ホープフルS
2024/12/28 中山競馬場 芝2000m

レース展望

過去10年で1番人気は[6−1−0−3]で7連対。単勝1、2倍台は[4−1−0−1]で堅実。G1昇格後は[5−0−0−2]で5勝を挙げている。昨年は牝馬のレガレイラが制した。2番人気は[2−2−3−3]で4連対、3番人気は[1−2−1−6]で3連対。6〜9番人気が3連対、10番人気以下が1連対。過去5年の馬連は8倍、6倍、12倍、645倍、5倍。22年は14−7番人気で大波乱になった。

前走勝った馬は[6−9−9−70]で連対した15頭のうち12頭が前走1番人気だった。前走2着は[2−1−0−7]で1、2、7番人気が連対。前走3、4着は[2−0−0−18]で1、14番人気が連対。前走5着以下は[0−0−1−25]で不振。関東馬[3−4−5−55]、関西馬[7−6−5−63]。G1に昇格後は関東馬[1−1−4−36]、関西馬[6−6−3−50]。前走連対した人気の関西馬に注目。

過去10年でノーザンF生産馬は[8−4−6−25]で1、1、1、1、2、2、3、14番人気が勝ち、2、3、3、4番人気が2着、2、2、2、4、6、9番人気が3着。アマキヒ、クロワデュノール、ジュタ、ジュンアサヒソラ、マジックサンズが該当する。社台F生産馬は[0−0−1−18]で8番人気が3着。マスカレードボールが該当する。社台白老F生産馬は[1−0−0−2]で1番人気が1着。リアライズオーラムが該当する。

社台馬主の馬はサンデーRがクロワデュノール(北村友騎手)、マジックサンズ(佐々木騎手)、社台RHはマスカレードボール(戸崎騎手)。過去10年でサンデーRは[3−1−2−2]で3番人気以内なら[3−1−1−1]。社台RHは[0−0−1−1]で8番人気が3着。今年はサンデーRがクロワデュノール、マジックサンズ、社台RHがマスカレードボールが出走。3頭とも3番人気以内になりそうだ。ノーザンF生産馬が強いレース。社台馬主の人気馬を負かす馬がいるのかが焦点。

クロワデュノールは東京芝1800mの新馬戦を2番手から最速の33.8秒で抜け出して1分46秒7で2馬身半差で圧勝。前半5F61.3秒、後半5F57.3秒で全て11秒台のラップ。東スポ杯2歳Sは3番手から最速タイの33.3秒で抜け出して1分46秒8で優勝。新馬戦圧勝したのはダテではないことを示した。前走は休み明けで馬体が24キロ増えていた。絞れれば上積みが見込める。サンデーRで5000万円で募集された斉藤崇厩舎のキタサンブラック産駒。初の右回りがどう出るか。北村友騎手は4年ぶりのG1制覇なるか。

マジックサンズは函館芝1800mの新馬戦を6番手から押し上げ、最速の35.3秒で差し切り1分54秒0(稍重)で2馬身差で圧勝。札幌2歳Sは6番手から勝負どころで2番手に押し上げ、3位の36.6秒で上がって1分50秒3(重)で優勝。ハナ差の2着のアルマヴェローチェは阪神JFを制した。サンデーRで6000万円で募集された須貝厩舎のキズナ産駒で桜花賞2着馬コナコーストの半弟。今年の2歳重賞で佐々木騎手は[3−0−0−1]で函館2歳S、札幌2歳S、サウジアラビアRCを優勝。初の良馬場がどう出るか。

新馬、アイビーSを連勝したマスカレードボール、アイビーS2着馬ピコチャンブラック、京都2歳S2着馬ジョバンニ、黄菊賞2着馬ヤマニンブークリエ、コスモス賞勝ち馬アスクシュタイン、芙蓉S勝ち馬ジェットマグナム、百日草特別勝ち馬ショウナンマクベス、東京芝2000mの新馬戦を勝ったアマキヒ、東京芝1800mの新馬戦を勝ったジュタなど伏兵は多士済々。マスカレードボールはアイビーSを3番手から最速の33.4秒で抜け出して1分45秒8で優勝。社台RHで8000万円で募集された手塚厩舎のドゥラメンテ産駒でマスクトディーヴァの半弟。過去10年で戸崎騎手は[0−0−1−7]、手塚厩舎は[1−1−2−0]。

ピコチャンブラックは福島芝2000mの新馬戦を前半5F63.7秒のスロー逃げ、最速の35.0秒で上がって2分3秒6で7馬身差で圧勝。前走アイビーSは2番手から2位タイの33.9秒で上がって0.2秒差の2着。マスカレードボールに切れ負けした。上原佑厩舎のキタサンブラック産駒。新馬戦を圧勝した芝2000mで巻き返すか。川田騎手に乗り替わる。ジョバンニは前走京都2歳Sで出遅れて最後方から3、4コーナーで5番手に押し上げると2位タイの34.3秒で上がって0.2秒差の2着。2戦連続でエリキングに先着された。杉山晴厩舎のエピファネイア産駒でマテンロウアレス、セキトバイーストの半弟。松山騎手が騎乗する。


レース回顧

2024年12月28日(土) 5回中山9日  天候: 晴   馬場状態: 良 
11R  第41回ホープフルS
2歳・オープン・G1(馬齢) (牡・牝)(国際)(指定)  芝 2000m   18頭立
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着枠 馬  馬名               性齢 騎手     斤量 タイム  3F  人体重     廐舎
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1 3  6  クロワデュノール   牡 2 北村友一  56  2.00.5 34.9  1 496 (栗)斉藤崇史
2 1  1  ジョバンニ         牡 2 松山弘平  56  2.00.8 34.8  6 484 (栗)杉山晴紀
3 6 11  ファウストラーゼン 牡 2 杉原誠人  56  2.01.0 36.0 17 454 (栗)西村真幸
4 8 16  ジュタ             牡 2 坂井瑠星  56  2.01.2 35.3  8 510 (栗)矢作芳人
5 2  4  クラウディアイ     牡 2 西村淳也  56  2.01.4 35.5 13 432 (栗)橋口慎介
6 5 10  アスクシュタイン   牡 2 横山武史  56  2.01.5 35.3 12 496 (栗)藤原英昭
7 2  3  ジェットマグナム   牡 2 丹内祐次  56  2.01.5 36.0 10 488 (栗)安達昭夫
8 3  5  レーヴドロペラ     牝 2 大野拓弥  55  2.01.7 35.2 16 448 (美)加藤士津
9 4  8 $デルアヴァー       牡 2 三浦皇成  56  2.01.7 35.3  9 484 (栗)松永幹夫
10 1  2  ショウナンマクベス 牡 2 池添謙一  56  2.01.7 36.0 14 478 (美)武市康男
11 8 18  マスカレードボール 牡 2 戸崎圭太  56  2.01.7 35.5  4 472 (美)手塚貴久
12 7 13  ジュンアサヒソラ   牡 2 横山和生  56  2.01.8 36.8 11 494 (美)高柳瑞樹
13 7 15  ピコチャンブラック 牡 2 川田将雅  56  2.01.9 36.2  3 490 (美)上原佑紀
14 4  7  ヤマニンブークリエ 牡 2 武豊      56  2.02.0 35.9  5 528 (栗)松永幹夫
15 7 14  リアライズオーラム 牡 2 菅原明良  56  2.02.3 35.7 15 508 (栗)須貝尚介
16 6 12  マジックサンズ     牡 2 佐々木大  56  2.02.6 36.6  2 510 (栗)須貝尚介
17 8 17  アマキヒ           牡 2 ルメール  56  2.02.7 36.5  7 488 (美)国枝栄
18 5  9  アリオーンスマイル 牡 2 木幡巧也  56  2.03.1 36.4 18 452 (美)土田稔
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LAP :12.6-11.1-12.3-12.7-12.7-12.0-11.6-11.7-11.9-11.9
通過:36.0-48.7-61.4-73.4  上り:71.8-59.1-47.1-35.5  平均:1F:12.05 / 3F:36.15
単勝   6 \180 
複勝   6 \120 / 1 \280 / 11 \3810 
枠連   1-3 \1160 (4) 
馬連   01-06 \1100 (4) 
ワイド 01-06 \450 (3)/ 06-11 \15600 (88)/ 01-11 \47860 (118) 
馬単   06-01 \1310 (4) 
3連複 01-06-11 \140500 (248/816) 
3連単 06-01-11 \293380 (642/4896) 

クロワデュノールは好スタートから7番手につけ、勝負どころで3番手に押し上げるとメンバー2位の34.8秒で抜け出して2馬身差で圧勝した。勝ちタイムは2分00秒5。ジュンアサヒソラが逃げて前半5F61.4秒のスローペース。後半5F59.1秒、上がり35.5秒、ラップは11.7−11.9−11.9秒。中盤に12.7−12.7秒と緩んで後半4Fの持続力勝負になり、中団より前につけた馬で決着。後半5Fは18年に勝ったサートゥルナーリアと同じで過去10年で最速。サートゥルナーリアはデビューから4連勝で皐月賞を制した。

クロワデュノールは7番手から外を回って進出し、直線で抜け出して完勝。初の右回りは全く問題なし。新馬、東スポ杯2歳Sを先行して最速上がりで抜け出して勝った馬が能力の違いを見せつけた。パドックでは前走24キロ増えた馬体が8キロ絞れて少しスッキリしていた。前走同様に落ち着きがあり無駄な仕草がない。ブエナブスタもこんな雰囲気だった。サンデーRで5000万円で募集された斉藤崇厩舎のキタサンブラック産駒。東京も中山も経験したため、来年は皐月賞に直行してダービーを目指すことになりそうだ。

ジョバンニは1枠1番から内ラチ沿いの7番手につけ、直線で外に持ち出すとメンバー最速の34.8秒で上がって0.3秒差の2着。3、4コーナーは内が荒れていたが、後半4Fが11秒台のラップになり、外を回った馬が上がって来れず、直線でバラけたことで楽に外に持ち出すことができた。これでデビューから1、2、2、2着。野路菊S、京都2歳Sはエリキングに0.1秒差、0.2秒差の2着、今回はクロワデュノールの0.3秒差の2着。勝ち切れないが、レースを使いながら少しずつ確実にパフォーマンスを引き上げている。

ファウストラーゼンはスタート後に挟まれて後方2番手を進み、向こう正面でラップが落ちたところで大外から上がって先頭に立つとメンバー11位タイの36.0秒で上がって0.5秒差の3着。単勝303倍の17番人気が大波乱を演出した。前走未勝利戦を2分1秒7(稍重)で勝ったが、上がりが36.0秒と遅いこともあり人気がなかった。杉原騎手が向こう正面でラップが落ちたところで一気に上がったことが上手く嵌まったが、いい脚を長く使っている。新種牡馬モズアスコット産駒。こういうタイプは何度も穴をあけるので注意したい。

ジュタは8枠16番から5番手につけ、メンバー4位タイの35.3秒で上がって0.7秒差の4着。向こう正面ではクロワデュノールの内にいたが、勝負どころでクロワデュノールは馬なりで上がって行ったが、ジュタは反応が悪く上がって行けなかった。それでも前走新馬戦を勝った馬が外を回って最後までしぶとく伸びて能力を示した。セレクトセールで3億5200万円で取り引きされた矢作厩舎のドゥラメンテ産駒。まだ馬体が太く仕上がっていないが、矢作厩舎で仕上げられれば走ってきそうだ。

ピコチャンブラックは7枠15番から3番手につけたが、勝負どころで反応できず、直線でも全く伸びず1.4秒差の13着。タフな馬場が影響したのか、直線では走りがバラバラだった。前走アイビーSで速い流れを経験しており不可解な負け方。福島の新馬戦を7馬身差で圧勝し、アイビーSで2着に入ったが、アイビーSを勝ったマスカレードボールも11着に惨敗している。大きなストライドを生かすために次走は逃げる手か。

マジックサンズは中団の外につけたが、道中ずっと掛かり気味で勝負どころで余裕がなく、直線で全く伸びず2.1秒差の16着。初の良馬場で道中外を回って掛かって全く力を出せなかった。馬体が10キロ増えて重厚感のある馬体だったが、中央の馬場だけにもう少し軽さが欲しかったか。札幌2歳S2着のアルマヴェローチェは阪神JFを勝ったが、マジックサンズは正反対の結果になった。函館記念あたりで激走しそうなタイプ。

アマキヒは8枠17番から中団の後ろにつけたが、勝負どころでついて行けず、直線ではルメール騎手が諦めて2.2秒差の17着。ルメール騎手は「ペースが上がった時に反応できなかった。物見をしていたようにまだ若い」とコメント。新馬戦で負かしたロジャリーマイン(母マリアライト)は次走中山芝2000mの未勝利戦で大外から捲って強い勝ち方したが、アマキヒ(母アパパネ)は若さを出して力を出せなかった。



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