東京新聞杯
2024/2/4 東京競馬場 芝1600m

レース展望

過去10年で1番人気は[1−1−2−6]で2連対のみ。勝ったインディチャンプはその後安田記念を制した。単勝4倍以上は[0−0−1−2]で不振。2番人気は[0−1−2−7]で1連対、3番人気は[3−1−1−5]で4連対。6〜9番人気が5連対、10番人気以下が1連対。過去5年の馬連は18倍、72倍、267倍、10倍、23倍。連対が多い3〜5番人気に人気薄を絡めて中穴以上を狙うのが妙味。

4歳[4−5−4−27]、5歳[2−3−5−29]、6歳[4−1−1−31]、7歳以上[0−1−0−31]。6歳以上で連対した6頭は3、4、5、6、8、9番人気。穴で6歳以上の高齢馬に注意。6番人気以下で連対した6頭のうち5頭は前走OP以上で6、6、7、9、9着に負けていた。6頭のうち4頭が10番手以下からの追い込みだった。穴で前走OP以上で6〜9着に負けた追い込みタイプに注意。

過去10年でノーザンF生産馬は[4−7−3−32]で1、3、3、4番人気が勝ち、1、2、5、6、6、9、12番人気が2着、1、3、6番人気が3着。アヴェラーレ、ウンブライル、カルロヴェローチェ、コナコースト、ダノンタッチダウン、フリームファクシ、マテンロウスカイ、ラヴェル、リューベックが該当する。社台F生産馬は[0−3−3−16]で3、5、6番人気が2着、1、2、4番人気が3着。アスクコンナモンダ、ジャスティンカフェ、トゥードジボン、マスクトディーヴァ、ライトクオンタムが該当する。

マスクトディーヴァは[3−1−0−1]で忘れな草賞7着を除き連対を確保。ローズSは9番手の外から2位の33.2秒で差し切って1分43秒0のレコードで優勝。前半5F57.3秒の速い流れで1600m通過は1分31秒2だった。秋華賞は12番手から最速の33.5秒で上がって0.1秒差の2着。勝負どころでスムーズさを欠いたが、リバティアイランドの上がりを0.1秒上回った。初の芝1600mになるが、ローズSの走りからこなす下地はある。ヴィクトリアマイルに向けて能力の違いを見せつけるか。鞍上は岩田望騎手。

ジャスティンカフェは昨年エプソムCで大外一気を決めて重賞初制覇。毎日王冠は横山典騎手が後方ポツンで最後方から追い込んで0.5秒差の7着。前走マイルCSは9番手から5位タイの33.6秒で上がって0.1秒差の3着。直線で外に出せず内に切れ込んで伸びてきた。昨年の東京新聞杯は12番手から最速の33.3秒で上がり0.1秒差の4着。直線で狭いところを捌きながら伸びてきたが、最後まで鞭を入れられなかった。良馬場の芝1600mは[3−3−2−2]で上がりは9戦が3位以内。2戦連続で坂井騎手が騎乗する。

リゲルS勝ち馬マテンロウスカイ、NHKマイルC2着馬ウンブライル、同5着馬カルロヴェローチェ、京都金杯3着馬トゥードジボン、同5着馬フリームファクシ、桜花賞2着馬コナコースト、昨年の東京新聞杯勝ち馬ウインカーネリアン、関屋記念勝ち馬アヴェラーレ、阪神牝馬S勝ち馬サウンドビバーチェ、ダービー6着馬ホウオウビスケッツ、キャピタルS3着馬アスクコンナモンダなど伏兵は多士済々。週末は雨は降らない予報。今年は明け4歳馬が7頭出走する予定。マイル路線での4歳馬と5歳以上馬との力関係が明らかになる。

マテンロウスカイは前走リゲルSで2番手から4位タイの33.3秒で抜け出した1分33秒0で優勝。芝1600〜2000mで逃げ先行したときは[3−2−2−1]。鞍上は横山典騎手。横山和騎手のルージュリナージュ、横山武騎手のアスクコンナモンダは差し追い込みタイプ。ウンブライルはNHKマイルCで後方2番手から最速の34.0秒で追い込んで頭差の2着。雨で馬場が渋り、位置取りが後ろ過ぎたことが堪えた。右前脚の突起を除去する手術を受けている。休み明けでここが目標ではないが、除去手術で走りが一変するか。


レース回顧

2024年 2月 4日(日) 1回東京4日  天候: 曇   馬場状態: 良 
11R  第74回東京新聞杯
4歳以上・オープン・G3(別定) (国際)(特指)  芝 1600m   16頭立
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着枠 馬  馬名               性齢 騎手     斤量 タイム  3F  人体重     廐舎
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1 1  1  サクラトゥジュール 牡 7 キング    57  1.32.1 33.5  7 526 (美)堀宣行
2 3  5  ウインカーネリアン 牡 7 三浦皇成  58  1.32.3 34.5  4 518 (美)鹿戸雄一
3 4  8  ホウオウビスケッツ 牡 4 岩田康誠  57  1.32.3 33.9  8 510 (美)奥村武
4 1  2  アスクコンナモンダ 牡 5 横山武史  57  1.32.3 33.2 11 460 (栗)中内田充
5 6 11  マテンロウスカイ   セ 5 横山典弘  57  1.32.4 33.7  6 484 (栗)松永幹夫
6 3  6  マスクトディーヴァ 牝 4 岩田望来  56  1.32.5 33.2  1 454 (栗)辻野泰之
7 8 16  アヴェラーレ       牝 6 キングス  56  1.32.6 33.1  5 452 (美)木村哲也
8 2  4  ルージュリナージュ 牝 5 横山和生  55  1.32.7 33.4 13 448 (美)宗像義忠
9 5  9  ウンブライル       牝 4 ルメール  55  1.32.7 34.0  3 486 (美)木村哲也
10 7 13  トゥードジボン     牡 5 藤岡佑介  57  1.32.8 34.8 10 490 (栗)四位洋文
11 8 15  フリームファクシ   牡 4 菅原明良  58  1.32.8 33.8 14 510 (栗)須貝尚介
12 4  7  ジャスティンカフェ 牡 6 坂井瑠星  58  1.33.2 33.8  2 506 (栗)安田翔伍
13 2  3  ドルチェモア       牡 4 石橋脩    57  1.33.5 33.6 16 478 (美)上原佑紀
14 7 14  サウンドビバーチェ 牝 5 浜中俊    56  1.34.0 35.8 12 506 (栗)高柳大輔
15 5 10  ダノンタッチダウン 牡 4 北村友一  57  1.34.6 35.1 15 544 (栗)安田隆行
16 6 12  コナコースト       牝 4 戸崎圭太  55  1.35.0 36.5  9 468 (栗)清水久詞
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LAP :12.0-11.0-11.4-11.7-11.7-11.4-11.3-11.6
通過:34.4-46.1-57.8-69.2  上り:69.1-57.7-46.0-34.3  平均:1F:11.51 / 3F:34.54
単勝   1 \3380 
複勝   1 \630 / 5 \300 / 8 \870 
枠連   1-3 \1720 (7) 
馬連   01-05 \11400 (30) 
ワイド 01-05 \2550 (25)/ 01-08 \7290 (55)/ 05-08 \3800 (34) 
馬単   01-05 \36140 (75) 
3連複 01-05-08 \60250 (143/560) 
3連単 01-05-08 \604680 (983/3360) 

サクラトゥジュールは1枠1番から内ラチ沿いの6番手につけ、メンバー5位の33.5秒で抜け出してレースを制した。勝ちタイムは1分32秒1。ウインカーネリアンが逃げて前半3F34.4秒、5F57.8秒。逃げ切った昨年は前半5F57.1秒。昨年より緩い流れになり、内ラチ沿いを通って6番手以内につけた馬で決着。サクラトゥジュールはキング騎手が1枠1番を生かしてロスなく進み、直線で捌いて持ってきた。3走前にメイSを勝ったときと同じようなレースぶりで重賞初制覇を飾った。これで7番枠より内に入ったときは[3−5−0−1]。穴馬で狙ったが、やはり内枠から好位につけると強い。

昨年のニューイヤーSは10番手から外を回って最速の33.6秒で上がってクビ差の2着。逃げ切ったウイングレイテストは京成杯AHでソウルラッシュ(マイルCS2着)にクビ差の2着に入り、スワンSを制した。東京芝1600mは[1−2−0−1]で1勝Cを1分31秒7で勝ち、1分32秒2で2着があった。6番人気だったが、内枠を含め激走する条件が揃っていた。キング騎手はAJCCのチャックネイトに続き重賞2勝目。土曜の東京メインではシュトルーヴェで内から捌いて勝っている。日本のレースに慣れて好騎乗が目立つようになった。サクラトゥジュールは次走中山記念から安田記念か。

ウインカーネリアンは3枠5番から前半5F57.8秒で逃げ、メンバー12位の34.5秒で上がって0.2秒差の2着。マテンロウスカイが控えたことで昨年より緩い流れで逃げて最後までしぶとく粘り込んだ。前走ブリーダーズCマイルに遠征した馬が7歳になっても衰えがないことを示した。過去10年で7歳以上は[0−1−0−31]だったが、今年は7歳馬2頭で決着。ソングライン、シュネルマイスターが引退してマイル路線のレベルが下がってきたか。昨年の東京新聞杯で頭差の2着ナミュールはマイルCSを制した。今回ウインカーネリアンにクビ差の3着ホウオウビスケッツ(牡4)には注意していきたい。

ホウオウビスケッツは4枠8番から内ラチ沿いの4番手につけ、メンバー10位の33.9秒で上がって0.2秒差の3着。2着とはクビ差。直線で外に持ち出したが、岩田康騎手はそのまま内を突けば2着はあったとコメントしている。昨年のダービーで0.2秒差の6着に入った馬が新馬戦以来となる芝1600mで8番人気で激走した。昨年東京芝2000mのフリージア賞を逃げて後半5F57.7秒でまとめて勝った馬。マイル戦で速い流れでもその持続力は衰えなかった。初めて33秒台で上がれたことは今後に繋がる。

アスクコンナモンダは1枠2番から内ラチ沿いの9番手から2位タイの33.2秒で上がって0.2秒差の4着。大穴馬で狙ったが、3着とはハナ差であと一歩だった。これまで稍重&重では[2−1−0−0]、1〜3月は[2−2−0−0]。想定より馬場の湿り気が残らず、ウインカーネリアンの逃げが昨年より緩くなったことがマイナスに働いたが、1分32秒3で走って重賞で通用することを示した。母アンナモンダ(Anna Monda)はドイツのG1馬。小柄な馬だが前向きさがあり、少しずつパフォーマンスを引き上げている。

マスクトディーヴァは大きく出遅れた後に11番手に押し上げ、メンバー2位タイの33.2秒で上がって0.4秒差の6着。出遅れて前半に脚を使い、大外を回って早めに仕掛けるレースをして1分32秒5で走って0.4秒差まで追い上げたのだから大したもの。今年はドバイターフ、大阪杯、宝塚記念あたりを使うとみていたが、社台の使い分けとマイル路線が手薄になったこともあるのだろう。岩田望騎手は芝重賞では1番人気[0−0−1−3]、4番人気以内[0−5−7−29]で勝ち切れないレースが続いている。

ジャスティンカフェは13番手の内を進み、直線で全く伸びずに1.1秒差の12着。上がりはメンバー8位タイの33.8秒。昨年は後方からメンバー最速の33.3秒で上がって0.1秒差の4着に入ったが、今年は昨年より緩い流れで切れる脚を使えなかった。仕上がりは良さそうに映ったが、マイルCSで中団につけた坂井騎手が後方から追い込むレースをしたところを見ると叩き台だったか。2週後のフェブラリーSに登録している。半弟メイクザビートはダート馬。初ダートでフェブラリーSに使ってくるか。



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