ニュージーランドT
2025/4/12 中山競馬場 芝1600m

レース展望

過去10年で1番人気は[0−4−0−6]で勝った馬はいない。単勝1倍台は[0−0−0−1]、2倍台は[0−1−0−1]、3倍台は[0−3−0−2]、4倍台は[0−0−0−2]。2番人気は[5−0−2−3]で5連対、3番人気は[2−2−0−6]で4連対。6〜9番人気、10番人気以下は各2連対。過去5年の馬連は17倍、9倍、9倍、39倍、8倍。トリッキーな中山マイルでも人気馬の決着が続いている。

連対馬15頭が前走3着以内。前走重賞で3着以内に入った馬と1勝クラスを勝った馬が活躍。前走5、6、6、6、9着から連対した5頭は前2走とも重賞に出走していた。前走10着以下は[0−0−1−30]で不振。前走1勝クラスは[3−3−3−48]で6連対。前走1勝クラスの芝1600m勝ち馬は[3−2−2−25]、2番人気以内なら[3−2−1−3]。前走芝1600mを勝った人気馬に注目したい。

アドマイヤズームは京都芝1600mの新馬戦4着、未勝利戦1着、朝日杯FS1着。朝日杯FSは1枠2番から2番手につけ、最速の33.6秒で抜け出して1分34秒1で2馬身半差で圧勝。前半5F60.4秒で上がりが33.7秒、ラップは11.8−10.9−11.0秒。3着ランスオブカオスはチャーチルタウンズCを制した。セレクトセール1億2650万円の友道厩舎のモーリス産駒。実績的に単勝1倍台の断然人気になりそう。今年の重賞で川田騎手は1番人気では[1−2−0−4]で勝率14.3%。ただ今回は相手が弱い。

コートアリシアンは芝1600m[1−1−0−2]で新馬戦1着、新潟2歳S2着、阪神JF6着、クイーンC4着。阪神JFは出遅れて後方2番手から2位タイの34.4秒で追い込んで0.8秒差の6着。関西圏で戸崎騎手がテン乗りだった。前走クイーンCは7番手から3位タイの34.8秒で上がって0.9秒差の4着。7枠12番から終始外を回って伸び切れなかった。小柄な牝馬だけに時計が速くなり過ぎたことが影響したか。今の中山も高速馬場。伊藤厩舎のサートゥルナーリア産駒。坂井騎手からテン乗りの菅原明騎手に乗り替わる。

クロッカスS3着馬プリティディーヴァ、前走1勝Cを逃げ切ったストレイトトーカー、ひいらぎ賞2着馬イミグラントソング、アルテミスS2着馬ミストレス、前走未勝利戦を圧勝したルナルーチェット、新馬、1勝Cを連勝したムイなど。プリティディーヴァは芝1400mで3戦して新馬戦1着、ダリア賞1着、クロッカスS3着。前走クロッカスSは5番手から2位タイの33.2秒で上がってクラスペディアに半馬身差の2着。田中博厩舎のキングマン産駒で馬主の吉田和美氏。過去10年で牝馬は[0−4−1−25]で2着が多い。


調教診断

★アドマイヤズーム
栗坂で馬なり調教。まとまり感のある馬体で力強い脚捌きで余力十分。1週前に栗CWで2頭併せで強めに追ってラスト10.8秒で先着。久々もきっちり仕上がる。

★ムイ
栗坂で馬なり調教。活気がありキビキビとしたフットワークでまっすぐに登坂。馬体にまとまり感がある。中1週になるが、馬は元気一杯で前走勝ったデキをキープ。

★イミグラントソング
南Wで3頭併せで軽く仕掛けて先着。気合乗りが良く、重心の低いフットワークでラスト11.8秒。1週前に南Wで2頭併せで馬なりのまま併入。叩いて若干良化。

★ストレイトトーカー
南Wで2頭併せで馬なりのまま併入。軽快なフットワークでラスト11.5秒。1週前に南Wで2頭併せで併入。前脚を掻き込む軽い走りででラスト11.4秒。順調。

★プリティディーヴァ
南Wで3頭併せで馬なりのまま先着。少し頭が高いが、余力十分にラスト11.6秒。1週前に南Wで3頭併せで遅れたが、ラストは11.3秒。叩いたぶん若干良化。

次点(上位5頭に入らなかった馬)
☆ルナルーチェット
☆コートアリシアン

チョングクは調教VTRなし。


レース回顧

2025年 4月12日(土) 3回中山5日  天候: 晴   馬場状態: 良 
11R  第43回ニュージーランドT
3歳・オープン・G2(馬齢) (牡・牝)(国際)(指定)  芝 1600m   14頭立
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着枠 馬  馬名               性齢 騎手     斤量 タイム  3F  人体重     廐舎
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1 8 13  イミグラントソング 牡 3 石川裕紀  57  1.32.4 33.1  2 482 (美)辻哲英
2 5  7  アドマイヤズーム   牡 3 川田将雅  57  1.32.4 33.9  1 476 (栗)友道康夫
3 2  2  コートアリシアン   牝 3 菅原明良  55  1.32.6 33.8  5 434 (美)伊藤大士
4 7 12 $プリティディーヴァ 牝 3 モレイラ  55  1.32.6 33.6  3 464 (美)田中博康
5 4  5  ミーントゥビー     牝 3 松岡正海  55  1.32.9 33.7 12 432 (美)堀内岳志
6 8 14  ストレイトトーカー 牡 3 大野拓弥  57  1.33.1 34.8  8 472 (美)岩戸孝樹
7 4  6  ルージュラナキラ   牝 3 岩田康誠  55  1.33.1 34.9  4 468 (美)加藤征弘
8 6  9  ジェットマグナム   牡 3 三浦皇成  57  1.33.3 34.6  9 486 (栗)安達昭夫
9 3  4  ルナルーチェット   牝 3 横山武史  55  1.33.4 34.8  7 416 (美)国枝栄
10 5  8  シュバルツマサムネ 牡 3 田辺裕信  57  1.33.5 33.9 14 456 (栗)杉山佳明
11 1  1  チョングク         牡 3 丸田恭介  57  1.33.7 33.4 13 476 (美)南田美知
12 6 10  ムイ               牝 3 今村聖奈  55  1.33.8 34.1  6 458 (栗)笹田和秀
13 7 11  アタラシイカドデニ 牡 3 吉田豊    57  1.33.8 34.0 11 504 (美)上原博之
14 3  3  ベイビーキッス     牝 3 原優介    55  1.34.3 36.6 10 452 (美)青木孝文
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LAP :12.4-10.7-11.2-11.4-12.0-11.9-11.2-11.6
通過:34.3-45.7-57.7-69.6  上り:69.3-58.1-46.7-34.7  平均:1F:11.55 / 3F:34.65
単勝   13 \550 
複勝   13 \150 / 7 \110 / 2 \220 
枠連   5-8 \360 (1) 
馬連   07-13 \430 (1) 
ワイド 07-13 \240 (1)/ 02-13 \540 (5)/ 02-07 \350 (3) 
馬単   13-07 \1320 (4) 
3連複 02-07-13 \1060 (1/364) 
3連単 13-07-02 \5740 (10/2184) 

イミグラントソングは8枠13番スタートから10番手の外につけ、メンバー最速の33.1秒で差し切ってレースを制した。勝ちタイムは1分32秒4。ベイビーキッスが逃げて前半3F34.3秒、5F57.7秒。上がりは34.7秒、ラップは11.9−11.2−11.6秒。例年より流れが速くなって外からの差しが決まった。イミグラントソングは不利な外枠から終始外を回って差し切る強い内容で重賞初制覇。ひいらぎ賞を1分32秒5で走ってデンクマールの2着に入ったのはダテでなかった。前走1勝Cは3着に負けたが、前半5F61.2秒でスローの上がり勝負だった。ハイペース、高速決着に強いことは今後も大きな武器になる。次走はNHKマイルCでG1獲りを目指す。過去10年のNHKマイルCでニュージーランドT勝ち馬は[0−0−0−9]だが、今年は1分32秒台の高速決着で繋がる可能性がある。

アドマイヤズームは4番手から4コーナーで外から押し上げ、メンバー6位タイの33.9秒で上がってクビ差の2着。直線で前を交わして先頭に立ったが、最後にイミグラントソングに切れ負けした。朝日杯FSを2馬身半差で圧勝し、休み明けで1分32秒4で走って2着なら上々といえる。目標は次のNHKマイルCのため、馬体が8キロ増えて余裕残しの仕上げだった。高速決着になるNHKマイルC前に速い流れで1分32秒台のレースを経験できたことはプラスになる。次走NHKマイルCは友道厩舎がG1仕様の仕上げで臨んでくる。

コートアリシアンは2枠2番から内ラチ沿いの6番手を進み、直線で外に出しながらメンバー5位の33.8秒で上がって0.2秒差の3着。菅原明騎手が道中ロスなく進め、直線で上手く外に出しながら持ってきた。これでマイル重賞では新潟2歳S2着、阪神JF6着、クイーンC4着、ニュージーランドT3着。勝ち切れないが、小柄な牝馬が相手なりに堅実に走っている。

プリティディーヴァは7枠12番から8番手につけ、メンバー3位の33.6秒で上がって0.2秒差の4着。3着とはハナ差。勝負どころでアドマイヤズームの後ろからモレイラ騎手が追ったが、最後まで追いつけなかった。直線で外からイミグラントソングに来られ、前にいたアドマイヤズームが外に寄れたことで内に切れ込むロスがあった。そこがスムーズなら3着だったか。

ムイはスタートで寄れた後に躓いて後方を進み、大外からメンバー9位の34.1秒で上がって1.4秒差の12着。前走1勝Cを大外から差し切って1分20秒4の好タイムで勝ったが、3キロ増の55キロ、距離1F延長が影響したのか、後方のまま見せ場がなかった。中1週、長距離輸送が影響したのか、馬体は2キロ減でも少し細く映った。能力はあるため、距離短縮、鞍上強化で見直したい。



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