中山金杯
2021/1/5 中山競馬場 芝2000m

レース展望

過去10年で1番人気は[3−1−3−3]で4連対。前走重賞3着以内は[3−0−1−3]だが、前走重賞4着以下は[0−1−2−0]で1連対のみ。2番人気は[3−1−0−6]で4連対、3番人気は[2−0−0−8]で2連対。3番人気以内の決着は1回のみ。6〜9番人気が4連対、10番人気以下が1連対。過去5年の馬連は16倍、17倍、6倍、45倍、25倍。人気馬に人気薄を絡めて中穴を狙うのが妙味。

53キロ以下は[0−0−1−22]、54キロは[0−1−1−23]。連対馬19頭が55キロ以上、14頭が56キロ以上。トップハンデは[4−2−1−5]で6連対、5番人気以内なら[4−1−1−1]。人気になった馬は馬券に絡めたい。前走から斤量が増えた馬は[9−4−5−12]、5番人気以内なら[9−3−5−6]で連対率52%。ハンデ戦で斤量が増えた馬は不振だが、中山金杯では活躍している。

ディープボンドはダービー5着、神戸新聞杯4着、菊花賞4着。先行してしぶとい脚を使えるタイプ。芝2000mは[1−0−1−2]で未勝利戦を3馬身差で圧勝している。もっと長い距離が合うが、タフな中山で時計、上がりが掛かるのはプラス。ハンデは56キロ。1番人気の関西馬は12年以降は[0−0−2−2]。昨年の古馬芝重賞で3歳牡馬は3番人気以内なら[2−2−0−5]、4番人気以下は[0−0−0−12]。

ヒシイグアスは2、3勝クラスを連勝しOP入り。前走ウェルカムSは好位からメンバー2位タイの33.5秒で抜け出して2分00秒7で優勝。切れる脚がなかった馬がスローの上がり勝負に対応できた。中山芝は[2−2−0−1]で芝2000mでは未勝利戦を逃げて3馬身差で圧勝している。前に行ってしぶとい脚を使える馬で小回りの中山は合っている。ハンデは54キロ。奥手のハーツクライ産駒。3連勝で重賞初制覇なるか。

福島記念勝ち馬バイオスパーク、同2着馬ヴァンケドミンゴ、共同通信杯勝ち馬ダーリントンホール、前走勝ってOP入りしたシークレットラン、ココロノトウダイ、小倉大賞典勝ち馬カデナ、昨年の2着馬ウインイクシード、同3着馬テリトーリアルなど。バイオスパークは前走福島記念を差し切って1分59秒6で優勝。重賞を勝ったことでハンデは2キロ増の57キロ。叩き3戦目は[1−3−0−0]。相手なりに走るタイプ。

ヴァンケドミンゴは七夕賞3着、カシオペアS3着、福島記念2着と力をつけている。福島は[4−1−1−0]だが、中山は[0−1−1−5]。ハンデは前走から1キロ増の56キロ。藤岡康騎手に乗り替わる。ダーリントンホールは中山芝2000mで葉牡丹賞3着、皐月賞6着。ハンデは55キロ。長期休み明けでどこまで仕上がってくるか。ウインイクシードは中山芝2000m[0−3−1−1]。今年は1キロ増の56キロ。過去10年で7歳馬は[1−0−2−33]で1連対のみ。陣営は戸崎騎手を確保している。


レース回顧

2021年 1月 5日(火) 1回中山1日  天候: 曇   馬場状態: 良 
11R  第70回日刊スポーツ賞中山金杯
4歳以上・オープン・G3(ハンデ) (国際)(特指)  芝 2000m   17頭立
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着枠 馬  馬名               性齢 騎手     斤量 タイム  3F  人体重     廐舎
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1 5  9  ヒシイグアス       牡 5 松山弘平  54  2.00.9 34.5  1 496 (美)堀宣行
2 2  3  ココロノトウダイ   牡 4 丸山元気  53  2.00.9 34.4  5 528 (美)手塚貴久
3 8 16  ウインイクシード   牡 7 戸崎圭太  56  2.01.2 35.2 11 498 (美)鈴木伸尋
4 6 12  ロザムール         牝 5 北村宏司  52  2.01.4 35.5 14 502 (美)上原博之
5 5 10  アールスター       牡 6 長岡禎仁  56  2.01.4 34.4 13 508 (栗)杉山晴紀
6 1  2 *テリトーリアル     牡 7 石川裕紀 56.5 2.01.4 35.2  3 476 (栗)西浦勝一
7 7 13  シークレットラン   牡 5 横山武史  54  2.01.6 34.7  7 504 (美)田村康仁
8 1  1  ロードクエスト     牡 8 西村淳也  56  2.01.7 34.7 17 466 (美)小島茂之
9 4  7  マウントゴールド   牡 8 内田博幸  56  2.01.7 34.6 15 464 (栗)池江泰寿
10 8 17  バイオスパーク     牡 6 池添謙一  57  2.01.8 35.5  9 478 (栗)浜田多実
11 3  6  カデナ             牡 7 三浦皇成  58  2.01.8 34.6  6 480 (栗)中竹和也
11 7 14  ヴァンケドミンゴ   牡 5 藤岡康太  56  2.01.8 35.7  4 472 (栗)藤岡健一
13 3  5  ショウナンバルディ 牡 5 津村明秀  54  2.01.9 35.3  8 444 (栗)松下武士
14 6 11  ディープボンド     牡 4 和田竜二  56  2.02.0 35.4  2 492 (栗)大久保龍
15 4  8  リュヌルージュ     牝 6 中井裕二  52  2.02.1 35.8 12 468 (栗)斉藤崇史
16 2  4  マイネルサーパス   牡 5 丹内祐次 56.5 2.02.3 35.5 16 484 (美)高木登
17 8 15 $ダーリントンホール 牡 4 M.デム  55  2.03.6 37.0 10 536 (美)木村哲也
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LAP :12.5-11.4-13.1-12.4-12.6-12.1-11.8-11.5-11.3-12.2
通過:37.0-49.4-62.0-74.1  上り:71.5-58.9-46.8-35.0  平均:1F:12.09 / 3F:36.27
単勝   9 \310 
複勝   9 \160 / 3 \310 / 16 \610 
枠連   2-5 \2000 (10) 
馬連   03-09 \1990 (3) 
ワイド 03-09 \810 (4)/ 09-16 \1850 (24)/ 03-16 \5560 (66) 
馬単   09-03 \2760 (4) 
3連複 03-09-16 \18300 (62/680) 
3連単 09-03-16 \64390 (182/4080) 

ヒシイグアスは5、6番手につけ、直線で外からメンバー3位の34.5秒で差し切りレースを制した。勝ちタイムは2分00秒9。ロザムールが逃げて前半5F62.0秒のスロペース。後半5F58.9秒、ラップは12.1−11.8−11.5−11.3−12.2秒。スローペースで前が残りやすい展開になり、中団より前につけてひと脚使った2頭で決着。ヒシイグアスは好位の外から抜け出す正攻法のレースで重賞初制覇。セレクトセールで1億476万円で取り引きされた堀厩舎のハーツクライ産駒。以前は決め手不足で詰めが甘かったが、ここにきて末脚の威力が増している。過去10年で前走3勝クラス出走馬は[1−0−2−11]で1連対だったが、前走3勝クラスを勝った軽量馬2頭で決着。やはり例年よりメンバーレベルが低かったのだろう。ヒシアマゾン、ヒシミラクル、ヒシアケボノなどを出したヒシの馬主は息子に替わったが、ヒシとしては06年のヒシアトラス(エルムS)以来の重賞制覇となった。今後は中山記念から大阪杯を目指すことになりそうだ。

ココロノトウダイは内枠スタートから8番手の内を進み、直線で外に出してメンバー最速タイの34.4秒で伸びてクビ差の2着。丸山騎手が直線まで内でタメて狭いところを捌いてきたが、最後はヒシイグアスに競り負けた。これまで中山[0−0−0−2]、福島[3−1−0−0]で直線が平坦なコースを得意にしていたが、初めて急坂のある中山で連対した。大型馬でパワーがあるため、時計、上がりが掛かる今の中山は合っているのだろう。これまで内枠に入ったときに好走している点を考慮しておきたい。今後は小倉大賞典を使ってひと息入れ、夏は七夕賞(福島)、小倉記念を使ってサマー2000シリーズの優勝を目指す手か。

ウインイクシードは外枠スタートから2番手につけ、メンバー8位タイの35.2秒で粘って0.3秒差の3着。昨年の6番人気で2着、今年は13番人気で3着に激走した。過去10年で8枠は[0−1−0−22]だったが、戸崎騎手がスタートを決めて楽に2番手につけ、スローペースで進められたことが良かったのだろう。休み明けを除き、良馬場の中山芝1800〜2200mでは[2−4−2−2]。この条件では堅実に走っている。

ヴァンケドミンゴは外枠スタートから3番手につけ、直線で伸び切れず0.9秒差の11着。陣営の指示なのか藤岡康騎手が外枠を嫌ったのか、いつもとは違う先行策で勝ちにきたが、勝負どころで早々と手が動き、直線で一杯になった。これまで差すレースをしてきただけに馬が少し戸惑った面もあるか。叩き3戦目で仕上がりは悪くなかった。[4−1−1−0]の福島巧者。直線に急坂がある中山では[0−1−1−6]で不振が続いている。

ディープボンドは外から前に入られて位置取りが悪くなり、直線で前が壁になってまともに追えず14着に終わった。それほど切れる脚がないため、スローペースで中団の後ろからでは厳しかった。全く力を出していないため参考外の一戦だが、本質的にはもう少し長い距離が合っている。18年以降の芝重賞で和田騎手は2番人気以内では[0−1−1−8]、4歳以上では[0−0−0−5]で不振が続いている。



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