きさらぎ賞
2024/2/4 京都競馬場 芝1800m

レース展望

4年ぶりに京都芝1800mで行われる。過去10年で1番人気は[3−2−2−3]で5連対。単勝1倍台前半[2−1−0−0]、1倍台後半[1−1−1−0]、2倍以上は[0−0−1−3]。2番人気は[2−4−2−2]で6連対、3番人気は[2−1−1−6]で3連対。連対馬17頭が4番人気以内、残る3頭は6、6、7番人気。過去5年の馬連は74倍、73倍、6倍、7倍、2倍。荒れた2年は3−6番人気、7−4番人気で決着。過去3年は堅い決着になったが、穴を狙うなら人気馬と人気薄で中穴を狙うのが妙味。

連対馬17頭が前走3着以内。前走4〜9着は[2−1−1−17]で前走重賞4、6、9着馬が連対。重賞なら巻き返せるが、前走10着以下は[0−0−1−9]で3着止まり。近年は前走3着前後に負けた馬の連対が多い。連対馬13頭が前走2番人気以内、17頭が前走5番人気以内に支持されていた。前走1番人気が4勝、2番人気が3勝。前走1、2番人気に支持された馬が勝つことが多い。前走6〜9番人気は[3−0−0−13]で3連対。前走10番人気以下は[0−0−0−9]で3着以内がなく不振が続いている。

過去10年でノーザンF生産馬は[6−8−4−17]で1、1、1、2、3、3番人気が勝ち、1、1、2、2、2、3、4、4番人気が2着、1、2、2、6番人気が3着。シヴァース、ビザンチンドリーム、ブエナオンダ、レガーロデルシエロが該当する。社台F生産馬は[1−0−1−6]で6番人気が勝ち、1番人気が3着。ヴェロキラプトルが該当する。社台白老F生産馬は[0−0−1−0]で3番人気が3着。ファーヴェントが該当する。社台馬主の馬はレガーロデルシエロ(サンデーR)、ファーヴェント(キャロットF)、ビザンチンドリーム(吉田和美氏)。

ファーヴェントは新潟芝1800mの新馬戦を5番手から最速タイの33.4秒で抜け出して1分50秒8で2馬身差で圧勝。前走東スポ杯2歳Sは4番手から5位の34.7秒で上がって0.3秒差の3着。横山武騎手が好位につけて直線で追ったが伸び切れなかった。新馬戦とは全く違う流れに戸惑った面もあるか。キャロットFで7000万円で募集されたハーツクライ産駒でダートで3連勝中のサーマルソアリングの半弟。今年の重賞で川田騎手は3番人気以内なら[3−0−1−0]。昨年以降の重賞で藤原英厩舎は[0−1−3−25]。

ビザンチンドリームは阪神芝2000mの新馬戦を出遅れて後方から最速の33.9秒で差し切って2分1秒4で3馬身差で圧勝。前半5F62.0秒のスローペースだったが、レースのラスト3Fは11.7−11.5−11.3秒で尻上がりだった。坂口厩舎のエピファネイア産駒で母系にフサイチエアデール、近親にフサイチリシャールがいるラスティックベルの一族。458キロの小柄な馬。過去10年で前走新馬戦を勝った馬は[1−1−0−12]でサトノフェイバーが逃げ切り、ストーンリッジが2番手から2着に粘っている。

シンザン記念3着馬ウォーターリヒト、野路菊S勝ち馬ヴェロキラプトル、若駒S3着馬ブエナオンダ、こうやまき賞2着馬レガーロデルシエロ、新馬戦勝ち馬シヴァース、未勝利戦勝ち馬ジャスティンアースなど伏兵は数多い。ウォーターリヒトは前走シンザン記念で出遅れて後方2番手から最速の35.2秒で追い込んで0.2秒差の3着。単勝207倍の17番人気が穴をあけた。河内厩舎のドレフォン産駒で近親にアグネスアーク、レッドアネモスがいる。良馬場の京都芝では[0−0−3−0]。前走フロックでないことを証明するか。

ヴェロキラプトルは前走ホープフルSは逃げて直線で一杯になり1.3秒差10着。高野厩舎のスワーヴリチャード産駒。新馬戦、野路菊Sを連勝した芝1800mで巻き返すか。ブエナオンダは京都芝2000mの新馬戦を3番手から抜け出して2分1秒4で4馬身差で圧勝。前走若駒Sは6番手から2位のタイの36.9秒で上がって0.6秒差の3着。セレクトセール1億1550万円のリオンディーズ産駒。過去10年で金子氏は[1−3−0−2]、4番人気以内なら[1−3−0−0]。川田騎手からテン乗りの武豊騎手に乗り替わる。


レース回顧

2024年 2月 4日(日) 2回京都4日  天候: 晴   馬場状態: 良 
11R  第64回きさらぎ賞
3歳・オープン・G3(馬齢) (国際)(特指)  芝 1800m・外   12頭立
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着枠 馬  馬名               性齢 騎手     斤量 タイム  3F  人体重     廐舎
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1 8 12  ビザンチンドリーム 牡 3 ピーヒュ  57  1.46.8 33.7  1 450 (栗)坂口智康
2 3  3  ウォーターリヒト   牡 3 幸英明    57  1.46.8 33.8 10 458 (栗)河内洋
3 5  5  シヴァース         牡 3 M.デム  57  1.46.8 34.4  8 438 (栗)友道康夫
4 2  2  インザモーメント   牡 3 鮫島克駿  57  1.46.8 34.0  6 478 (栗)田中克典
5 7  9  ジャスティンアース 牡 3 松山弘平  57  1.47.0 34.4  3 480 (栗)杉山晴紀
6 6  8  ファーヴェント     牡 3 川田将雅  57  1.47.1 34.4  2 504 (栗)藤原英昭
7 7 10  ブエナオンダ       牡 3 武豊      57  1.47.3 34.8  7 454 (栗)須貝尚介
8 6  7  レガーロデルシエロ 牡 3 ルメート  57  1.47.3 34.8  4 512 (美)栗田徹
9 8 11  テイエムリステット 牡 3 酒井学    57  1.47.4 35.0 11 472 (栗)木原一良
10 5  6  ナムラエイハブ     牡 3 和田竜二  57  1.47.5 34.9  9 504 (栗)長谷川浩
11 1  1  ピエナオルフェ     牡 3 川島信二  57  1.49.3 35.8 12 452 (栗)荒川義之
止 4  4  ヴェロキラプトル   牡 3 西村淳也  57  ------ ----  5 470 (栗)高野友和
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LAP :12.8-11.3-11.5-12.2-12.4-12.2-12.0-11.1-11.3
通過:35.6-47.8-60.2-72.4  上り:71.2-59.0-46.6-34.4  平均:1F:11.87 / 3F:35.60
単勝   12 \230 
複勝   12 \150 / 3 \430 / 5 \480 
枠連   3-8 \3580 (15) 
馬連   03-12 \3720 (16) 
ワイド 03-12 \1160 (16)/ 05-12 \1000 (11)/ 03-05 \3850 (44) 
馬単   12-03 \4430 (15) 
3連複 03-05-12 \16500 (67/220) 
3連単 12-03-05 \49730 (177/1320) 

ビザンチンドリームは出遅れて後方2番手を進み、大外からメンバー最速の33.7秒で差し切ってレースを制した。勝ちタイムは1分46秒8。4着まで同タイムで2着とはハナ差の接戦だった。テイエムリステットが逃げて前半3F35.6秒、5F60.2秒。上がりは34.4秒、ラップは12.0−11.1−11.3秒。流れが緩んで決め手勝負になった。ビザンチンドリームは出遅れて位置取りが悪くなり、道中若さ丸出しのレースだったが、大外から並の馬では届かない位置から強烈な末脚でギリギリ差し切った。

阪神の新馬戦を11.7−11.5−11.3秒の尻上がりラップで圧勝したときに次走の狙い馬で取り上げ、「小柄なエピファネイア産駒だが、バランスのいい馬体の造りで相馬眼的に大化けする可能性を秘めている」と記した馬が少し化けてきた。やはりケリ値が高い。ピーヒュレク騎手は褒められた騎乗ではなかったが、日本での騎乗66戦目で重賞初制覇を飾った。坂口智厩舎はJRA平地重賞初制覇。過去10年できさらぎ賞勝ち馬は皐月賞で[0−0−1−5]で3着はサトノダイヤモンド。今後は皐月賞直行か、一戦挟んでくるか。

ウォーターリヒトは3枠3番から9番手に控え、直線で内を突いてメンバー2位の33.8秒で上がってハナ差の2着。直線でシヴァースとの叩き合いで前に出たが、大外からビザンチンドリームにゴール寸前で交わされた。シンザン記念で17番人気で3着に入った馬が今度は10番人気で激走した。スタート後に幸騎手は馬場のいい外に出して道中外を回っていたが、4コーナーで内に入れて内から捌いてきたことが功を奏した。近親に札幌記念、毎日王冠、天皇賞(秋)で12、5、7番人気で2着のアグネスアーク。次走も人気薄で激走するか。

シヴァースは途中から内から上がってハナを切り、メンバー4位タイの34.4秒で上がってハナ+ハナ差の3着。最後まで食い下がったが、ウォーターリヒトとの首を上げ下げでわずかに負けた。Mデムーロ騎手が3、4コーナーで荒れた内をロスなく回って直線で馬場のいい外に出して粘らせた。母は秋華賞、ドバイターフを制したヴィブロス。ハルーワスウィートの一族で小柄でもやはり非力ではなかった。賞金を加算できなかったのは痛いが、元々奥手の一族。立ち回りが上手いところは今後も武器になる。

インザモーメントは2枠2番スタートから外に出して8番手を進み、直線で外からメンバー3位の34.0秒で上がってハナ+ハナ+クビ差の4着。鮫島駿騎手が前半から外に出し、4コーナーで外を回ったぶん2、3着馬に先着を許した印象。菊花賞4着馬リビアングラスの全弟。ホープフルS8着、きさらぎ賞4着と少しずつパフォーマンスを引き上げている。

ジャスティンアースは4番手からメンバー4位タイの34.4秒で上がって0.2秒差の5着。松山騎手は馬場に脚を取られて伸び切れなかかったとコメント。外々を回ったこと、それほど切れるタイプではないだけに流れが緩んで決め手勝負になったことが堪えた。

ファーヴェントは7番手から内を突いてメンバー4位タイの34.4秒で上がって0.3秒差の6着。直線でウォーターリヒトとシヴァースに挟まれて川田騎手が立ち上がる不利があったが、手応えを見るとスムーズでも厳しかったか。パドックでテンションが高くなっていた。



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