エルムS
2022/8/7 札幌競馬場 ダ1700m

レース展望

過去10年で1番人気は[2−1−3−4]で3連対。単勝1倍台は[1−1−1−0]で3着以内を確保。単勝2倍台は[0−0−1−2]、3倍台は[1−0−1−2]で取りこぼしが多い。2番人気は[3−2−0−5]で5連対、3番人気は[2−1−0−7]で3連対。連対馬17頭が5番人気以内、残る3頭は7、7、10番人気。過去5年の馬連は8倍、12倍、92倍、9倍、42倍。昨年は4−7番人気で中穴決着。

年齢別では4歳[4−1−2−10]、5歳[4−3−4−21]、6歳[2−2−3−35]、7歳以上[0−4−1−36]。4、5歳馬が勝ち、6、7歳馬が2着に来ることが多い。夏のローカルG3に一線級は出走しない。重賞実績のある高齢馬に注意。前走北海道のダ1700mのOP特別に出走した馬は[5−3−2−39]で8連対。連対馬が2番人気以内なら[3−1−2−0]。前走マリーンSで連対した馬に注意。

過去10年でノーザンF生産馬は[1−1−1−10]で2番人気が勝ち、2番人気が2着、4番人気が3着。ダノンファラオ、バティスティーニが該当する。社台白老F生産馬は[2−0−0−3]で1番人気が勝ち、4番人気が2着。スワーヴアラミスが該当する。社台F生産馬は[2−1−0−11]で1、3番人気が勝ち、5番人気が2着。今年は出走馬がいない。社台馬主はバティスティーニ(サンデーR)のみ。

オメガレインボーはダ1700m[2−4−1−7]で昨年はマリーンSでハナ差の2着、エルムSで半馬身差の2着に入った。前走マリーンSは中団から5位の36.7秒で上がって0.3秒差の4着。前に行った3頭で決着したレースだった。今回は前に行く馬が揃って流れが速くなれば突っ込んでくるか。過去10年のエルムSで横山和騎手は[1−2−0−3]で8番枠で1着、13、13番枠で2着。外枠を克服している。

ブラッティーキッドは地方で5連勝、中央に戻って3連勝。竜飛崎特別は3番手から2位の36.4秒で上がって1分44秒1(稍重)で優勝。1週後のマリーンSは1分44秒0(良、小雨)だった。前走報知杯大雪Hは6番手から2位の37.6秒で差し切り1分45秒3で2馬身半差で圧勝。過去10年で前走3勝Cを勝った馬は[2−0−0−5]で3、7番人気が勝っている。13年目の水口騎手は重賞初制覇なるか。

昨年のエルムS勝ち馬スワーヴアラミス、マリーンS勝ち馬フルデプスリーダー、同2着馬ウェルドーン、同3着馬ロードエクレール、大沼S勝ち馬アイオライト、プロキオンS2着馬ヒストリーメイカー、同4着馬ロードレガリス、昨年のエルムSで1番人気で14着に終わったアメリカンシードなど。他にも激走してもおかしくない馬が多い。日曜は曇り一時雨の予報が出ている。脚抜きのいい馬場になる可能性がある。

スワーヴアラミスは昨夏大沼S2着(59キロ)、マリーンS1着(57.5キロ)、エルムS1着(56キロ)。7〜9月のダートでは[4−0−1−0]。58キロを克服して松田騎手が持ってくるか。フルデプスリーダーはダ1700mで先行したときは[2−1−0−0]。横山武騎手から丹内騎手に乗り替わる。ウェルドーンはマリーンSで2番手から粘ってハナ差の2着。関東オークスを勝ち、JDDで3着に入った馬。過去10年のエルムSで牝馬は[0−0−0−6]、武豊騎手は[0−0−0−4]。馬名は「あっぱれ」という意味。


レース回顧

2022年 8月 7日(日) 1回札幌6日  天候: 晴   馬場状態: 良 
11R  第27回エルムS
3歳以上・オープン・G3(別定) (国際)(指定)  ダート 1700m   14頭立
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着枠 馬  馬名               性齢 騎手     斤量 タイム  3F  人体重     廐舎
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1 6  9  フルデプスリーダー 牡 5 丹内祐次  56  1.44.2 36.2  9 490 (美)斎藤誠
2 4  6  ウェルドーン       牝 4 武豊      54  1.44.3 36.6  6 514 (栗)角田晃一
3 3  3  オメガレインボー   牡 6 横山和生  56  1.44.4 36.5  2 466 (栗)安田翔伍
4 3  4  ブラッティーキッド 牡 4 水口優也  56  1.44.4 36.6  1 498 (栗)中尾秀正
5 7 11  ロードレガリス     牡 7 富田暁    56  1.44.5 35.6  5 528 (栗)野中賢二
6 5  7  ヒストリーメイカー 牡 8 池添謙一  56  1.44.6 36.6  7 528 (栗)新谷功一
7 6 10  ブラックアーメット 牡 4 角田大和  56  1.45.0 36.8 11 506 (栗)角田晃一
8 2  2  アイオライト       牡 5 菱田裕二  56  1.45.0 37.3  3 480 (美)武藤善則
9 7 12  スワーヴアラミス   牡 7 松田大作  58  1.45.4 36.8  4 486 (栗)須貝尚介
10 8 13  バティスティーニ   牡 9 鮫島克駿  56  1.45.4 37.2 14 496 (栗)池添学
11 8 14  ダンツキャッスル   牡 6 吉田隼人  56  1.46.0 36.9 10 474 (栗)谷潔
12 4  5 $アメリカンシード   牡 5 柴山雄一  56  1.46.2 37.2 12 474 (栗)藤岡健一
13 1  1  ロードエクレール   牡 4 石川裕紀  56  1.46.5 37.7  8 470 (美)斎藤誠
14 5  8 *ダノンファラオ     牡 5 浜中俊    58  1.46.5 36.4 13 540 (栗)矢作芳人
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LAP : 6.7-11.3-12.3-12.7-12.4-12.3-12.0-11.8-12.7
通過:*36.7-49.2-61.6-73.7  上り:73.9-61.2-48.8-36.5  平均:1F:12.26 / 3F:36.78
単勝   9 \1690 
複勝   9 \440 / 6 \330 / 3 \200 
枠連   4-6 \4110 (20) 
馬連   06-09 \5340 (30) 
ワイド 06-09 \1650 (25)/ 03-09 \1380 (20)/ 03-06 \1070 (7) 
馬単   09-06 \12130 (63) 
3連複 03-06-09 \9490 (30/364) 
3連単 09-06-03 \61530 (225/2184) 

フルデプスリーダーは6枠9番スタートから少し押して6番手につけ、勝負どころで押し上げて前を射程圏に入れるとメンバー2位の36.2秒で差し切ってレースを制した。勝ちタイムは1分44秒2。アイオライトが逃げて前半3F36.7秒の緩い流れ。前半61.6秒は過去10年で最も遅い。前哨戦と同様に流れが緩んで6−2−3番手につけた馬で決着。2年連続でマリーンS1、2着馬で決着した。フルデプスリーダーは好位から抜け出す正攻法のレースで重賞初制覇を飾った。

前哨戦のマリーンSを6番人気で勝ったが、横山武騎手からテン乗りの丹内騎手に乗り替わったことが嫌われたのか9番人気だった。前残りになったマリーンSは前半5F60.8秒だったが、エルムSは前半5F61.6秒でさらに遅い流れだった。これで札幌ダ1700mは[2−1−0−0]。先行してしぶとい脚を使えるタイプだけに小回りのダ1700mが合うのだろう。ヘニーヒューズ産駒はニューモニュメント、アドマイヤルプスなどダートのOP以上で活躍が目立つため注意したい。

ウェルドーンは2番手から直線で先頭に立ったが、フルデプスリーダーに差されてクビ差の2着。上がりはメンバー5位タイの36.6秒。前走マリーンSと同じようなレースになり、2戦連続でフルデプスリーダーに交わされた。これでダ1700mは[0−3−0−0]。勝ち切れないが、牡馬を相手によく走っている。関東オークスを勝ち、JDDでタイム差なしの3着に入ったのはダテではない。今後は地方交流の牝馬限定重賞で活躍できそうだ。武豊騎手は今夏は調子がいいのか、出遅れ、折り合いを欠くことが少なくなった。

オメガレインボーは3枠3番から内ラチ沿いの3、4番手を進み、メンバー4位の36.5秒で上がってクビ+クビ差の3着。横山和騎手が好位置につけ、直線で前を交わせばというレースになったが、前にいたウェルドーンを交わせず、外からフルデプスリーダーに交わされた。いつもより前に行ったぶん伸び切れなかったが、いつものように中団でタメていれば流れが緩んだだけに馬券圏内がなかったかもしれない。横山和騎手は土日[3−7−3−7]で複勝率65%。7番人気で2勝している。好騎乗が目立つため注意したい。

ブラッティーキッドは道中3番手を進み、勝負どころで外を回って少し下がったが、そこから盛り返して0.2秒差の4着。地方から続く連勝は8でストップしたが、重賞でやれるメドが立った。勝負どころでの手応えを見ると惨敗してもおかしくなかったが、直線で伸びてきたように底力がある。まずはOP特別を勝って賞金を加算したい。

ロードレガリスは後方からメンバー最速の35.6秒で追い込んで0.3秒差の5着。大外から猛然と伸びてきたが、緩い流れで位置取りが後ろ過ぎた。長期休み明けから復帰して2戦とも最速上がり。エンジンの掛かりが遅いため、もっと長い距離が合っている。シリウスSに出走したら注意したい。

ロードエクレールは1枠1番からハナに行けず、徐々に位置取りが悪くなり2.3秒差の13着。2枠2番のアイオライトに前に入られてあっさり引き下がり、それによって流れに乗れず、モロに砂を被っていた。前半5F35秒台で流れたレースは3戦3勝。逃げて3着に負けた大沼S、マリーンSは緩い流れだった。



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