福島記念
2025/11/22 福島競馬場 芝2000m

レース展望

過去10年で1番人気は[1−3−3−3]で4連対。1〜3枠は[0−0−2−2]で連対がないが、4〜7枠は[1−3−1−0]で3着以内を確保。2番人気は[4−0−1−5]で5連対、3番人気は[1−3−2−4]で4連対。6〜9番人気が5連対、10番人気以下が2連対。過去4年は必ず6番人気以下が連対し、馬連は44倍、102倍、63倍、73倍で荒れている。人気薄を絡めて中穴以上を狙うのが妙味。

トップハンデは[2−1−1−8]で1、7、10番人気が連対。昨年は後方から捲った7番人気のアラタが優勝。57キロは[1−0−0−3]、57.5キロは[1−1−0−3]、58キロ以上は[0−0−1−2]。58キロ以上は割り引き。6番人気以下で連対した7頭の脚質は逃げ2先行0、差し2追込3。連対した7頭のうち5頭は4コーナーで6番手以内。逃げ馬と小回りに向きの決め手がある差し追い込み馬を絡めたい。

エコロヴァルツはG2以下では[3−1−1−2]で右回りでは[3−1−1−0]で3着以内を確保。今年は中山記念でハナ差の2着、大阪杯で0.3秒差の4着、安田記念で0.5秒差の7着、中京記念は0.2秒差の4着に入った。前走天皇賞(秋)は先行して伸び切れず0.6秒差の11着。勝ち切れないが強いメンバーを相手に堅実に走っている。右回りの芝2000mは皐月賞7着、大阪杯4着。今回はG3でメンバーが楽になるが、トップハンデ58.5キロを背負う。プーシャン騎手は[5−6−5−28]。重賞初制覇なるか。

クリスマスパレードは芝2000m[2−0−0−3]で5着以内を確保。昨年の紫苑Sを1分56秒6のレコードで勝ち、秋華賞は0.5秒差の5着、中山金杯は0.4秒差の4着。ヴィクトリアマイルは0.4秒差の9着、クイーンSは1.0秒差の9着に終わったが、出遅れて追い込むレースになったことが堪えている。休養して立て直し、得意の芝2000mに使ってきた。テン乗りの戸崎騎手がわざわざ福島に遠征して騎乗するのが匂う。過去10年で牝馬は[1−2−1−28]で過去3年は3、3、6番人気が連対している。

新潟大賞典勝ち馬シリウスコルト、昨年の福島記念勝ち馬アラタ、3連勝でOP入りしたニシノティアモ、小倉記念勝ち馬イングランドアイズ、昨年のクイーンS勝ち馬コガネノソラ、昨年の小倉記念勝ち馬リフレーミングなど。シリウスコルトは福島民報杯を先行抜け出しで1分59秒8で勝ち、新潟大賞典を逃げて2分00秒5(稍重)で優勝。福島ではラジオNIKKEI賞で2着がある。七夕賞で8着に終わったときと同じトップハンデ58.5キロを背負う。古川吉騎手では[2−1−0−2]。福島巧者がトップハンデを克服するか。

アラタは福島芝2000m重賞[1−0−2−1]。昨年の福島記念は後方から捲って2分00秒7で優勝。前走札幌記念は後方から追い込んで0.3秒差の3着。昨年より1キロ重い58.5キロがどう出るか。ニシノティアモは芝1800mの1、2、3勝Cを3連勝。芝2000mではミモザ賞で2着がある。ニシノレヴナントの半妹。ハンデは54キロ。勢いで突破するか。イングランドアイズは芝2000m[4−2−1−6]で小倉記念を51キロ勝ち、チャレンジCで0.3秒差の5着。重賞勝ち馬がハンデ54キロは少し恵まれたか。


調教診断

★クリスマスパレード
美坂で2頭併せで馬なりのまま先着。気合乗りが良く、最後まで余力十分。1週前に南Wで2頭併せで一杯に追ってラスト11.7秒で先着。久々も乗り込んで上々の仕上がり。

★ニシノティアモ
南Wで2頭併せで馬なりのまま併入。軽快なフットワークで走りに余裕がある。1週前に南Wで3頭併せで遅れたがラスト11.2秒で動いている。元気一杯でデキは安定。

★シリウスコルト
南Wで2頭併せで馬なりのまま先着。全体時計は遅いが行きっぷりが良く、重心の低いフットワークでラスト11.4秒。前走惨敗したが、ひと叩きして動き、気配が良くなった。

★リフレーミング
栗CWで軽く仕掛けられた。全体時計は遅いが、キビキビとしたフットワークでラスト11.3秒。近走惨敗が続いているが、入念に乗り込んで動き、気配は若干上向き。

★ダンディズム
栗坂で馬なり調教。重心が低く大きなストライドでラスト12.1秒。1週前に栗CWで3頭併せで馬なりのままラスト11.3秒で先着。9歳馬でも馬は元気でデキはある。

クリノメイは調教VTRなし。


レース回顧

2025年11月22日(土) 3回福島5日  天候: 晴   馬場状態: 良 
11R  第61回福島記念
3歳以上・オープン・G3(ハンデ) (国際)(特指)  芝 2000m   16頭立
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着枠 馬  馬名               性齢 騎手     斤量 タイム  3F  人体重     廐舎
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1 5 10  ニシノティアモ     牝 4 津村明秀  54  1.59.9 34.0  2 444 (美)上原佑紀
2 4  8  エコロヴァルツ     牡 4 プーシャ 58.5 2.00.1 33.8  1 496 (栗)牧浦充徳
3 4  7  パレハ             牝 4 鮫島克駿  54  2.00.2 33.6  7 440 (栗)新谷功一
4 7 13  アラタ             牡 8 横山典弘 58.5 2.00.4 34.3  9 484 (美)和田勇介
5 3  5  シリウスコルト     牡 4 古川吉洋 58.5 2.00.4 33.9  5 504 (美)田中勝春
6 1  1  クリスマスパレード 牝 4 戸崎圭太  56  2.00.4 34.3  3 460 (美)加藤士津
7 8 16  リカンカブール     セ 6 吉田隼人  57  2.00.5 34.3 11 482 (栗)田中克典
8 6 11  リフレーミング     牡 7 石川裕紀  57  2.00.5 33.6 13 470 (栗)藤野健太
9 2  3  クリノメイ         牝 3 酒井学    53  2.00.7 34.3  6 450 (栗)須貝尚介
10 8 15  ダンディズム       セ 9 富田暁    56  2.00.7 34.5 14 474 (栗)野中賢二
11 3  6  コガネノソラ       牝 4 丹内祐次  56  2.00.7 34.1  8 472 (美)菊沢隆徳
12 6 12  バビット           牡 8 三浦皇成  57  2.00.7 35.0 12 462 (栗)浜田多実
13 1  2  タイムトゥヘヴン   牡 7 柴田善臣  56  2.00.9 33.7 10 484 (美)戸田博文
14 7 14  キタウイング       牝 5 嶋田純次  50  2.01.1 34.2 16 450 (美)小島茂之
15 2  4 $イングランドアイズ 牝 5 松若風馬  54  2.01.1 34.1  4 440 (栗)安田翔伍
16 5  9  アンリーロード     牝 5 佐々木大  52  2.01.1 34.6 15 476 (栗)茶木太樹
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LAP :12.5-11.7-11.9-12.1-12.9-12.5-12.1-11.9-11.3-11.0
通過:36.1-48.2-61.1-73.6  上り:71.7-58.8-46.3-34.2  平均:1F:11.99 / 3F:35.97
単勝   10 \390 
複勝   10 \160 / 8 \160 / 7 \330 
枠連   4-5 \710 (1) 
馬連   08-10 \840 (1) 
ワイド 08-10 \410 (1)/ 07-10 \950 (8)/ 07-08 \1060 (11) 
馬単   10-08 \1850 (2) 
3連複 07-08-10 \3840 (6/560) 
3連単 10-08-07 \14530 (16/3360) 

ニシノティアモはスタートから2番手につけ、メンバー6位の34.0秒で抜け出してレースを制した。勝ちタイムは1分59秒9。バビットが逃げて前半5F61.1秒。後半5F58.8秒、上がり34.2秒、ラップは11.9−11.3−11.0秒で尻上がり。流れが緩んで前に行った馬が有利になったが、2、3着に33秒台の上がりを繰り出した差し追い込み馬が突っ込んだ。ニシノティアモは2番手から抜け出す正攻法のレースで重賞初制覇。全く危なげのないレースぶりだった。これで1勝クラスから4連勝で着実にパフォーマンスを引き上げている。上原佑厩舎のドゥラメンテ産駒で半兄にニシノレヴナントがいる。小回りコースも直線の長いコースもこなす万能タイプ。今後はG1に向けてキャリアを積んで行くことになりそうだ。

エコロヴァルツは8番手から外を回ってメンバー4位の33.8秒で上がって0.2秒差の2着。1番人気がトップハンデ58.5キロを背負って2着を確保した。前半は4番手につけたが、徐々に位置取りが悪くなり、4コーナーで外を回るロスがあったが、最後は地力で伸びてきた。中山記念で2着、大阪杯で4着に入ったのはダテではなく地力がある。これで右回り&小回りの芝1800〜2000mでは[3−2−0−2]、G2以下では[3−2−0−0]。今年は勝ち切れないが、この条件では安定して走っている。

パレハは道中12番手を進み、勝負どころで7番手に押し上げるとメンバー最速タイの33.6秒で上がって0.3秒差の3着。夏に函館芝1800mの2、3勝クラスを連勝し、クイーンSで0.3秒差の5着に入った馬が7番人気で激走した。クイーンS2着のココナッツブラウンは次走札幌記念2着、3着フェアエールングはオールカマー2着、4着ライラックはエリザベス女王杯3着に入っていた。小回りコースをこなす器用な脚があり、かつ末脚がしっかりとしたタイプ。夏から一戦ごとに着実にパフォーマンスを引き上げている。

クリスマスパレードは1枠1番から内ラチ沿いの3番手につけ、メンバー10位タイの34.3秒で上がって0.5秒差の6着。全面野芝で超高速馬場の紫苑Sを2番手からメンバー6位タイの33.9秒(レースのラスト3F11.6−11.4−11.0秒)で上がって勝ったが、今回は速い上がりを繰り出せず切れ負けした。これまで3位以内の上がりを繰り出したのが稍重の水仙賞(2位35.8秒)しかない。ある程度の流れで地力勝負に持ち込むしかないか。



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