京成杯
2025/1/19 中山競馬場 芝2000m

レース展望

過去10年で1番人気は[3−2−1−4]で5連対。過去3年はアライバルが4着、セブンマジシャンが3着、ジュンゴールドが12着に終わった。2番人気は[1−4−1−4]で5連対、3番人気は[1−0−1−8]で1連対。連対馬15頭が5番人気以内、残る5頭は6、7、7、7、9番人気。過去5年の馬連は27倍、10倍、74倍、195倍、16倍。9頭立ての23年は2−9番人気で万馬券。少頭数でも荒れる。

前走新馬戦は[4−1−2−14]、新馬戦を1番人気で勝った馬が4番人気以内なら[3−1−0−3]。未勝利戦は芝2000m勝ち馬が5番人気以内なら[0−3−0−5]。1勝クラスは[3−2−4−28]、3番人気以内なら[3−2−1−5]。前走条件戦は人気になった馬に注目。前走G1は[1−0−1−7]。ホープフルSは[1−0−1−2]だが、朝日杯FSは[0−0−0−5]で3着以内がなく不振。

キングノジョーは東京芝2000mの新馬戦を好位から最速の33.8秒で抜け出して2分2秒4で2馬身半差で圧勝。直線で馬群を捌いて伸びてきたが、ルメール騎手は仕掛けただけで最後まで鞭を入れていなかった。前半5F63.0秒、後半5F59.4秒、上がり34.2秒、ラップ11.8−11.1−11.3秒。セレクトセールで3億4100万円で取り引きされた田中博厩舎のシルバーステート産駒でアイアンバローズ、ジャスティンパレスの半弟。過去10年でルメール騎手は[1−1−1−2]、1番人気では[1−1−1−1]。

パーティハーンは京都芝1800mの新馬戦を4番手から3位の35.0秒で上がってヤマニンブークリエにクビ差の2着。前走京都芝2000mの未勝利戦は逃げて最速の34.0秒で上がって2分1秒0で5馬身差で圧勝。前半5F62.7秒、後半5F58.3秒、ラスト4F45.9秒、ラップは11.9−11.2−11.2−11.6秒。セレクトセールで2億9700万円で取り引きされた友道厩舎のウートンバセット産駒。過去10年で社台F生産馬は[4−1−0−12]で現在6、2、5番人気が3連勝中。戸崎騎手に乗り替わる。

葉牡丹賞2着馬ゲルチュタール、ベゴニア賞3着馬ガルダイア、デイリー杯2歳S2着馬ドラゴンブースト、芝2000mの未勝利戦を勝ったマテンロウムーブ、センツブラッド、インターポーザー、芝1800mの未勝利戦を勝ったタイセイリコルドなど伏兵は数多い。ダート2勝のコスモストームを除き1勝馬。ゲルチュタールは前走葉牡丹賞を8番手から2位の34.5秒で上がってヴィンセンシオにハナ差の2着。サンデーRで4000万円で募集された杉山晴厩舎のブリックスアンドモルタル産駒で近親にキラーアビリティ。鞍上は三浦騎手。

ガルダイアは前走ベゴニア賞で5番手から最速タイの34.3秒で上がって0.2秒差の3着。サンデーRで7000万円で募集された国枝厩舎のエピファネイア産駒でアエロリットの半弟。杉原騎手が騎乗する。マテンロウムーブは中京芝2000mの未勝利戦を9番手から最速の34.2秒で差し切って2分1秒5で優勝。セレクトセール4400万円のリアルスティール産駒。横山典騎手は昨年ダノンデザイルで制した。センツブラッドは前走京都芝2000mの未勝利戦を4番手から2位の35.4秒で抜け出して2分00秒で優勝。斉藤崇厩舎のルーラーシップ産駒で母はマーメイドS勝ち馬サマーセント。キング騎手が騎乗する。


レース回顧

2025年 1月19日(日) 1回中山7日  天候:小雨  馬場状態: 良 
11R  第65回京成杯
3歳・オープン・G3(馬齢) (国際)(特指)  芝 2000m   14頭立
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着枠 馬  馬名               性齢 騎手     斤量 タイム  3F  人体重     廐舎
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1 2  2  ニシノエージェント 牡 3 津村明秀  57  1.59.9 35.4 11 472 (美)千葉直人
2 7 12  ドラゴンブースト   牡 3 丹内祐次  57  2.00.0 36.0  7 470 (栗)藤野健太
3 3  3  ミニトランザット   牡 3 田辺裕信  57  2.00.0 34.9  9 468 (栗)杉山佳明
4 6  9  キングノジョー     牡 3 ルメール  57  2.00.1 36.5  1 448 (美)田中博康
5 8 14 *パーティハーン     牡 3 戸崎圭太  57  2.00.4 36.2  2 476 (栗)友道康夫
6 7 11  マテンロウムーブ   牡 3 横山典弘  57  2.00.6 35.8  5 504 (栗)松永幹夫
7 6 10  シマサンブラック   牡 3 佐々木大  57  2.00.6 36.3 14 482 (美)蛯名正義
8 4  6  センツブラッド     牡 3 キング    57  2.00.7 37.0  8 458 (栗)斉藤崇史
9 8 13  パッションリッチ   牡 3 菅原明良  57  2.00.8 35.9 12 478 (美)久保田貴
10 5  8  ゲルチュタール     牡 3 三浦皇成  57  2.01.9 37.9  3 534 (栗)杉山晴紀
11 5  7  コスモストーム     牡 3 秋山稔樹  57  2.02.3 38.5 13 502 (栗)北出成人
12 3  4  インターポーザー   牡 3 斎藤新    57  2.02.7 38.9 10 500 (栗)高野友和
13 1  1  タイセイリコルド   牡 3 石橋脩    57  2.03.0 39.9  6 486 (栗)小栗実
14 4  5  ガルダイア         牡 3 杉原誠人  57  2.03.0 39.9  4 482 (美)国枝栄
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LAP :12.6-10.5-11.9-11.5-11.8-12.1-12.7-12.8-11.8-12.2
通過:35.0-46.5-58.3-70.4  上り:73.4-61.6-49.5-36.8  平均:1F:11.99 / 3F:35.97
単勝   2 \4940 
複勝   2 \960 / 12 \490 / 3 \980 
枠連   2-7 \10230 (27) 
馬連   02-12 \35970 (64) 
ワイド 02-12 \7430 (62)/ 02-03 \9500 (69)/ 03-12 \5490 (51) 
馬単   02-12 \77110 (128) 
3連複 02-03-12 \209730 (275/364) 
3連単 02-12-03 \1727970 (1670/2184) 

ニシノエージェントは2枠10番から出遅れて10番手を進み、3、4コーナーで馬群を捌きながら押し上げるとメンバー2位の35.4秒で差し切ってレースを制した。勝ちタイムは1分59秒9。ガルダイアとタイセリコルドが競り合って前半5F58.3秒、後半5F61.6秒、上がり36.8秒、ラップは12.8−11.8−12.2秒。勝ちタイム1分59秒9、前半5F58.3秒とも過去10年で最速。ハイペースで前崩れになり、差し追い込み馬が上位を独占した。

ニシノエージェントはこれまで4戦は5番手以内につけるレースをしていたが、今回は出遅れて後方を進み、勝負どころで津村騎手が狭いところを捌いて上がってきたことが功を奏した。これで中山は3、1、1着。キャリア4戦、中山2戦を経験してきたことを生かし切った。皐月賞馬イスラボニータ産駒で近親に京成杯勝ち馬ラストドラフト。小回りの中山で立ち回りの上手さを見せて11番人気で激走した。2年目の千葉調教師は重賞初制覇。使い込んでいるため、次走は皐月賞直行か。

ドラゴンブーストは8番手から4コーナーで2番手に押し上げ、メンバー4位の36.0秒で上がってクビ差の2着。1コーナー手前で内に入れて内ラチ沿いをロスなく回り、勝負どころで外に出しながら狭いところを捌きいて上がってきた。丹内騎手は「外枠からでも上手く捌けて完璧に乗れた」とコメント。デイリー杯2歳S2着馬が7番人気で激走した。デイリー杯2歳Sは少頭数でレベルが低かったが、今回はメンバー唯一の重賞連対馬だった。今後は中距離を使うことになりそうだ。

ミニトランザットは出遅れた後に寄られて最後方を進み、大外からメンバー最速の34.9秒で追い込んで0.1秒差の2着。前走中山芝1600mの新馬戦を逃げ切った馬が距離2F延長、出遅れて最後方からでは厳しいと思われが、大外から最速上がりを繰り出して9番人気で激走した。エピファネイア産駒で母はクイーンC&阪神牝馬S2着馬イチオクノホシ。母の決め手を受け継いでいる。今回は展開が嵌まったこともあるが、芝2000mで最速上がりを繰り出したことは今後に繋がる。

キングノジョーは3番手から4コーナーで先頭に立って直線で後続を引き離しかけたが、最後に甘くなって0.2秒差の4着。前走東京の新馬戦を圧勝したが、前半5F63.0秒の超スローペースだった。今回は前半5F58.3秒のハイペース。前に行った馬の中では最先着で能力は示したが、決め手がある馬だけにもう少しタメるレースでも良かったか。昨年11月以降の重賞でルメール騎手は[1−0−1−11]、1番人気では[1−0−0−6]で勝ったのはナムラクレアのみ。

パーティハーンは大外枠から8番手につけ、メンバー6位の36.2秒で上がって0.5秒差の5着。前走京都の未勝利戦を逃げて5馬身差で圧勝したが、今回は大外枠から差すレースをして直線で伸び切れなかった。勝ったニシノエージェント、2着ドラゴンブーストは勝負どころで馬群を捌いてある程度ロスなく回ったが、パーティハーンは終始大外をブン回していた。タフなレースで大外を回って脚を使ったことが堪えている。このレースぶりだと次走は距離を延ばしてくるか。

センツブラッドは5番手から4コーナーで2番手に押し上げ、メンバー9位の37.0秒で上がって0.8秒差の8着。キング騎手が好位から早めに動いて勝ちに行ったが、ハイペースで直線で一杯になった。前走同様に立ち回りの上手さを見せたが、流れが厳し過ぎた。次走は1勝クラスで賞金加算に切り替えそうだ。

ゲルチュタールは7番手からメンバー10位の37.9秒で上がって2秒差の10着。勝負どころで大外を回って直線で一杯になった。前走12キロ増、今回14キロ増で腹目が太くなっていた。昨年以降の芝重賞で三浦騎手は[0−4−4−35]。馬は人が走らせる。厩舎が三浦騎手を警戒して仕上げなかったか。



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