ジャパンC
2023/11/26 東京競馬場 芝2400m

レース展望

過去10年で1番人気は[5−1−2−2]で6連対。単勝1倍台は[2−0−0−0]、2倍台は[2−0−2−0]、3倍以上は[1−1−0−2]。信頼度は単勝オッズに比例する。2番人気は[0−2−3−5]で2連対、3番人気は[2−2−1−5]で4連対。連対馬18頭が5番人気以内、残る2頭は7番人気。過去7年は5番人気以内で決着し、馬連は25倍、17倍、5倍、29倍、3倍、5倍、9倍で20倍台止まり。

関東馬[2−3−1−36]、関西馬[8−7−9−72]、地方馬[0−0−0−2]、外国馬[0−0−0−27]。5番人気以内の関西馬が13連対。関東馬は5番人気以内[2−3−0−10]、6番人気以下[0−0−1−26]。穴で関西馬に注意。3歳[1−4−2−16]、4歳[5−3−3−37]、5歳[4−3−4−35]、6歳[0−0−0−29]、7歳以上[0−0−1−20]。6歳以上は連対がない。

過去10年のノーザンF生産馬は[6−4−7−46]で1、1、1、3、4、5番人気が勝ち、1、2、3、7番人気が2着、1、2、2、2、4、6、11番人気が3着。イクイノックス、ショウナンバシット、ダノンベルーガ、ドウデュース、リバティアイランドが該当する。社台F生産馬は[0−2−1−12]で5、5番人気が2着、6番人気が3着。インプレス、スターズオンアースが該当する。社台白老Fは[2−2−0−3]で3、4番人気が勝ち、3、7番人気が2着。ヴェラアズール、スタッドリーが該当する。

社台馬主の馬は、シルクHCがイクイノックス、スタッドリー、サンデーRがリバティアイランド、キャロットFがヴェラアズール、社台RHがスターズオンアース。過去10年でシルクHCは[2−2−0−3]で1、1番人気が勝ち、3、7番人気が2着。サンデーRは[1−1−2−6]で1番人気が勝ち、1番人気が2着、24番人気が3着。キャロットFは[2−1−0−3]で3、4番人気が勝ち、2番人気が2着。

イクイノックスは[7−2−0−0]で2着に負けた皐月賞&ダービーは大外18番枠だった。天皇賞(秋)、有馬記念、ドバイSC、宝塚記念、天皇賞(秋)を勝ち、現在G1を5連勝中。逃げて圧勝したドバイSCは現在も世界最高レーティングの129。宝塚記念は後方2番手から勝負どころで外から押し上げ、2位の34.8秒で大外から差し切って2分11秒2で優勝。2着スルーセブンシーズは凱旋門賞で4着に入った。

前走天皇賞(秋)は前半5F57.7秒の速い流れで3番手につけ、3位の34.2秒で抜け出して1分55秒2のレコードで2馬身半差で圧勝。追い込んだ馬が2、3着に入った。ようやく能力に馬体が追いついて本格化してきた。騎手の指示に従順でどんなレースでもできるため、ほとんど死角がない。ルメール騎手は最近出遅れが多い。あとはレコード勝ちした反動と硬い馬場か。勝てば1着賞金5億+褒賞金3億の8億円。

★前走天皇賞(秋)をレコード勝ちした馬のジャパンC成績は[1−1−2−2]
86年サクラユタカオー 6着(1人気)
90年ヤエノムテキ 6着(8人気)
99年スペシャルウィーク 1着(2人気)
03年シンボリクリスエス 3着(1人気)重馬場
08年ウオッカ 3着(2人気)
11年トーセンジョーダン 2着(6人気)

リバティアイランドは[5−1−0−0]で阪神JF、桜花賞、オークス、秋華賞を4連勝。前走秋華賞は前半5F61.9秒のスローペースで6番手から早めに押し上げ、2位の33.6秒で抜け出して2分1秒1(稍重)で優勝。2着マスクトディーヴァが4コーナーから直線でスムーズに捌けていれば際どいレースになっていた可能性がある。オークスは6番手から最速の34.0秒で抜け出して2分23秒1で6馬身差で圧勝。

勝ちタイムは19年の2分22秒8に次ぐ2位。牝馬3冠を達成したジェンティルドンナはオークスで2分23秒6、アーモンドアイは2分23秒8、デアリングタクトは2分24秒4だった。ジャパンCで3冠牝馬はジェンティルドンナ1着(3人気)、アーモンドアイ1着(1人気)、デアリングタクト3着(3人気)。ジェンティルドンナはオルフェーヴルとの壮絶の叩き合いを制した。直線でイクイノックスとの叩き合いを期待。

昨年の天皇賞(春)&宝塚記念勝ち馬タイトルホルダー、昨年のダービー馬ドウデュース、昨年のオークス馬スターズオンアース、前走天皇賞(秋)4着のダノンベルーガ、サウジカップ勝ち馬パンサラッサ、昨年のジャパンC勝ち馬ヴェラアズール、天皇賞(春)3年連続2着のディープボンド、仏G1を2勝しているイレジンなど。週末は雨は降らない予報。良馬場でのレースになりそうだ。最終週の硬い馬場がひとつのポイントになる。

タイトルホルダーは国内G1[3−1−0−5]で菊花賞、天皇賞(春)、宝塚記念を優勝。昨年の宝塚記念は前半5F57.6秒で2番手から抜け出して2分9秒7のレコードで2馬身差で圧勝。高レベルの走りだった。今年の日経賞は不良馬場で逃げて8馬身差で圧勝。天皇賞(春)は競走を中止したが、復帰戦のオールカマーは逃げて2着に粘った。今回はパンサラッサの2番手。横山和騎手が昨年の宝塚記念の走りを引き出せれば。

ドウデュースは国内[5−1−1−1]で朝日杯FS、日本ダービー、京都記念を優勝。昨年のダービーは14番手から2位の33.7秒で差し切ってイクイノックスを完封し2分21秒9で優勝。京都記念は後方から最速の34.0秒で差し切って2分10秒9で3馬身半差で圧勝。前走天皇賞(秋)は4番手から伸び切れず7着。休み明け、速い流れで道中力んで走っていた。2度目の騎乗となる戸崎騎手がダービーの走りを引き出せれば。

スターズオンアースはG1[2−1−2−0]で桜花賞、オークスを優勝。昨年のオークスは8番手から最速の33.7秒で差し切って2分23秒9で優勝。秋華賞3着、大阪杯2着は出遅れ、ヴィクトリアマイルは距離不足。社台はビュイック騎手を確保。ダノンベルーガはG1では4、4、3、5、2、4着で善戦が続いている。昨年のジャパンCは直線で不利を受けて0.6秒差の5着。今年は4戦連続でモレイラ騎手が騎乗する。パンサラッサが大逃げした昨年の天皇賞(秋)は直線で荒れた内を突いてイクイノックスに0.2秒差の3着だった。


レース回顧

2023年11月26日(日) 5回東京8日  天候: 曇   馬場状態: 良 
12R  第43回ジャパンカップ
3歳以上・オープン・G1(定量) (国際)(指定)  芝 2400m   18頭立
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着枠 馬  馬名               性齢 騎手     斤量 タイム  3F  人体重     廐舎
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1 1  2  イクイノックス     牡 4 ルメール  58  2.21.8 33.5  1 498 (美)木村哲也
2 1  1  リバティアイランド 牝 3 川田将雅  54  2.22.5 33.9  2 470 (栗)中内田充
3 8 17  スターズオンアース 牝 4 ビュイッ  56  2.22.6 34.0  5 496 (美)高柳瑞樹
4 3  5  ドウデュース       牡 4 戸崎圭太  58  2.22.7 33.7  3 504 (栗)友道康夫
5 2  3  タイトルホルダー   牡 5 横山和生  58  2.23.1 35.0  4 476 (美)栗田徹
6 5 10  ダノンベルーガ     牡 4 モレイラ  58  2.23.2 33.8  6 498 (美)堀宣行
7 5  9  ヴェラアズール     牡 6 ドイル    58  2.23.3 33.8  9 514 (栗)渡辺薫彦
8 2  4  スタッドリー       牡 5 マーカン  58  2.23.3 34.2 13 518 (栗)奥村豊
9 4  7 $イレジン           セ 6 ヴェロン  58  2.23.5 34.2 10 462 [外]ゴーヴァ
10 7 14  ディープボンド     牡 6 和田竜二  58  2.23.6 34.7  8 494 (栗)大久保龍
11 7 15  ショウナンバシット 牡 3 M.デム  56  2.23.8 34.8 12 494 (栗)須貝尚介
12 4  8  パンサラッサ       牡 6 吉田豊    58  2.24.0 38.7  7 480 (栗)矢作芳人
13 8 16  インプレス         牡 4 三浦皇成  58  2.25.2 35.0 14 530 (栗)佐々木晶
14 3  6  フォワードアゲン   セ 6 黛弘人    58  2.25.3 35.3 16 438 (美)中野栄治
15 8 18  ウインエアフォルク 牡 6 藤田菜七  58  2.26.2 35.1 11 474 (美)根本康広
16 6 11  トラストケンシン   牡 8 荻野極    58  2.26.6 36.4 17 462 (美)高橋文雅
17 6 12  チェスナットコート 牡 9 田辺裕信  58  2.27.0 36.4 15 466 [地]田中一巧
18 7 13  クリノメガミエース 牝 4 吉村智洋  56  2.27.9 38.2 18 478 [地]石橋満
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LAP :12.7-11.3-11.5-11.0-11.1-11.5-12.0-12.1-12.1-12.4-12.4-11.7
通過:35.5-46.5-57.6-69.1  上り:72.7-60.7-48.6-36.5  平均:1F:11.82 / 3F:35.45
単勝   2 \130 
複勝   2 \110 / 1 \110 / 17 \210 
枠連   1-1 \180 (1) 
馬連   01-02 \180 (1) 
ワイド 01-02 \130 (1)/ 02-17 \310 (3)/ 01-17 \440 (7) 
馬単   02-01 \260 (1) 
3連複 01-02-17 \600 (2/816) 
3連単 02-01-17 \1130 (2/4896) 

イクイノックスは1枠2番からスタートを決めて内ラチ沿いの3番手につけ、メンバー最速の33.5秒で抜け出して4馬身差で圧勝した。勝ちタイムは2分21秒8。パンサラッサが大逃げして前半5F57.6秒。後半5F60.7秒、上がりは36.5秒、ラップは12.4−12.4−11.7秒。2番手以下は離れており、実質は平均ペースに近い上がり勝負。イクイノックスは直線でルメール騎手が軽く気合を入れただけでノーステッキで圧勝した。G1を5連勝中で単勝1.3倍の断然人気馬が最も有利な1枠から内ラチ沿いをロスなく回って誰もプレッシャーをかける馬がいなかった。

馬なりのまま楽なレースで1着賞金5億+褒賞金3億の計8億円をゲット。レコードで圧勝した天皇賞(秋)も強かったが、あらためて他馬とは能力が違うことを示した。もうこれ以上国内での種牡馬価値は上がりそうにないが、あまりに楽に勝ったため、有馬記念(1着賞金5億円+天皇賞(秋)・ジャパンC・有馬記念3連勝ボーナス2億円)を使ってくる可能性が出てきた。イクイノックスは心身ともに成長し、馬が競馬を覚えて今強くなっているところ。父キタサンブラックは5歳時にG1を4勝した。ビジネス的に引退種牡馬入りもありえるが、社台がどう判断するか。世界の社台は先が見えるか。

リバティアイランドは1枠1番から内ラチ沿いの4番手につけ、メンバー5位の33.9秒で上がって0.7秒差の2着。直線でイクイノックスを追ったが、あっさり突き放されて4馬身差をつけられた。2分22秒5で走っており、例年なら勝ってもおかしくないレベル。ただし不利な8枠17番から同じ4番手につけたスターズオンアース(牝4)とは0.1秒差だった。枠順が逆ならスターズオンアースが先着していたかもしれない。中内田厩舎の4歳以上の馬はG1[0−3−1−15]で未勝利。2歳時から走ってきた馬。来年は海外遠征を含め期待しかないが、壁を超えられるか。

スターズオンアースは8枠17番から4番手につけ、メンバー6位の34.0秒で上がって0.8秒差の3着。[3−4−4−0]で複勝率100%をキープ。ビュイック騎手が外枠からスタートを決めて好位につけて流れに乗って持ってきた。昨年のオークスを大外18番枠から勝った馬が同じ8枠から激走した。リバティアイランドと同じドゥラメンテ産駒。休み明けで馬体が12キロ増えていたが、パドックでは久々でもバランスのいい馬体が目立っていた。馬体の造りからリバティアイランドより長距離の適性が高いのではないか。休み明け、出遅れが多く、まだ底を見せていない。

ドウデュースは内ラチ沿いの6番手からメンバー2位の33.7秒で上がって0.9秒差の4着。道中は前にイクイノックス、リバティアイランドを見ながら進め、直線で外に出して追ったが、前を捕まえることができなかった。天皇賞(秋)は休み明け、急遽乗り替わった戸崎騎手が折り合いを欠いて7着に終わったが、今回は道中ロスなく回って折り合いがつき、力を出している。昨年芝2400mのニエル賞は4着、凱旋門賞は19着に終わったが、昨年のダービー馬があらためて芝2400mでもやれることを示した。右回りの京都記念で強いレースをした馬。有馬記念に使ってくるか。

タイトルホルダーは離れた2番手からメンバー11位タイの35.0秒で上がって1.3秒差の5着。直線で切れ負けしたが、最後までしぶとく伸びて掲示板を確保した。走破タイム2分23秒1は自身の日本ダービー6着と同タイム。勝ちに行くならもっと飛ばしてイクイノックスとの差を広げるはずだが、それをしなかったのは小回りの有馬記念が目標なのだろう。不良馬場の日経賞を59キロを背負って8馬身差で圧勝した馬。当時のように逃げ馬天国の馬場になれば侮れない。

ダノンベルーガは11番手からメンバー3位タイの33.8秒で上がって1.3秒差の6着。実質上がり勝負で3、4、4番手につけた馬で決着。1コーナーで手前で好位にいたが、そこで狭くなって位置取りが悪くなったことが堪えた。勝負どころでクリノメガミエース(18人気、18着)に外からマークされて動けなかったことも堪えた。ドバイターフで2着に入ったように折り合ってエンジンが掛かったときの末脚は強烈。勝ち切れないが強いメンバーと戦ってきたことは糧になる。



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