シルクロードS
2024/1/28 京都競馬場 芝1200m

レース展望

過去10年で1番人気は[1−1−1−7]で2連対。単勝1倍台は[0−1−0−0]、2倍台は[1−0−1−1]、3倍以上は[0−0−0−6]。2番人気は[5−0−1−4]で5連対、3番人気は[2−2−1−5]で4連対。6〜9番人気、10番人気以下は各2連対。過去5年の馬連は45倍、29倍、23倍、41倍、81倍で中穴決着が続いている。近年の傾向から4番人気以内に人気薄を絡めて中穴を狙うのが妙味。

牡馬は[5−6−9−91]、牝馬は[5−4−1−46]。6番人気以下では牡馬[0−1−6−72]、牝馬[0−3−1−34]。穴で牝馬に注意。人気薄の牡馬は3着で狙うのが妙味。関東馬は[0−3−3−40]で未勝利。京都で行われた7年の連対馬の脚質は逃げ3先行6差し0追込5。逃げ馬が連対すると相手に先行馬、逃げ馬が連対しないと追い込み馬が連対する。荒れ馬場と流れ次第で連対馬の脚質が変わる点に注意。

過去10年でノーザンF生産馬は[2−1−0−15]で2、3番人気が1着、7番人気が2着。アグリ、エターナルタイム、サンライズロナウドが該当する。社台F生産馬は[0−0−0−15]で3着以内がない。カルネアサーダ、トゥラヴェスーラが該当する。社台馬主はエターナルタイム(サンデーR)、カルネアサーダ(吉田照哉氏)の2頭のみ。

アグリは昨年4連勝で阪急杯を1分19秒5で優勝。その後は[0−1−1−3]で勝ち切れないが、セントウルSは後方から最速の32.4秒で追い込んで0.2秒差の2着、前走阪神カップは11番手から6位タイの34.1秒で上がって0.1秒差の3着に入った。芝1200mは[0−1−0−4]だが、トップハンデ58キロを背負う。安田隆調教師は2月末で定年。このパターンでミッキーゴージャス、ブローザホーンが重賞を制している。坂井騎手を確保したということは先行策か。安田隆調教師はサンライズロナウドと2頭出し。

ルガルは芝[1−3−1−1]で4着以内を確保。京都芝は[1−3−0−1]で芝1200mでは[0−2−0−0]。葵Sは少し出遅れて内ラチ沿いの6番手から4位タイの32.7秒で上がって半馬身差の2着。抜群のスタートを切ったモズメイメイを捕まえられなかった。前走京阪杯は5番手の外から8位タイの33.3秒で上がってトウシンマカオに0.3秒差の2着。不良馬場の橘Sを圧勝したが、良馬場では勝ち切れないレースが続いている。ハンデは57.5キロ。前走京阪杯で騎乗した西村騎手が2戦連続で騎乗する。

3連勝でOP入りしたバースクライ、前走富士S6着のエターナルタイム、北陸SとラピスラズリSを連勝したオタルエバー、2連勝でOP入りしたジューンオレンジ、淀短距離S2着馬メイショウソラフネ、京阪杯4着馬トゥラヴェスーラ、セントウルS勝ち馬テイエムスパーダ、タンザナイトS2着馬ホープフルサインなど伏兵は数多い。バースクライは芝1200mを使って1、2、3勝Cを3連勝。前走南総Sは9番手から2位タイの33.7秒で差し切って1分7秒2で優勝。ハンデは54キロ。この馬で2戦2勝の岩田望騎手が騎乗する。

エターナルタイムは[4−1−1−2]で前走富士Sは4番手から伸び切れず0.8秒差の6着。ダノンタッチダウンが前半5F56.7秒で飛ばして差し馬向きの展開になったことが堪えた。芝1400mの多摩川Sを1分19秒7で勝っている。初の芝1200m、初の右回りでも社台はルメール騎手を確保している。オタルエバーは前走ラピスラズリSを4番手から5位の33.6秒で抜け出して1分7秒8で優勝。重賞では新潟2歳SとファルコンSで3着がある。ハンデは57キロ。過去10年で[0−0−0−9]の松山騎手が騎乗する。


レース回顧

2024年 1月28日(日) 2回京都2日  天候: 曇   馬場状態: 良 
11R  第29回シルクロードS
4歳以上・オープン・G3(ハンデ) (国際)(特指)  芝 1200m・内   18頭立
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着枠 馬  馬名               性齢 騎手     斤量 タイム  3F  人体重     廐舎
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1 2  4  ルガル             牡 4 西村淳也 57.5 1.07.7 34.0  2 522 (栗)杉山晴紀
2 7 13 *アグリ             牡 5 坂井瑠星  58  1.08.2 33.7  1 496 (栗)安田隆行
3 3  5  エターナルタイム   牝 5 ルメール  54  1.08.3 34.2  3 490 (美)中川公成
4 5  9  サンライズロナウド 牡 5 横山典弘  55  1.08.5 34.1  8 478 (栗)安田隆行
5 8 18 $ショウナンハクラク 牡 5 浜中俊    55  1.08.6 33.5 11 480 (栗)松下武士
6 8 16  トゥラヴェスーラ   牡 9 永島まな  58  1.08.6 33.8  9 494 (栗)高橋康之
7 6 11  サンライズオネスト 牡 7 和田竜二  57  1.08.6 33.9 12 486 (栗)河内洋
8 6 12  メイショウソラフネ 牡 5 角田大河  56  1.08.6 34.5  7 446 (栗)石橋守
9 7 15  バースクライ       牝 4 岩田望来  54  1.08.6 34.1  4 490 (栗)千田輝彦
10 5 10  カワキタレブリー   牡 5 岩田康誠  55  1.08.6 33.4 14 444 (栗)杉山佳明
11 3  6  サトノラムセス     牡 6 池添謙一  55  1.08.8 34.1 16 484 (栗)橋口慎介
12 4  7  ジューンオレンジ   牝 4 横山和生  54  1.08.9 35.0  6 468 (栗)長谷川浩
13 4  8  ディヴィナシオン   牡 7 古川吉洋  56  1.09.1 34.4 15 484 (栗)森秀行
14 7 14  テイエムスパーダ   牝 5 富田暁    56  1.09.1 35.7 10 502 (栗)木原一良
15 2  3  ホープフルサイン   牡 8 太宰啓介  57  1.09.2 34.3 13 510 (美)本間忍
16 8 17  オタルエバー       牡 5 松山弘平  57  1.09.4 35.1  5 494 (栗)中竹和也
17 1  2  リバーラ           牝 4 田口貫太  54  1.09.6 35.7 17 432 (美)高柳瑞樹
18 1  1  カイザーメランジェ 牡 9 津村明秀  56  1.10.6 36.7 18 486 (美)中野栄治
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LAP :12.1-10.4-10.9-11.2-11.3-11.8
通過:33.4-44.6-55.9-67.7  上り:67.7-55.6-45.2-34.3  平均:1F:11.28 / 3F:33.85
単勝   4 \330 
複勝   4 \130 / 13 \130 / 5 \160 
枠連   2-7 \440 (1) 
馬連   04-13 \590 (1) 
ワイド 04-13 \270 (1)/ 04-05 \380 (3)/ 05-13 \370 (2) 
馬単   04-13 \1120 (1) 
3連複 04-05-13 \1180 (1/816) 
3連単 04-13-05 \5070 (2/4896) 

ルガルは2枠4番から好スタートを切って2番手につけ、メンバー6位の34.0秒で抜け出して3馬身差で圧勝した。勝ちタイムは1分7秒7。テイエムスパーダが逃げて前半3F33.4秒の速い流れ。上がりは34.3秒、ラップは11.2−11.3−11.8秒。差しが決まってもおかしくない流れだったが、2番手につけたルガルが一頭だけ次元の違う走りで圧勝し重賞初制覇を飾った。近走はスタートがひと息で善戦止まりが続いたが、西村騎手がスタートを決めて楽に2番手につけたことが良かったのだろう。荒れて時計、上がりが掛かる馬場で勝ちタイム1分7秒7はかなり優秀。パドックでは気合乗りが良く、馬体10キロ増えてボリュームアップし気配が目立っていた。荒れ馬場をこなし、不良馬場の橘Sを圧勝したように道悪もこなすタイプ。荒れ馬場または渋った馬場になりやすい高松宮記念制覇に向けて一歩前進した。

アグリは7枠13番から9番手につけ、メンバー3位の33.7秒で上がって0.5秒差の2着。坂井騎手が馬込みでタメて直線で捌いた後に外に出して追ったが、先に抜け出したルガルに3馬身差をつけられた。ルガルより0.5キロ重い58キロを背負っていたとはいえ、この着差をつけられると完敗。芝1400mでは先行していたが、前半5Fは56.4秒だった。今回は前半5F55.9秒。荒れ馬場でこの速い流れを考えるとアグリのレースぶりは合っているが、2番手から抜け出して勝ったルガルが強過ぎた。前走10キロ増えた馬体が4キロ絞れていたが、腹目に少し余裕があった。2月24日にサウジアラビアで行われる1351ターフスプリント(G2)の招待を受諾している。

エターナルタイムは3枠5番から6番手につけ、直線で外に出して馬群を捌くとメンバー10位の34.2秒で上がって0.6秒差の3着。勝負どころで前が壁になって仕掛けが遅れたが、直線で捌いた後、荒れ馬場が影響したのか、それほど切れる脚を使えなかった。それでも初の芝1200mで3着に入ってスプリント戦でもやれるメドが立った。東京の条件戦では33秒台の末脚を繰り出していた馬。もっと時計の出る馬場が合っている。ルメール騎手は芝1200mや芝1400mでは重賞レベル。重賞を勝てるとコメント。

オタルエバーは8枠17番から8番手につけたが、直線で一杯になって1.7秒差の16着。タフな馬場、速い流れで外枠から出して行き、外々を回ったことで厳しくなったが、これまでの走りを考えると負け過ぎ。ただし見た目以上に京都芝1200mは外枠が不利になっていることもありえる。パドックでは馬体にボリュームがあり、以前よりパワーアップしている印象を受けた。栗東の中竹厩舎の管理馬だが、中京より西では[1−0−1−4]、東京より東では[4−2−1−1]。次走オーシャンSに使ってきたら要注意。



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