武蔵野S
2025/11/15 東京競馬場 ダ1600m

レース展望

チャンピオンズCの前哨戦。過去10年で1番人気は[2−1−1−6]で3連対。単勝1倍台は[1−1−1−0]、2倍台は[1−0−0−4]、3倍以上は[0−0−0−2]。2番人気は[3−2−1−4]で5連対、3番人気は[2−0−0−8]で3連対。6〜9番人気が7連対、10番人気以下が1連対。過去4年は人気馬が堅実で馬連は17倍、6倍、27倍、16倍。荒れても中穴までに収まっている。

連対馬9頭が前走連対、17頭が前走5着以内。前走6着以下から連対した3頭は前走シリウスSで6、9着、南部杯6着、武蔵野Sで8、7、2番人気だった。前走10着以下は[0−0−0−22]で3着以内がない。関東馬[1−1−1−42]、関西馬[9−9−9−85]。8年で関西馬がワンツーを決めている。ダート重賞は他のレースでも関西馬が強い。近年の傾向から穴で差し追い込みタイプの関西牡馬に注意。

コスタノヴァは東京ダート[6−0−0−0]で根岸S、フェブラリーSを連勝。フェブラリーSは出遅れた後に5番手に押し上げ、3位タイの35.6秒で抜け出して1分35秒5で優勝。社台が根岸Sを勝った横山武騎手でG1は危険とみたのか、テン乗りのキング騎手が騎乗していた。その後はかしわ記念3着、さきたま杯11着に終わったが、元々地方の重いダートは走らない。手の内に入れているルメール騎手が騎乗する。秋華賞から重賞では[4−1−0−0]で絶好調。今年の重賞で吉田勝己氏は[6−4−1−21]、1番人気では[2−3−0−0]、2番人気では[3−1−0−1]。初の59キロとスタートがカギになる。

オメガギネスは重賞[0−3−0−5]で昨年のフェブラリーS(1番人気)は2、3秒差の14着に終わった。アンタレスS前に大和田厩舎から安田翔厩舎に転厩し、アンタレスSは0.9秒差の6着、東海Sは1.0秒差の4着。前走グリーンチャンネルCは60キロを背負って4番人気だったが、8番手の内から最速の35.4秒で抜け出して1分35秒5で4馬身差で圧勝。これまでOP特別では[3−0−1−0]でグリーンチャンネルCは3馬身半差、4馬身差(60キロ)、三宮Sは7馬身差(59キロ)で圧勝。OP特別では強いレースをしているが、重賞になると勝ち切れない。今回は57キロ。3戦連続で岩田康騎手が騎乗する。

JDクラシック3着馬ルクソールカフェ、東海S3着馬ビダーヤ、昨年のフェブラリーS勝ち馬ペプチドナイル、根岸S2着馬ロードフォンス、テレ玉杯オーバルS勝ち馬サンライズフレイム、オアシスS勝ち馬バトルクライ、UAEダービー勝ち馬アドマイヤデイトナ、グリーンチャンネルC2着馬マテンロウコマンド、ポプラS(3勝C)を圧勝したラタフォレストなど伏兵は数多い。ルクソールカフェは未勝利、黒竹賞、ヒヤシンスS、伏竜Sを4連勝。ケンタッキーダービーは12着、JDクラシックは2.4秒差の3着に終わった。堀厩舎のアメリカンファラオ産駒でカフェファラオの全弟。東京ダ1600mは2戦2勝。レーン騎手が騎乗する。

ビダーヤはダ1400m[4−0−1−0]で4連勝で欅Sを優勝。前走東海Sは8番手から4位タイの35.8秒で上がって0.9秒差の3着。これまでより速い流れで切れる脚を使えなかった。フェブラリーSを目指して距離延長。坂井騎手からテン乗りの川田騎手に乗り替わる。ペプチドナイルは国内ダ1600m[1−1−2−1]。7歳になった今年はフェブラリーS4着、南部杯3着。過去10年で7歳馬は[1−0−2−19]。ロードフォンスは東京ダート[3−2−1−2]で根岸Sで0.7秒差の2着。ダートで横山和騎手では[3−1−0−2]。今年の重賞で横山和騎手は[1−2−2−28]、4番人気以下では[0−0−1−25]。


調教診断

★オメガギネス
栗Pで軽く仕掛けられた。大外を回ってスピード感のある走りでラスト11.4秒。1週前に栗坂で50.1秒の好タイムをマーク。馬体のバランスが良くなり、さらに良化。

★ルクソールカフェ
南Wで2頭併せで馬なりのまま併入。軽快なフットワークでラスト11.6秒。1週前に南Wで3頭併せで軽く仕掛けてラスト11.2秒で先着。乗り込んで仕上げられた。

★ウェットシーズン
南Wで2頭併せで馬なりのまま併入。行きっぷりが良く余力十分にラスト11.8秒。1週前に南Wで3頭併せで強めに追ってラスト11.3秒で併入。叩いてデキは上向き。

★ロードフォンス
栗CWで3頭併せで馬なりのまま少し遅れたが余力を残したもの。落ち着きがありしなやかなフットワークで動いている。1週前に栗坂で追って好タイムをマーク。順調。

★マテンロウコマンド
栗坂で強めに追われた。3歳馬らしく活気があり、首を使ってしっかりとした脚捌きでラスト12.2秒。1週前に栗坂で2頭併せで追って先着。一連のデキをキープ。

次点(上位5頭に入らなかった馬)
☆コスタノヴァ
☆ビダーヤ

ラタフォレストは調教VTRなし。


レース回顧

2025年11月15日(土) 5回東京3日  天候: 晴   馬場状態: 良 
11R  第30回武蔵野S
3歳以上・オープン・G3(別定) (国際)(指定)  ダート 1600m   16頭立
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着枠 馬  馬名               性齢 騎手     斤量 タイム  3F  人体重     廐舎
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1 8 16 $ルクソールカフェ   牡 3 レーン    56  1.35.2 34.9  3 544 (美)堀宣行
2 2  4  コスタノヴァ       牡 5 ルメール  59  1.35.8 34.8  1 492 (美)木村哲也
3 1  1  ビダーヤ           牡 4 川田将雅  57  1.35.8 35.0  4 492 (栗)矢作芳人
4 8 15  サンライズフレイム 牡 5 菱田裕二  57  1.35.8 35.3  7 520 (栗)石坂公一
5 2  3  ロードフォンス     牡 5 横山和生  57  1.35.8 35.3  8 496 (栗)安田翔伍
6 1  2  ヴァルツァーシャル 牡 6 菅原明良  57  1.36.0 34.9 16 506 (美)高木登
7 6 11  オメガギネス       牡 5 岩田康誠  57  1.36.1 35.3  2 494 (栗)安田翔伍
8 6 12  ラタフォレスト     牡 4 マーカン  57  1.36.1 35.5 11 508 (美)加藤征弘
9 7 14  ペプチドナイル     牡 7 藤岡佑介  58  1.36.2 36.2  5 530 (栗)武英智
10 5  9  マテンロウコマンド 牡 3 松山弘平  57  1.36.3 36.0  9 520 (栗)長谷川浩
11 5 10  ダノンスコーピオン 牡 6 小崎綾也  58  1.36.4 36.1 14 458 (栗)福永祐一
12 7 13 $ウェットシーズン   セ 4 三浦皇成  57  1.36.4 36.5  6 518 (美)田中博康
13 3  6  アサカラキング     牡 5 津村明秀  57  1.36.5 36.8 12 530 (美)斎藤誠
14 4  7  アドマイヤデイトナ 牡 3 横山武史  57  1.36.6 36.1 13 514 (美)加藤征弘
15 3  5  バトルクライ       牡 6 戸崎圭太  57  1.37.0 36.2 10 504 (美)高木登
16 4  8  サンライズホーク   セ 6 佐々木大  57  1.37.2 36.0 15 514 (栗)牧浦充徳
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LAP :12.4-11.1-11.8-12.2-12.2-11.9-11.8-11.8
通過:35.3-47.5-59.7-71.6  上り:71.7-59.9-47.7-35.5  平均:1F:11.90 / 3F:35.70
単勝   16 \450 
複勝   16 \160 / 4 \140 / 1 \290 
枠連   2-8 \640 (1) 
馬連   04-16 \830 (2) 
ワイド 04-16 \370 (2)/ 01-16 \1180 (16)/ 01-04 \700 (6) 
馬単   16-04 \1620 (5) 
3連複 01-04-16 \3290 (7/560) 
3連単 16-04-01 \13220 (23/3360) 

ルクソールカフェは大外16番枠スタートから4番手につけ、メンバー2位タイの34.9秒で抜け出して3馬身半差で圧勝。勝ちタイムは1分35秒2。アサカラキングが逃げて前半3F35.4秒、5F59.7秒。上がりは35.5秒、ラップは11.9−11.8−11.8秒で尻上がり&持続ラップ。2、3着は追い込み馬、4〜8着は差し追い込み馬だった。勝ったルクソールカフェは大外を回って手応え良く追走し、ラスト300mから追い出すと一気に抜け出して後続を引き離した。

G3では能力が違うといったレースぶりで重賞初制覇を飾った。これで東京ダ1600mでは3戦3勝。フェブラリーSを2勝したカフェファラオの全弟が本格化してきた。未勝利戦を勝ったときに次走の狙い馬で取り上げ、次の黒竹賞を勝ったときに相馬眼ニュースで取り上げた馬。来年のフェブラリーSが楽しみになる勝ちっぷりだった。ダ1800mは2戦2勝でどちらも5馬身差で圧勝。次走はチャンピオンズCに使ってくるか。

コスタノヴァは出遅れて離れた最後方から内を通って14番手に押し上げ、メンバー最速の34.8秒で上がって0.6秒差の2着。東京ダートでは6戦6勝だったが、59キロを背負い、大きく出遅れては厳しかった。前走さきたま杯ではゲートで膠着し、今回も出遅れが懸念されていた。東京ダートで初めて負けたが、59キロを背負って大きく出遅れて2着なら悪くない。ただし今後もスタートがカギになる。

ビダーヤは1枠1番から内ラチ沿いの11番手につけ、メンバー4位の35.0秒で上がって0.6秒差の3着。2着とはハナ差。直線で少し外に出して狭いところを捌きなら伸びてきた。ダートでは全て1400mで[4−0−1−0]。今回は距離1F延びたが、最後までしぶとく伸びて距離をこなすことを示した。シャケトラの半弟で絶対能力が高い。馬が走りに前向きで相手なりに堅実に走るタイプ。

オメガギネスは出遅れて11番手を進み、メンバー5位タイの35.3秒で上がって0.9秒差の6着。出遅れて位置取りが悪くなり、道中キックバックを被り、直線では他馬と接触してバランスを崩して競り負けた。OP特別では[3−0−1−0]だが、重賞では[0−3−0−6]。前走グリーンチャンネルCは60キロを背負って1分35秒5で4馬身差で圧勝したが、重賞でメンバーが強くなるとパフォーマンスを落とすレースが続いている。10月11日の重賞で岩田康騎手は[0−0−0−9]で冴えない騎乗が続いている。



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