AJCC
2025/1/26 中山競馬場 芝2200m

レース展望

過去10年で1番人気は[2−3−0−5]で5連対。過去2年はオーソクレースが6着、ガイアフォースが5着、マイネルウィルトスが5着に終わった。2番人気は[2−1−1−6]で3連対、3番人気は[2−2−2−4]で4連対。6〜9番人気が3連対、10番人気が1連対。過去5年の馬連は12倍、11倍、343倍、39倍、11倍で3年が10倍台の決着。22年は3−11番人気で万馬券が飛び出した。

年齢別では、4歳[2−4−2−15]、5歳[3−1−3−23]、6歳[4−1−3−27]、7歳[1−3−1−13]、8歳以上[0−1−1−33]で5、6歳馬の優勝が多い。4歳馬は3番人気以内[2−4−1−6]、4番人気以下[0−0−1−9]。6歳馬が5連対、7歳馬が4連対、8歳馬が1連対。厳寒期の重賞で高齢馬が健闘している。穴で芝2000m以上の重賞で勝ち星がある6、7歳馬を絡めたい。

ダノンデサイルはダービーを内ラチ沿いの4番手から抜け出して2分24秒3で2馬身差で圧勝。前半5F62.2秒、後半5F56.8秒。菊花賞は内ラチ沿いの3番手につけたが、外から前に入られて後退し、大外から追い込んで0.7秒差の6着。前走有馬記念は前半5F62.8秒のスローで逃げ、8位の35.4秒で上がって0.2秒差の3着。ダービーより16キロ重い520キロだった。大型馬はクリソベリル、エフフォーリアなどスジ力が落ちると復活できない馬が多いが、厩舎が仕上げて馬体が絞れると一変する可能性がある。

レーベンスティールはG1[0−0−0−2]、G2[2−0−0−0]、G3[1−0−1−1]。G2以下では[5−2−1−1]で新潟大賞典11着を除き3着以内を確保。中山芝は[3−1−0−0]、中山芝2200mは[2−0−0−0]でセントライト記念、オールカマーを優勝。オールカマーは3、4番手の内から直線で狭いところを捌いて抜け出し2分11秒8で優勝。道中折り合いを欠き、直線で前が壁になったが、ルメール騎手が落ち着いて捌いてきた。昨年11月以降の重賞でルメール騎手は[1−0−1−11]で不振。

皐月賞2着馬コスモキュランダ、22年の有馬記念2着馬ボルドグフーシュ、チャレンジC2着馬ディープモンスター、菊花賞5着馬ビザンチンドリーム、中日新聞杯3着馬マテンロウレオ、中山金杯3着馬ボーンディスウェイ、昨年のAJCC勝ち馬チャックネイト、福島記念勝ち馬アラタ、オールカマー2着馬アウスヴァールなど伏兵は多士済々。コスモキュランダは中山[1−4−0−1]で弥生賞1着、皐月賞2着、セントライト記念2着。皐月賞馬アルアイン産駒で中山専用機か。昨年9月以降の重賞で横山武騎手は[0−1−1−18]。

ボルドグフーシュは長期休養明けの前走チャレンジCで0.9秒差の4着。芝2200mは[1−0−2−0]で京都新聞杯、神戸新聞杯で3着がある。内田博騎手が騎乗する。ディープモンスターは前走チャレンジCで後方から追い込んでラヴェルに0.3秒差の2着。芝2200mは[2−0−0−0]で梅花賞、すみれSを優勝。21年以降のAJCCで池江厩舎は[0−2−1−0]。ビザンチンドリームは前走菊花賞で0.5秒差の5着。4着ショウナンラプンタは日経新春杯で2着に入った。次走サウジのレッドシーターフH(G2、芝3000m)に出走する予定。鞍上はルメートル騎手。


調教診断

★ダノンデサイル
栗坂で馬なりのまま併入。相手に合わせた走りで余力十分。1週前に栗CWで2頭併せで馬なりのまま先着。背中がブレない走りでラスト11.2秒。叩き3戦目で良化した。

★レーベンスティール
南Wで3頭併せで強めに追って先着。前向きさがあり首を使った重心の低いフットワークでラスト11.2秒。1週前に南Wで3頭併せで一杯に追って先着。久々もデキはある。

★コスモキュランダ
栗坂で2頭併せで強めに追って相手を突き放した。追ってからの反応が良かった。1週前に南Wで2頭併せで追って相手を突き放した。得意の中山で追って仕上げられた。

★ビザンチンドリーム
栗坂で馬なり調教。前半頭を上げてフワフワしたが、軽快なフットワークで余力十分。1週前に栗CWで2頭併せで強めに追って併入。久々も乗り込んでまずまず仕上がる。

★ボルドグフーシュ
栗坂で馬なり調教。少し頭が高いが、馬体の張りが良くなり走りにも余裕がある。1週前に栗坂で強めに追ってラスト11.9秒でまっすぐに登坂。ひと叩きして若干上向き。

次点(上位5頭に入らなかった馬)
☆チャックネイト
☆カラテ


レース回顧

2025年 1月26日(日) 1回中山9日  天候: 晴   馬場状態: 良 
11R  第66回アメリカジョッキーCC
4歳以上・オープン・G2(別定) (国際)(特指)  芝 2200m   18頭立
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着枠 馬  馬名               性齢 騎手     斤量 タイム  3F  人体重     廐舎
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1 4  8  ダノンデサイル     牡 4 戸崎圭太  58  2.12.1 36.0  1 516 (栗)安田翔伍
2 6 11  マテンロウレオ     牡 6 横山典弘  57  2.12.2 36.3  6 480 (栗)昆貢
3 7 13  コスモキュランダ   牡 4 横山武史  57  2.12.2 36.4  3 510 (美)加藤士津
4 2  4  ボルドグフーシュ   牡 6 内田博幸  57  2.12.6 36.1  4 506 (栗)宮本博
5 1  1  ライラック         牝 6 石川裕紀  55  2.12.7 36.3  9 444 (美)相沢郁
6 5 10  ビザンチンドリーム 牡 4 ルメート  56  2.12.8 36.5  5 460 (栗)坂口智康
7 8 18  ボーンディスウェイ 牡 6 木幡巧也  57  2.12.9 37.0 10 498 (美)牧光二
8 7 15  エヒト             牡 8 吉田豊    57  2.12.9 36.8 16 470 (栗)森秀行
9 4  7  マイネルクリソーラ 牡 6 津村明秀  57  2.13.0 36.2 15 462 (美)手塚貴久
10 5  9  ディープモンスター 牡 7 浜中俊    57  2.13.0 36.4  7 466 (栗)池江泰寿
11 3  5  カラテ             牡 9 杉原誠人  57  2.13.2 36.0 17 538 (栗)音無秀孝
12 1  2  レーベンスティール 牡 5 ルメール  58  2.13.2 37.1  2 492 (美)田中博康
13 8 16  チャックネイト     セ 7 キング    58  2.13.4 37.9  8 498 (美)堀宣行
14 6 12  アラタ             牡 8 大野拓弥  57  2.13.4 36.6 13 486 (美)和田勇介
15 2  3  ポタジェ           牡 8 岩田望来  58  2.13.7 37.7 14 482 (栗)友道康夫
16 3  6  ニシノレヴナント   セ 5 田辺裕信  57  2.14.1 36.7 11 500 (美)上原博之
17 7 14  ホウオウリアリティ 牡 7 菅原明良  57  2.14.1 37.2 18 492 (美)高木登
18 8 17  アウスヴァール     セ 7 横山和生  57  2.14.2 38.6 12 490 (栗)昆貢
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LAP :12.8-11.4-12.3-12.0-12.1-11.9-11.7-11.3-11.8-12.2-12.6
通過:36.5-48.5-60.6-72.5  上り:71.5-59.6-47.9-36.6  平均:1F:12.01 / 3F:36.03
単勝   8 \260 
複勝   8 \140 / 11 \390 / 13 \230 
枠連   4-6 \2850 (12) 
馬連   08-11 \2910 (8) 
ワイド 08-11 \900 (9)/ 08-13 \450 (2)/ 11-13 \1680 (19) 
馬単   08-11 \3770 (12) 
3連複 08-11-13 \5660 (12/816) 
3連単 08-11-13 \24660 (66/4896) 

ダノンデサイルは4枠8番から7番手の外につけ、メンバー最速タイの36.0秒で差し切ってレースを制した。勝ちタイムは2分12秒1。アウスヴァールが逃げて前半5F60.6秒。後半5F59.6秒、上がり36.6秒、ラップ11.8−12.2−12.6秒。横山武騎手のコスモキュランダが向こう正面で後方から捲り、キング騎手のチェックネイトが3コーナーから早めに動いてラップが上がったことで上がりの掛かる消耗戦になった。ダノンデサイルは有馬記念で逃げて3着に終わったが、初の58キロを克服し重賞3勝目を挙げた。

叩き3戦目で有馬記念よりも仕上げが進んで調教の動きが良くなり、パドックでは馬体が4キロ絞れて前走より引き締まっていた。ダービー馬が厳寒期のG2でここまで仕上げるのは珍しい。戸崎騎手は有馬記念をルメール騎手から替わったレガレイラで制し、フェアリーSでもルメール騎手から替わったエリカエクスプレスで制した。今回はデビューから騎乗してきた横山典騎手から替わって1番人気で優勝。昨年秋以降の重賞で不振が続くルメール騎手とは対照的な成績になっている。ダノンデサイルは今後芝2000m前後を使って行く予定。

マテンロウレオは6枠11番スタートから内に切れ込んで3番手につけ、メンバー5位タイの36.3秒で上がって0.1秒差の2着。3、4コーナーでロスなく回り、直線で内を突いてコスモキュランダとの叩き合いをハナ差で制した。23年の京都記念2着以降不振が続いていたが、前走中日新聞杯で58.5キロを背負って0.4秒差の3着に入っていた。頭差の2着ロードデルレイは次走日経新春杯を制した。叩き2戦目、57キロ、横山典騎手の好騎乗で6番人気で激走した。ダノンデザイルに食らいついたのは横山典騎手の意地か。昆厩舎の管理馬は鍛えられている。タフな馬場も合うのだろう。

コスモキュランダは14番手から向こう正面で外から上がって3コーナーで3番手に押し上げ、メンバー7位タイの36.4秒で上がって0.1秒差の3着。4コーナーから直線で再度動いて先頭に立ったが、外からダノンデザイル、内からマテンロウレオに交わされた。これで中山では[1−4−1−1]、中山以外では[1−0−0−5]。皐月賞馬アルアイン産駒。弥生賞以降勝ち切れないが、中山では堅実に走っている。

ボルドグフーシュは9番手から4コーナーで大外に持ち出すとメンバー3位の36.1秒で上がって0.5秒差の4着。勝負どころで前が壁になって追い出しが遅れ、大外に持ち出すロスがあった。長期休養明け2戦目でまだ勝負どころでズブさがあるが、直線では最後までしぶとく伸びていた。前走16キロ増えた馬体が10キロ絞れていた。菊花賞&有馬記念2着馬がレースを使いながら少しずつ復調してきている。

ビザンチンドリームは出遅れて16番手を進み、向こう正面でコスモキュランダを追いかけて中団に押し上げ、メンバー9位の36.5秒で上がって0.7秒差の6着。ルメートル騎手が中山初めてということもあるが、外々を回ってロスのあるレースだった。それでも外からしぶとく伸びたようにスタミナがある。新馬戦でインパクトのある勝ち方をした馬。もう少しレースが上手くなれば、長距離重賞で激走がありそうだ。

レーベンスティールは1枠2番から7番手につけ、メンバー14位の37.1秒で上がって1.1秒差の12着。道中外からダノンデザイルにマークされたこともあるが、直線で全く伸びなかったのは距離2200mと荒れ馬場が影響したか。先週より土曜、土曜より日曜の方がタフな馬場になっていた。パドックでは馬体が12キロ増えて馬体がマッチョ化。距離適性が短い方にシフトしてきている。ルメール騎手は昨年11月以降の重賞[1−0−1−12]で不振が続いている。レーベンスティールはドバイターフに出走したら注目したい。



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