七夕賞
2022/7/10 福島競馬場 芝2000m

レース展望

サマー2000シリーズの第1戦。過去10年で1番人気は[2−1−1−6]で3連対。過去3年は4、11、9、14着で不振。2番人気は[2−1−0−7]、3番人気は[3−0−0−7]で各3連対。6〜9番人気は4連対、10番人気以下は3連対。過去5年の馬連は14倍、232倍、27倍、47倍、46倍。ハンデ戦で波乱傾向が強い。18年は11−4−12番人気で決着し、3連単256万馬券が飛び出した。

前走勝った馬は[0−1−3−9]で1連対のみ。前走6〜9着が2頭、前走10着以下が8頭連対している。過去4年は前走11、10、7、5着馬が優勝。前走着順は問われない。芝2000mで実績のある馬に注目したい。トップハンデは5番人気以内[2−1−1−4]、6番人気以下[0−1−0−6]。19年、20年は3番人気のミッキースワロー、クレッシェンドラヴが優勝。5番人気以内なら馬券に絡めたい。

過去10年でノーザンF生産馬は[3−1−1−23]で1、3、11番人気が勝ち、7番人気が2着、16番人気が3着。シークレットラン、レッドジェネシスが該当する。社台F生産馬は[1−1−0−11]で2番人気が勝ち、1番人気が2着。ヒートオンビート、フォルコメン、マウントゴールドが該当する。社台白老F生産馬は[1−1−1−9]で3番人気が勝ち、10番人気が2着、7番人気が3着。プリマヴィスタが該当する。

ヒートオンビートは重賞では[0−2−2−2]で目黒記念&チャレンジC2着、中山金杯&日経賞3着がある。2走前の日経賞は4番手から最速タイの34.6秒で上がって0.1秒差の3着。勝ったタイトルホルダーは天皇賞(春)、宝塚記念を制し、2着ボッケリーニは目黒記念を制した。前走天皇賞(春)は中団から2位の37.0秒で上がって1.8秒差の4着。芝2000mは[0−2−1−0]で3着以内を確保。過去10年で57キロは[6−2−0−16]、1番人気では[2−1−0−0]。重賞初制覇のチャンスか。鞍上は池添騎手。

アンティシペイトはOP入り後重賞で8、11、11着に終わったが、前走福島民報杯を後方から捲って2位の36.4秒で上がり1分59秒9で5馬身差で圧勝。前半5F57.7秒のハイペースで道中後方を進んだ馬が上位を独占する前崩れの展開だった。これまで長い距離を使われてきたが、芝2000mは[2−1−0−1]で4着以内を確保。前走OP特別を勝ったため、ハンデは1、5キロ増の56.5キロ。重賞で掲示板がない馬が前走福島で圧勝したことで少し見込まれたか。重賞で武藤騎手は[0−1−4−58]で連対率1.6%。

昨年の福島記念2着馬ヒュミドール、昨年の小倉記念勝ち馬モズナガレボシ、昨年の京都新聞杯勝ち馬レッドジェネシス、20年の福島記念2着馬ヴァンケドミンゴ、昨年の七夕賞勝ち馬トーラスジェミニ、昨年の中日新聞杯勝ち馬ショウナンバルディ、ダービー卿CT2着馬フォルコメンなど。ヒュミドールは右回りの芝2000mのG3では[0−2−0−0](55キロ)。福島では[1−1−0−0]。3戦連続でMデムーロ騎手が騎乗する。モズナガレボシは昨年の小倉記念でヒュミドールに勝っている。2走前の新潟大賞典は0.3秒差の4着。叩き3戦目で得意のローカル小回りコース。今年の重賞で戸崎騎手は[1−1−3−27]で1勝のみ。


レース回顧

2022年 7月10日(日) 2回福島4日  天候: 曇   馬場状態: 良 
11R  第58回七夕賞
3歳以上・オープン・G3(ハンデ) (国際)(特指)  芝 2000m   16頭立
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着枠 馬  馬名               性齢 騎手     斤量 タイム  3F  人体重     廐舎
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1 8 16  エヒト             牡 5 田中勝春  54  1.57.8 34.4  6 464 (栗)森秀行
2 3  6  ヒートオンビート   牡 5 池添謙一  57  1.58.2 34.3  1 476 (栗)友道康夫
3 6 11  アンティシペイト   牡 5 武藤雅   56.5 1.58.3 34.5  2 496 (美)国枝栄
4 2  4  エヴァーガーデン   牝 5 松岡正海  52  1.58.6 35.4 13 484 (美)深山雅史
5 2  3  ヒュミドール       セ 6 M.デム  56  1.58.8 35.2  3 472 (美)小手川準
6 8 15  ヴァンケドミンゴ   牡 6 津村明秀  56  1.58.8 34.7 11 470 (栗)藤岡健一
7 6 12  モズナガレボシ     牡 5 戸崎圭太  55  1.58.9 34.6  4 492 (栗)荒川義之
8 5 10  ヤマニンデンファレ 牝 4 江田照男  50  1.59.0 35.6  5 482 (美)辻哲英
9 7 13  プリマヴィスタ     牡 5 内田博幸  53  1.59.1 34.8  8 476 (栗)矢作芳人
10 4  8  フォルコメン       セ 6 石橋脩    55  1.59.1 36.2  7 506 (美)堀宣行
11 5  9  ショウナンバルディ 牡 6 菅原明良  57  1.59.3 35.5  9 452 (栗)松下武士
12 1  2  ロザムール         牝 6 丸田恭介  53  1.59.4 36.9 12 500 (美)上原博之
13 1  1  シークレットラン   牡 6 柴田善臣  54  1.59.5 35.4 14 514 (美)田村康仁
14 3  5  マウントゴールド   牡 9 永野猛蔵  57  1.59.6 35.7 16 450 (栗)池江泰寿
15 4  7  レッドジェネシス   牡 4 三浦皇成 56.5 1.59.7 35.8 10 500 (栗)友道康夫
16 7 14  トーラスジェミニ   牡 6 原優介   57.5 2.01.1 38.3 15 462 (美)小桧山悟
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LAP :12.3-11.0-11.1-12.0-12.1-12.1-11.9-11.9-11.6-11.8
通過:34.4-46.4-58.5-70.6  上り:71.4-59.3-47.2-35.3  平均:1F:11.78 / 3F:35.34
単勝   16 \1620 
複勝   16 \340 / 6 \150 / 11 \170 
枠連   3-8 \1560 (8) 
馬連   06-16 \3260 (9) 
ワイド 06-16 \1210 (13)/ 11-16 \1340 (16)/ 06-11 \400 (1) 
馬単   16-06 \8320 (30) 
3連複 06-11-16 \5720 (8/560) 
3連単 16-06-11 \39600 (90/3360) 

エヒトは大外枠からスタートを決めて6番手につけ、勝負どころで3番手に押し上げるとメンバー2位の34.4秒で抜け出して2馬身半差で圧勝した。勝ちタイム1分57秒8はレースレコード。ロザムールが前半5F58.5秒で飛ばし、後半5Fは59.3秒、ラップは12.1−11.9−11.9−11.6−11.8秒。速い流れでラスト4Fを全て11秒台でまとめており、ローカルのG3でもレベルが高い。エヒトは勝負どころで抜群の手応えで上がって行き、直線で楽々と抜け出して快勝。4コーナー、直線で田中勝騎手は後ろを振り返る余裕があった。前走京都記念で0.4秒差の7着に入った馬が54キロの軽ハンデを味方に一気にパフォーマンスを引き上げて重賞初制覇。本格化を思わせるレースぶりだった。1着エヒト(父ルーラーシップ)、2着ヒートオンビート(父キングカメハメハ)、3着アンティシペイト(父ルーラーシップ)。福島の重賞はキングカメハメハが入った馬が激走する傾向が続いている。田中勝騎手は19年函館記念のマイスタイル以来2年ぶりの重賞制覇。通算51勝目。久々にカッチースマイルを見ることができた。使い込む森厩舎が休み明けで勝ったため、今後はサマー2000シリーズの優勝を目指して使い込みそうだ。

ヒートオンビートは10番手からメンバー最速の34.3秒で上がって0.4秒差の2着。日経賞、天皇賞(春)と長い距離を使ったため、流れに乗れず位置取りが後ろになったが、最後は外から地力で伸びて2着を確保。前3走は3、3、4着に終わったが、ようやく2着に入り賞金を加算することができた。秋に向けて賞金を加算できたことは大きい。地力が強化され、どんなレースになっても崩れなくなってきている。今後は休養して秋は京都大賞典あたりで復帰することになりそうだ。

アンティシペイトは後方から徐々に進出し、メンバー3位の34.5秒で上がって0.5秒差の3着。いい脚を長く使ったが、勝ったエヒトが強過ぎた。前走福島民報杯を1分59秒9で5馬身差で圧勝したが、今回は1.5キロ重い56.5キロを背負い、1分58秒3で走って力は出している。これで芝2000mは[2−1−1−1]。これまで長い距離を使われてきたが、芝2000mが合っているのだろう。7〜9月は[2−2−1−0]。夏場は安定して走っている。

エヴァーガーデンは4番手からメンバー8位タイの35.4秒で上がって0.8秒差の4着。逃げ先行馬が直線で失速する中、最後までしぶとく伸びて前に行った馬の中では最先着。これで中山&福島の芝2000mでは[3−1−0−2]で堅実に走っている。母は紫苑S勝ち馬モエレカトリーナ。パドックで馬体、気配が良かったように夏場も合っているのだろう。

ヒュミドールは6番手の内からメンバー7位の35.2秒で上がって1.0秒差の5着。4コーナーでヤマニンデンファレに前に入られて減速し、踏み遅れるロスがあった。そこがスムーズならラストの伸びは違ったのではないか。昨年2着に入った小倉記念は1分59秒8(稍重)、福島記念は1分59秒8。もっと時計、上がりが掛かった方が持久力を生かせる。

モズナガレボシは後方2番手からメンバー4位の34.6秒で上がって1、1秒差の7着。前4走は3、4、2、6番手につけていたが、スタートしてから流れに乗れず、位置取りが悪くなったことが堪えた。戸崎騎手はこの日8、9Rの芝戦を4、2番人気で連勝したが、肝心なところで流れに乗れなかった。今年の重賞では[1−1−3−28]で連対率6.1%。



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