根岸S
2024/1/28 東京競馬場 ダ1400m

レース展望

過去10年で1番人気は[5−2−0−3]で7連対。55〜56キロは[4−1−0−0]だが、57キロは[1−0−0−3]で1連対のみ。2番人気は[1−2−3−4]、3番人気は[1−2−0−7]で各3連対。6〜9番人気が4連対、10番人気以下が1連対。過去5年の馬連は12倍、14倍、53倍、36倍、3倍。荒れた2年は1−10番人気、6−4番人気で決着。人気馬に人気薄を絡めて中穴を狙うのが妙味。

連対馬13頭が前走連対、17頭が前走4着以内。前走5着以下はチャンピオンズC6、9着、マイルCS14着で3頭ともG1に出走していた。前走G1を除き4着以内が条件。前走OP以上で連対した馬を重視したい。6番人気以下で連対した5頭は差し追い込み馬。流れが速くなり、差し追い込みが決まりやすい。21年は10番人気の8歳馬ワンダーリーデルが最後方から追い込んで2着。穴で決め手のある高齢馬に注意。

過去10年でノーザンF生産馬は[0−2−1−11]で1、8番人気が2着、15番人気が3着。エクロジャイトが該当する。社台F生産馬は[2−1−1−10]だが、今年は出走馬がいない。社台馬主の馬はエクロジャイト(サンデーR)、パライバトルマリン(吉田和美氏)の2頭のみ。

エンペラーワケアはダ1400m[4−1−0−0]。2走前のドンカスターSは2番手から最速の36.4秒で抜け出して1分24秒7で4馬身差で圧勝。レースのラスト3Fは12.5−12.1−12.0秒で尻上がり。前走御影Sは4番手から3位の37.2秒で抜け出して1分23秒4で3馬身半差で圧勝。川田騎手は鞭を一発入れたが、最後は流す余裕があった。セレクトセールで3300万円で取り引きされた杉山厩舎のロードカナロア産駒。先行して直線でひと脚使えるため紛れが少ない。2戦連続で川田騎手が騎乗する。

サンライズフレイムはダ1400m[4−0−0−0]で現在4連勝中。2走前の大阪スポーツ杯は8番手から2位の36.5秒で差し切って1分23秒7で優勝。前走オータムリーフSは出遅れて11番手から最速の35.6秒で差し切って1分23秒7で優勝。石坂厩舎のドレフォン産駒で武蔵野Sを勝ったドライスタウトの半弟。東京では新馬戦を勝ち、1勝Cでは出遅れて8番手から3位の37.1秒で上がってパライバトルマリンに0.4秒差の3着。藤岡康騎手は14年の根岸Sでシルクフォーチュンに騎乗し大外一気を決めている。

根岸S2、4着のタガノビューティー、りんくうS勝ち馬アームズレイン、関東オークス勝ち馬パライバトルマリン、霜月S勝ち馬アルファマム、22年の根岸S2着馬ヘリオス、コールドムーンS勝ち馬フルム。エニフS勝ち馬ベルダーイメル、栗東S勝ち馬アイオライト、重賞4勝のシャマルなど伏兵は数多い。タガノビューティーは前走武蔵野Sで14番手から最速の35.6秒で追い込んで0.3秒差の2着。昨年の根岸Sは10番手から2位タイの35.3秒で上がって0.3秒差の4着。過去10年で7歳馬は[1−1−0−31]。

アームズレインはダート[5−0−1−2]で2勝Cを4馬身差、3勝Cを3馬身半差で圧勝。前走りんくうSは8番手から最速の35.8秒で差し切って1分11秒2で優勝。ダ1400mは[1−0−0−1]で未勝利戦を優勝。上村厩舎のコパノリッキー産駒。得意の左回りで距離をこなすか。パライバトルマリンはダート[3−1−1−1]で東京では全てダ1600mで[2−0−0−1]。1勝Cでは逃げて1分36秒7(同日のオアシスSに0.4秒差)でブライアンセンスに勝っている。過去10年で牝馬は[0−1−0−5]。


レース回顧

2024年 1月28日(日) 1回東京2日  天候: 曇   馬場状態: 良 
11R  第38回根岸S
4歳以上・オープン・G3(別定) (国際)(指定)  ダート 1400m   16頭立
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着枠 馬  馬名               性齢 騎手     斤量 タイム  3F  人体重     廐舎
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1 4  7  エンペラーワケア   牡 4 川田将雅  56  1.24.1 35.2  1 534 (栗)杉山晴紀
2 8 16  アームズレイン     牡 4 松若風馬  56  1.24.5 36.0  6 506 (栗)上村洋行
3 5 10  サンライズフレイム 牡 4 藤岡康太  56  1.24.6 35.4  2 512 (栗)石坂公一
4 1  2  ヘリオス           セ 8 武豊      57  1.24.7 36.4  8 482 (栗)西園正都
5 2  3  フルム             牡 5 水口優也  57  1.24.8 35.7  7 484 (栗)浜田多実
6 3  5  ベルダーイメル     牡 7 柴田善臣  57  1.24.9 35.6 10 470 (栗)本田優
7 3  6  シャマル           牡 6 川須栄彦  57  1.25.0 36.3  9 510 (栗)松下武士
8 7 14  アルファマム       牝 5 菅原明良  55  1.25.0 35.1  4 466 (栗)佐々木晶
9 6 11 $パライバトルマリン 牝 4 戸崎圭太  54  1.25.1 36.4  5 506 (美)林徹
10 2  4  ライラボンド       牡 5 小林勝太  57  1.25.4 36.0 15 528 (美)杉浦宏昭
11 1  1  アイオライト       牡 7 団野大成  57  1.25.6 36.5 11 498 (美)武藤善則
12 7 13  オマツリオトコ     牡 4 石川裕紀  56  1.25.6 36.2 13 494 (美)伊藤圭三
13 6 12  タガノビューティー 牡 7 石橋脩    57  1.25.6 35.4  3 520 (栗)西園正都
14 4  8 $ピアシック         牡 8 落合玄太  57  1.25.7 35.5 16 502 (栗)森秀行
15 5  9  エクロジャイト     牡 4 横山武史  56  1.26.2 36.5 12 502 (栗)安田隆行
16 8 15  ケンシンコウ       牡 7 田辺裕信  57  1.26.5 36.5 14 502 (美)小西一男
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LAP :12.4-11.4-12.0-12.5-12.3-11.4-12.1
通過:35.8-48.3-60.6-72.0  上り:71.7-60.3-48.3-35.8  平均:1F:12.01 / 3F:36.04
単勝   7 \250 
複勝   7 \130 / 16 \300 / 10 \160 
枠連   4-8 \1630 (6) 
馬連   07-16 \1660 (4) 
ワイド 07-16 \600 (5)/ 07-10 \270 (1)/ 10-16 \990 (12) 
馬単   07-16 \2080 (5) 
3連複 07-10-16 \2070 (4/560) 
3連単 07-16-10 \9390 (19/3360) 

エンペラーワケアはスタートを決めて5番手につけ、直線で外からメンバー2位の35.2秒で抜け出して2馬身半差で圧勝した。勝ちタイムは1分24秒1。ヘリオスが逃げて前半3F35.8秒、5F60.6秒。過去10年で最も遅い流れで道中6番手以内につけた馬が上位を独占。エンペラーワケアは直線で馬なりのまま先頭に並びかけ、川田騎手の鞭が一発入ったが、最後は流す余裕があった。流れが遅く勝ちタイムは平凡だが、エンペラーワケアは数字以上の強いレースをしている。ダートは全て1400mを使われ[5−1−0−0]。2勝Cから3連勝で重賞初制覇を飾った。530キロを超える大型馬で雄大な馬体が目立ち、パドックでは全く力みがなく落ち着いて周回していた。まだ体質が弱いため、フェブラリーSを使うかは状態面次第になる模様。杉山厩舎はシルクロードSをルガルで制しており、同日2重賞制覇となった。昨年は55勝でリーディング1位。今年は7勝でリーディングトップを走っている。

アームズレインは大外枠から2番手につけ、メンバー7位タイの36.0秒で上がって0.4秒差の2着。ダ1400m、大外枠、東京実績が少ない松若騎手が嫌われて6番人気だったが、先行して抜け出す正攻法のレースで激走した。緩い流れでエンペラーワケアに切れ負けしたが、流れが速くなれば末脚に威力があるサンライズフレイムに差されていたかもしない。現時点ではベストは1200mだが、ここにきて馬体が成長して目立つようになってきており、キャリアを積めばダ1400mがベストになる可能性がありそうだ。2着に入って賞金を加算できたことで今後は地方交流重賞が視野に入る。締め切り直前まで馬連は31.8倍だったが、最終的に16.6倍に下がった。他の券種も最後の1分で大量投票があり、かなりオッズが下がっている。この傾向、注意していきたい。

サンライズフレイムはスタートを決めて6番手につけ、直線で外からメンバー3位タイの35.4秒で上がって0.5秒差の3着。2着アームズレインとは半馬身差。藤岡康騎手がスタートを決めて好位につけたが、4コーナーから直線でエンペラーワケアが馬なりで上がって行ったところでズブくてエンジンが掛からず、そこで離されたことが堪えた。流れが緩んでレースが上がり勝負に傾いたことがマイナスに働いている。今回は先行タイプのエンペラーワケアに分があった。パドックではいつも通りチャカついてテンションが高くなっていた。力みが消えて勝負どころでの反応が良くなれば、重賞で勝ち負けできるようになるのではないか。

フルムは2枠3番から6番手につけ、メンバー7位の35.7秒で上がって0.7秒差の5着。直線で内にいたシャマルが外に出てきたことで外に振られ、外からサンライズフレイムに前に入られてさらに外に持ち出すロスがあった。水口騎手はこれらがなければ3着と際どかったかもしれないとコメントしている。東京ダ1400mで1分22秒台で走っている馬。流れが緩んだこともマイナスだった。

パライバトルマリンは3番手からメンバー12位タイの36.4秒で上がって1.0秒差の9着。これまで35秒台で上がったことがないだけに止まったというより、速い脚がないことを露呈した印象。パドックでは気合乗りが良く、馬体がボリュームアップして気配が目立っていた。短距離もこなせそうな馬体をしているが、現時点ではダ1600m以上が合うのだろう。地方交流牝馬限定重賞を使っていくことになりそうだ。



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