チャンピオンズC
2022/12/4 中京競馬場 ダ1800m

レース展望

過去8年で1番人気は[2−3−0−3]で5連対。過去6年は[2−3−0−1]で堅実。前走JBCクラシック勝ち馬は[0−1−0−3]で不振。2番人気は[2−0−0−6]で2連対、3番人気は[0−3−3−2]で3連対。6〜8番人気が4連対、10番人気以下が1連対。過去5年の馬連は41倍、30倍、9倍、40倍、6倍で中穴決着が多い。G1実績馬が揃うが、人気馬に人気薄を絡めて中穴を狙うのが妙味。

連対馬16頭のうち11頭が前走3着以内。前走ダート重賞で3着以内に入った馬が活躍。前走4、4、5、6、7着から連対した5頭のうち4頭はダートG1馬だった。前走8着以下は[0−0−3−17]で3着止まり。連対馬13頭が前走3番人気以内、16頭全てが前走5番人気以内に支持されていた。前走重賞で5番人気以内だった馬に注目。前走6番人気以下は[0−0−1−31]で昨年14番人気が3着に入ったのみ。

過去8年でノーザンF生産馬は[3−4−0−12]で2、4、8番人気が勝ち、1、3、3、8番人気が2着。グロリアムンディ、ジュンライトボルト、バーデンヴァイラー、レッドソルダードが該当する。社台F生産馬は[0−1−1−12]で3番人気が2、3着。クラウンプライド、レッドガランが該当する。社台馬主はクラウンプライド(吉田照哉氏)、グロリアムンディ(吉田和美氏)、バーデンヴァイラー(キャロットF)。

テーオーケインズは昨年のチャンピオンズCを好位から最速の35.5秒で抜け出して6馬身差で圧勝。今年は平安Sを先行抜け出しで2馬身差で圧勝。帝王賞は外を回って4着に終わったが、前走JBCクラシックを2馬身差で圧勝した。地方交流G1は[2−0−0−4]だが、中央の重賞は[3−0−0−0]でまだ負けていない。昨年6月から1→4→1→8→1→4→1着で一戦ごとに勝ち負けを繰り返している。

過去8年で前走JBCクラシック勝ち馬は[0−1−0−6]、1番人気では[0−1−0−3]で1連対のみ。テーオーケインズは昨年のJBCクラシックは4着に負けていた。ただし今年はG1馬が自身の他にサンライズノヴァ(19年南部杯)、ノットゥルノ(22年JDD)しかいない。21年以降、中京ダートでは3戦3勝だが、4、6、4番枠で全て内めの枠に入っていた。今回は6枠12番。断然人気で2連覇なるか。

クラウンプライドはUAEダービーを圧勝した3歳馬。日本テレビ盃はフィールドセンスに差されて0.1差の2着。前走JBCクラシックは逃げてテーオーケインズに0.4差の2着。今回はテーオーケインズとの斤量が2キロから1キロ差になる。ダ1800m[2−1−0−0]で中京では新馬戦を6馬身差で圧勝している。新谷厩舎は地方交流重賞で活躍が目立つ。過去8年のチャンピオンズCで福永騎手は[0−0−0−5]。

アンタレスS2着馬グロリアムンディ、シリウスS勝ち馬ジュンライトボルト、JDD勝ち馬ノットゥルノ、シリウスS2着馬ハピ、昨年の東海S&平安S勝ち馬オーヴェルニュ、南部杯3着馬シャマル、マーキュリーC勝ち馬バーデンヴァイラー、みやこS勝ち馬サンライズホープ、武蔵野S4着馬スマッシングハーツなど。土曜は晴れるが、日曜は曇り時々雨の予報。脚抜きが良くなったら道悪巧者のオーヴェルニュに要注意か。

グロリアムンディはダート[4−1−0−0]。中京ダ1800mは2戦2勝で雅S、名古屋城Sを優勝。アンタレスSはオメガパフュームに0.1秒差の2着。1枠1番でムーア騎手。ジャパンCのように内から持ってくるか。ジュンライトボルトはダートを使ってジュライS2着、BSN賞1着、シリウスS1着。先週のカノープスSは芝を使っていたウシュバテソーロが優勝。ヴェラアズールはダートから芝。最近のトレンドか。

穴っぽいところでバーデンヴァイラーはどうか。2走前のマーキュリーCで重賞初制覇。前走シリウスSは中団から全く伸びずに3.1秒の15着。3走前のアンタレスSでも15着に惨敗している。ダ1800mは[5−0−1−1]。BCディスタフを勝ったマルシュロレーヌの半弟。レーン騎手が騎乗する。スマッシングハーツはグリーンチャンネルC、武蔵野Sで最速の34.0秒、34.8秒で追い込んで4着。中京ではアルデバランSを勝っている。ダートで鮫島駿騎手では3、3、4、4着。新谷厩舎はクラウンプライドと2頭出し。


レース回顧

2022年12月 4日(日) 6回中京2日  天候: 晴   馬場状態: 良 
11R  第23回チャンピオンズカップ
3歳以上・オープン・G1(定量) (国際)(指定)  ダート 1800m   16頭立
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着枠 馬  馬名               性齢 騎手     斤量 タイム  3F  人体重     廐舎
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1 3  5  ジュンライトボルト 牡 5 石川裕紀  57  1.51.9 36.2  3 486 (栗)友道康夫
2 5 10  クラウンプライド   牡 3 福永祐一  56  1.51.9 36.7  4 500 (栗)新谷功一
3 2  3  ハピ               牡 3 横山典弘  56  1.52.1 36.7  6 466 (栗)大久保龍
4 6 12  テーオーケインズ   牡 5 松山弘平  57  1.52.2 36.8  1 494 (栗)高柳大輔
5 7 13  シャマル           牡 4 川田将雅  57  1.52.5 37.2  7 516 (栗)松下武士
6 1  2  サンライズホープ   牡 5 幸英明    57  1.52.6 36.7 11 540 (栗)羽月友彦
7 2  4  スマッシングハーツ 牡 6 鮫島克駿  57  1.52.6 37.0 10 522 (栗)新谷功一
8 5  9  ノットゥルノ       牡 3 武豊      56  1.52.6 37.1  5 516 (栗)音無秀孝
9 4  7  オーヴェルニュ     牡 6 ルメール  57  1.52.6 37.2  9 480 (栗)西村真幸
10 7 14  タガノビューティー 牡 5 石橋脩    57  1.52.7 36.8 12 520 (栗)西園正都
11 3  6  レッドガラン       牡 7 斎藤新    57  1.52.9 36.9 13 520 (栗)安田隆行
12 1  1  グロリアムンディ   牡 4 ムーア    57  1.53.0 37.1  2 504 (栗)大久保龍
13 8 15  サクラアリュール   牡 7 酒井学    57  1.53.2 37.5 16 484 (栗)村山明
14 6 11  バーデンヴァイラー 牡 4 レーン    57  1.53.3 37.7  8 510 (栗)斉藤崇史
15 4  8  サンライズノヴァ   牡 8 松若風馬  57  1.53.4 37.2 14 532 (栗)音無秀孝
16 8 16  レッドソルダード   セ 4 丸山元気  57  1.54.6 39.6 15 502 (栗)奥村豊
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LAP :12.7-11.2-13.1-12.8-12.6-12.6-12.7-11.9-12.3
通過:37.0-49.8-62.4-75.0  上り:74.9-62.1-49.5-36.9  平均:1F:12.43 / 3F:37.30
単勝   5 \790 
複勝   5 \260 / 10 \360 / 3 \400 
枠連   3-5 \2180 (8) 
馬連   05-10 \4850 (13) 
ワイド 05-10 \1330 (13)/ 03-05 \1290 (12)/ 03-10 \1920 (20) 
馬単   05-10 \10130 (24) 
3連複 03-05-10 \14020 (46/560) 
3連単 05-10-03 \81360 (214/3360) 

ジュンライトボルトは好スタートを決めて中団の内から2列目をロスなく進み、直線で外に出しながら馬群を捌くとメンバー最速の36.2秒で差し切ってレースを制した。勝ちタイムは1分51秒9。レッドソルダートが逃げて前半5F62.4秒のスローペース。後半5F62.1秒、上がりは36.9秒、ラップは12.7−11.9−12.3秒。過去3年は1分48秒3〜1分49秒7の高速決着だったが、今年は例年よりも重いダート、スローペースで時計、上がりが掛かるレースになった。スローペースで前に行った馬が有利な展開になり、2、3番手につけた馬が2、3着に粘っている。

ジュンライボルトはダートを使って2、1、1、1着でG1初制覇。前週のジャパンCはダートを使っていたヴェラアズールが芝を使って1、3、3、1、1、1着で優勝。ダートでは芝を使っていたウシュバテソーロがダートで1、3、1、1着で頂点に立てそうなパオフォーマンスを見せている。ジュンライボルトは内でタメて直線でスパッと抜け出す前週のジャパンCのヴェラアズールと同じような勝ち方だった。和製ムーアと言われる石川騎手がジャパンCのムーア騎手を意識した乗り方でG1初制覇を飾った。勝利騎手インタビューで「ブラボー」と叫んだのが印象的。今後は休養に入り、来年はサウジC、ドバイWCが視野に入る。

クラウンプライドは2番手からメンバー2位タイの36.7秒で抜け出したが、最後にジュンライボルトに交わされてクビ差の2着。福永騎手がスローペースの2番手で折り合って直線でタイミング良く抜け出して外から来たテーオーケインズを完封したが、内でタメたジュンライボルトに切れ負けした。今年のUAEダービーを勝った3歳馬がJBCクラシックに続き、G1で2着に粘り能力を示した。前に行ってしぶとい脚を使えるのは、今後も大きな武器になる。今後は休養に入り、来年はサウジC、ドバイWCが視野に入る。福永騎手は調教師試験に合格し、来年2月末で騎手を引退する。2月末のサウジCを最後の騎乗にしないで国内で騎乗して欲しい。

ハピは2枠3番から好スタートを決めて内ラチ沿いの3、4番手につけ、メンバー2位タイの36.7秒で上がって0.2秒差の3着。内をロスなく回ってクラウンプライドを追ったが、最後まで追いつけなかった。それでも4着テーオーケインズにクビ差先着している。横山典騎手は後方ポツンがよくあるが、今回はスローペースなると読んだのか、いつもより前につけて持ってきた。中京のシリウスSでもパピで内を突いて2着に入っており、その経験を活かせたのだろう。重賞では4、3、2、4、3着で勝ち切れないが、ダート馬としては小柄な3歳馬がレースを使いながら一戦ごとにパフォーマンスを引き上げている。

テーオーケインズは少し出遅れた後に6番手の外につけ、メンバー5位タイの36.8秒で上がって0.3秒差の4着。3、4コーナーで少し押し上げて直線入り口で前を射程圏に入れたが、松山騎手が追っても伸び切れなかった。JBCクラシックで0.4秒差をつけたクラウンプライドに0.3秒差先着を許した。直線で外からジュンライボルトに交わされたときは、馬が俺を外から交わす馬がいるのかと驚いて外を向いていた。普通に走れば勝てる相手だが、重い馬場での上がり勝負が合わないこともあるか。これで昨年6月から1→4→1→8→1→4→1→4着で一戦ごとに勝ち負けを繰り返している。今回は馬体7キロ減。これまで馬体が減ったときは[0−1−1−3]で勝てない傾向がある点に注意したい。

シャマルは7枠13番スタートから3番手につけ、メンバー11位タイの37.2秒で上がって0.6秒差の5着。直線でテーオーケインズと併せて最後までしぶとく伸びていた。初のダ1800mだったが、外を回って5着なら距離をこなすメドは立った。地方交流重賞を3勝しているが、今後はさらに地方交流重賞で勝ち星を積み上げそうだ。次走は兵庫ゴールドTに向かう予定。

スマッシングハーツは2枠4番から内ラチ沿いの6番手につけ、メンバー8位の37.0秒で上がって0.7秒差の7着。後方から追い込むレースを続けていたが、鮫島駿騎手がレース傾向を考慮して好位の内につけたが、直線で捌くのに苦労し伸び切れなかった。こういう騎乗を続けていけば、そのうち重賞で激走がありそうだ。鮫島駿騎手は考えられた騎乗をする。今後も注目していきたい。

タガノビューティーは後方3番手からメンバー6位の36.8秒で上がって0.8秒差の10着。前走武蔵野Sは内を突いて6着まで追い上げたが、今回は外から追い込むいつも通りのレースで届かなかった。ダ1400〜1600mで速い流れで走ってきた馬でこの流れなら何か工夫できそうだが、石橋騎手は何の工夫もなかった。来年は根岸SからフェブラリーSを目指すことになりそうだ。

グロリアムンディは1枠1番から内ラチ沿いの後方を進み、メンバー9位タイの37.1秒で上がって1.1秒差の12着。スタート後にムーア騎手が押しても進んで行かず、直線では前が壁になって捌き切れなかった。それほど速い上がりを繰り出せるタイプではないため、スローの上がり勝負で後方からでは厳しかった。休み明けでズブさを感じさせる走り。次走東京大賞典は一変に注意。



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