アイビスSD
2025/8/3 新潟競馬場 芝1000m

レース展望

過去10年で1番人気は[5−2−0−3]で7連対。15年から7年連続で連対したが、過去3年は9、18、9着に終わった。2番人気は[1−5−0−4]で6連対、3番人気は[1−1−1−7]で2連対。6〜9番人気は5連対、10番人気以下は[0−0−3−73]。過去5年の馬連は8倍、10倍、30倍、125倍、25倍で堅いか波乱両極端。人気馬に6〜9番人気を絡めて中穴を狙うのが妙味。

459キロ以下は[1−1−0−19]で連対した2頭は1、2番人気で51キロの3歳牝馬だった。480キロ前後の連対が多い。500キロ以上は3番人気以内なら[2−3−0−5]。馬格があり斤量が軽い馬が勝つことが多い。直線1000mは馬場のいい外を通れる外枠が有利。1、3枠は連対がなく不振が続いている。6枠は5連対、7枠は3連対、8枠は6連対。6〜8枠に入った馬を重視したい。

ピューロマジックは昨年葵S、北九州記念を逃げて2連勝。前半3F、5Fは葵Sが33.2秒、55.4秒、北九州記念が32.3秒、55.3秒。北九州記念を勝った後はセントウルS13着、スプリンターズS8着、シルクロードS9着、アルクオーツスプリント5着で3着以内がない。1週前に栗坂で50.3秒の1番時計をマーク。重賞2勝でも55キロで出走できる。今年の重賞でルメール騎手は[5−6−2−15]、1番人気では[3−4−1−5]で連対率53.8%、2番人気では[1−2−0−5]で連対率37.5%。

テイエムスパーダは22年のCBC賞(小倉)を逃げて1分5秒8のレコードで3馬身半差で圧勝。23年のセントウルSを逃げて1分7秒2で優勝。近走10着以下が続いていたが、前走韋駄天Sを8枠15番から前半3F33.2秒で逃げ、55秒5(稍重)で3馬身差で圧勝。牝馬が56キロを背負ってスピードの絶対値の高さを示した。昨年のアイビスSDは2番手から11位の33.5秒で上がって0.1秒差の3着。勝ったモズメイメイより2キロ重い57キロを背負っていた。今年は前走と同じ56キロ。2戦連続で斎藤騎手が騎乗する。

昨年のアイビスSD勝ち馬モズメイメイ、同2着馬ウイングレイテスト、前走安達太良Sを勝ったカルロヴェローチェ、同2着ブーケファロス、同3着コラソンビート、駿風S2着馬カフジテトラゴン、前走直線1000mの1勝Cを圧勝したニシノトキメキなど伏兵は数多い。モズメイメイは昨年のアイビスSDを55秒3で勝ち、セントウルSで3着に入ったが、その後は大不振が続いている。前走北九州記念は15着に終わったが、北九州記念からアイビスSDは昨年と同じステップ。昨年より1キロ重い56キロ。高杉騎手が騎乗する。

ウイングレイテストは昨年のアイビスSDで5番手から7位の33.1秒で上がってクビ差の2着。他馬より重い59キロを背負っていた。今年は1キロ軽い58キロ。大型馬でも夏場走るタイプ。過去10年で8歳馬は[0−0−0−6]。カフジテトラゴンは直線1000m[0−4−0−0]で10、15、15、17番枠だった。テン乗りの戸崎騎手に乗り替わる。ニシノトキメキは前走1勝Cを前半3F33.0秒で逃げ、最速の32.2秒で上がって54秒6で4馬身差で圧勝。前走より2キロ重い55キロ。今村聖奈騎手が騎乗する。


調教診断

★ピューロマジック
栗CWで2頭併せで馬なりのまま先着。重心の低いフットワークでラスト11.2秒。1週前に栗坂で馬なりのまま50.3秒の1番時計。乗り込んで仕上げられた。

★テイエムスパーダ
栗坂で馬なり調教。活気があり力強い脚捌きでラスト11.8秒。1週前に栗CWで馬なりのままラスト11.1秒。得意の夏場で馬体が充実し動き、気配とも良化。

★モズメイメイ
栗坂で馬なり調教。軽快なフットワークで最後まで確かな脚色。1週前に栗坂で一杯に追ってラスト11.6秒。近走不振もいい時の豪快さが戻ってきた。若干良化。

★コラソンビート
美坂で馬なり調教。活気がありキビキビとしたフットワークで余力十分にラスト11.5秒。中2週になるが、夏場走るタイプで元気一杯。使いながらデキは上向き。

★カルロヴェローチェ
栗坂で馬なり調教。首を使ってリズミカルなフットワークで最後までしっかり伸びた。前走勝って馬が気をよくしたのか気配が良くなった。ひと叩きしてデキは上向き。

次点(上位5頭に入らなかった馬)
☆カフジテトラゴン
☆ニシノトキメキ


レース回顧

2025年 8月 3日(日) 2回新潟4日  天候: 晴   馬場状態: 良 
7R  第25回アイビスサマーダッシュ
3歳以上・オープン・G3(別定) (国際)(特指)  芝 1000m・直線   18頭立
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着枠 馬  馬名               性齢 騎手     斤量 タイム  3F  人体重     廐舎
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1 3  6  ピューロマジック   牝 4 ルメール  55  0.53.7 31.3  2 446 (栗)安田翔伍
2 7 13  テイエムスパーダ   牝 6 斎藤新    56  0.53.8 32.1  1 502 (栗)小椋研介
3 5 10  ウイングレイテスト 牡 8 松岡正海  58  0.53.9 31.7 10 500 (美)畠山吉宏
4 8 16  カルロヴェローチェ セ 5 丸山元気  57  0.54.0 32.2  4 500 (栗)須貝尚介
5 8 17 $デュガ             セ 6 江田照男  57  0.54.0 31.8 11 492 (栗)森秀行
6 8 18  モズメイメイ       牝 5 高杉吏麒  56  0.54.0 32.0  3 472 (栗)前川恭子
7 4  7 $ショウナンハクラク 牡 6 三浦皇成  57  0.54.2 31.4 14 478 (栗)松下武士
8 6 12  ファロロジー       牝 6 吉田豊    55  0.54.3 31.8 18 472 (美)中舘英二
9 7 15  ブーケファロス     牡 5 菅原明良  57  0.54.3 31.5  6 448 (美)清水英克
10 1  2  ニシノコニャック   牡 6 菊沢一樹  57  0.54.5 31.9 12 450 (美)伊藤大士
11 3  5  クムシラコ         牡 7 杉原誠人  57  0.54.5 31.8  9 470 (美)千葉直人
12 2  3  カフジテトラゴン   牝 6 戸崎圭太  55  0.54.6 32.6  7 464 (栗)武英智
13 1  1  スコーピオン       牡 4 武藤雅    57  0.54.8 31.8 15 478 (美)武藤善則
14 2  4  シロン             牝 6 国分恭介  55  0.54.9 33.1 16 524 (栗)小栗実
15 6 11  エランティス       牝 5 加藤祥太  55  0.55.0 33.2 13 494 (栗)杉山晴紀
16 4  8  コラソンビート     牝 4 津村明秀  55  0.55.1 32.8  5 454 (美)加藤士津
17 5  9  ニシノトキメキ     牝 5 今村聖奈  55  0.55.3 33.1  8 490 (美)小手川準
18 7 14  キタノブレイド     牡 6 小林脩斗  57  0.56.1 33.1 17 472 (美)萱野浩二
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LAP :11.7-10.0-10.3-10.6-11.1
通過:32.0-42.6-53.7  上り:53.7-42.0-32.0  平均:1F:10.74 / 3F:32.22
単勝   6 \460 
複勝   6 \200 / 13 \150 / 10 \440 
枠連   3-7 \780 (3) 
馬連   06-13 \1200 (2) 
ワイド 06-13 \520 (2)/ 06-10 \1670 (22)/ 10-13 \1310 (16) 
馬単   06-13 \2330 (5) 
3連複 06-10-13 \7110 (19/816) 
3連単 06-13-10 \25830 (56/4896) 

ピューロマジックはスタートした後に行かせずに11番手に控え、ラスト300mから追い出すとメンバー最速の31.3秒で上がってレースを制した。勝ちタイム53秒7はカルストンライトオのレコードと同タイム。テイエムスパーダが逃げて前半3F32.0秒。上がりは32.0秒。ラップは11.7−10.0−10.3−10.6−11.1秒。高速馬場で速い流れになり、スピードと地力の問われるレースになった。

ピューロマジックは逃げるレースを封印し、11番手から差し切って重賞3勝目を挙げた。上がり31.3秒はJRA史上最速。ルメール騎手が外に行かずに内から捌いて上手く乗っている。前走アルクオーツスプリント(直線芝1200m)で最後方から切れる脚を使って5着。安田翔調教師がルメール騎手に差すレースを指示したようだ。コーナーがある芝1200mでどんな脚を使うか。スプリンターズSが楽しみになった。

テイエムスパーダは7枠13番から押してハナを切って前半3F32.0秒で進み、メンバー11位の32.1秒で上がってクビ差の2着。中盤から斎藤新騎手が追い通しだったが、最後までしぶとく粘り込んだ。昨年より1キロ軽い56キロでひとつ着順を上げた。ラスト1F手前で外に寄れてデュガが不利を受けたが、戒告などの処分はなかった。CBC賞(小倉)を1分5秒8のレコードで制した馬。あらためてスピードを見せた。

ウイングレイテストは7番手からメンバー4位の31.7秒で上がって0.2秒差の3着。中盤で内に斜行してエランティスに接触したため、松岡騎手は戒告を受けている。昨年のアイビスSDは59キロを背負って0.1秒差の2着。今年は1キロ軽い58キロだったが、8歳馬が53秒台で走ったのだから大したもの。調教の動きを見ると仕上がりは8分程度だったのではないか。

カルロヴェローチェは8枠16番から2番手につけ、メンバー12位の32.2秒で上がって0.3秒差の4着。スタートして押して外ラチ沿いを走り、中盤はテイエムスパーダより手応えが良かったが、最後に伸び切れなかった。初の直線1000mで54秒0で走っており内容は悪くない。一時期大不振に陥った馬が復調してきている。

デュガは8枠17番から7番手につけ、メンバー5位タイの31.8秒で上がって0.3秒差の5着。ラスト1F手前でテイエムスパーダが外に寄れて不利を受けた。手応えが良かっただけに上手く捌ければ馬券圏内があったかもしれない。8枠に入った3頭が4、5、6着。外枠が有利なこともあるが、直線芝1000mの適性を示した。

ブーケファロスはスタートで内に寄れて道中15番手を進み、メンバー3位の31.5秒で上がって0.6秒差の9着。ラスト1Fから追い出して伸びかけたが、前が壁になって最後まで追えなかった。24年の駿風Sでは最後に強烈な末脚を繰り出して差し切っている。菅原明騎手がスタートで寄れて位置取りが悪くなったことも堪えた。



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