかったのは、休み明けで58キロを背負い、荒れた内を通り、直線で馬群を捌くのに少し手間取ったことが影響したのだろう。ただし外が伸びる馬場でわざと岩田騎手が内を走らせた感もある。これで58キロを背負ったときは4、4、4、5着。次走ジャパンCは57キロで出走できる。3冠馬3頭を相手にどこまで通用するか。



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