ジャパンC
2025/11/30 東京競馬場 芝2400m

レース展望

過去10年で1番人気は[6−1−2−1]で7連対。単勝1倍台は[3−0−0−0]、2倍台は[2−0−2−0]、3倍台は[1−1−0−0]、4倍台は[0−0−0−1]。単勝1倍台なら頭で狙える。2番人気は[0−3−3−4]、3番人気は[2−1−1−6]で各3連対。連対馬18頭が5番人気以内、残る3頭は7、7、8番人気。過去5年の馬連は3倍、5倍、9倍、1.8倍、11倍/15倍で堅く収まっている。

関東馬[3−4−1−40]、関西馬[7−7−8−65]、外国馬[0−0−0−25]。5番人気以内の関西馬が12連対。関東馬は5番人気以内[3−3−1−12]、6番人気以下[0−1−0−28]。外国馬は3着以内がない。連対馬14頭にG1勝ち、3頭にG1で2着があった。さらに11頭にダービーまたはオークスで連対があった。G1実績のない馬は通用しにくい。東京芝2400mのG1で実績がある馬に注目。

マスカレードボールは[4−1−1−1]で皐月賞は1コーナー手前で狭いところに突っ込んでごちゃついて後方に下がる下手な騎乗で3着、ダービーは不利な17番枠から外を回ってクロワディノールに0.1秒差の2着。前走天皇賞(秋)は9番手から徐々に押し上げ、3位タイの32.3秒で差し切り1分58秒6で優勝。前半5F62.0秒、後半5F56.6秒、上がり32.9秒、ラップは10.9−10.9−11.1秒。ルメール騎手で1番人気に支持されG1初制覇。東京の上がり勝負で勝ったことで死角がひとつ少なくなった。

左回りは[4−1−0−0]、東京は[3−1−0−0]。1986年以降のジャパンCで前走天皇賞(秋)勝ち馬は[6−4−7−7]で3歳馬はバブルガムフェロー13着(2人気)、シンボリクリスエス3着(1人気)。過去10年で前走天皇賞(秋)勝ち馬は[3−0−2−0]。社台RHが勝てば初のジャパンC制覇となる。今年のG1でルメール騎手は[4−1−2−7]、1番人気では[3−1−0−1]。過去10年でルメール騎手は1番人気では[3−0−0−0]でアーモンドアイ(2勝)、イクイノックスで勝っている。

クロワデュノールは国内[4−1−0−0]でダービーを4番手から4位タイの34.2秒で抜け出して2分23秒7で優勝。社台の断然人気馬が終始スムーズに進めることができた。仏遠征はプランスドランジュ賞を勝ったが、凱旋門賞は14着に終わった。1986年以降のジャパンCで前走凱旋門賞出走の日本馬は[1−3−1−3]でディープインパクトが勝っている。マスカレードボールにはホープフルS、皐月賞、ダービーで先着。東京では[3−0−0−0]。北村友騎手は東京芝2400mのG1では[1−0−1−4]。

ダノンデサイルは昨年のダービーを2分24秒3で2馬身差で圧勝。前半5Fは62.2秒、後半5Fは56.8秒でラップは全て11秒台。菊花賞は下手に乗って6着、有馬記念は初めて逃げて3着。戸崎騎手に乗り替わってAJCC、ドバイSCを2連勝。ドバイSCでは2着カランダガンに0.2秒差をつけた。インターナショナルSは61キロを背負って5着。芝2200〜2500mでは[3−0−1−0]で3着以内を確保。今の上がりが速い東京がカギになる。東京芝2400mのG1で戸崎騎手は[0−7−0−27]。

カランダガンはG1のサンクルー大賞、キングジョージ6世クイーンエリザベスS、英チャンピオンSを3連勝。ドバイSCでは後方から伸びてダノンデザイルに0.2秒差の2着。450キロ台の小柄な馬だが勝負根性がある。芝2200〜2410mは[4−2−0−0]、G1は[3−4−0−0]。セン馬で凱旋門賞に出走できないため、ジャパンCに出走してきた。ドバイSCの走破タイムは2分27秒2。踏み固められて上がりが速い、今の東京の馬場に対応できるかかがカギ。過去10年で外国馬は[0−0−0−25]で5着が最高。

23年のダービー馬タスティエーラ、目黒記念勝ち馬アドマイヤテラ、宝塚記念&天皇賞(秋)3着馬ジャスティンパレス、昨年2着同着のシンエンペラー、ドゥレッツァ、阪神大賞典勝ち馬サンライズアース、23年のエリザベス女王杯勝ち馬ブレイディヴェーグ、京都大賞典勝ち馬ディープモンスター、京都記念勝ち馬ヨーホーレイク、昨年の日経賞&目黒記念勝ち馬シュトルーヴェ、昨年の天皇賞(秋)3着馬ホウオウビスケッツ、AJCC3着馬コスモキュランダなど伏兵は多士済々。週末は雨は降らない予報。良馬場でのレースになりそうだ。

タスティエーラは上がり勝負になった23年のダービーを4番手から抜け出して2分25秒2で優勝。前走天皇賞(秋)は早めに動いて0.4秒差の8着。レーン騎手では[2−0−1−1]。ジャスティンパレスは23年の天皇賞(春)勝ち馬。前2走は宝塚記念3着、天皇賞(秋)3着。Cデムーロ騎手がどう乗るか。ドゥレッツァは23年の菊花賞馬。昨年のジャパンCはシンエンペラーと2着同着。ドバイSCは0.4秒差の3着。日本に慣れてきたプーシャン騎手が騎乗する。ブレイディヴェーグは23年のエリザベス女王杯勝ち馬。前走天皇賞(秋)10着は直線で前が壁。メンバー唯一の牝馬。マーカンド騎手がガツンと追ってラストランVを飾るか。


調教診断

★ダノンデサイル
栗CWで2頭併せで馬なりのまま先着。雄大な馬体が目立ち、ラスト11.3秒。1週前に栗CWで3頭併せで強めに追ってラスト11.8秒で併入。英遠征明けも乗り込んで仕上げられた。

★タスティエーラ
南Wで2頭併せで馬なりのまま相手を突き放した。活気があり余力十分にラスト11.4秒。1週前に南Wで2頭併せで馬なりのままラスト11.5秒で先着。ひと叩きしてデキは上向き。

★マスカレードボール
美坂で2頭併せで馬なりのまま先着。力みがなく軽快な脚捌きで余力十分。1週前に南Wで3頭併せで軽く仕掛けてラスト11.3秒で併入。一度使って走りに余裕がある。デキは安定。

★クロワデュノール
栗CWで3頭併せで軽く仕掛けて先着。スムーズな走りでラスト11.1秒。1週前に栗CWで3頭併せで強めに追われて遅れたがラスト11.1秒。仏遠征明けも乗り込んで上々の仕上がり。

★ブレイディヴェーグ
南Wで馬なり調教。落ち着きがあり軽快なフットワークでラスト11.4秒。1週前に南Wで2頭併せで馬なりのままラスト11.4秒で先着。前走走っていないため馬は元気でデキはある。

次点(上位5頭に入らなかった馬)
☆コスモキュランダ
☆カランダガン


レース回顧

2025年11月30日(日) 5回東京8日  天候: 晴   馬場状態: 良 
12R  第45回ジャパンカップ
3歳以上・オープン・G1(定量) (国際)(指定)  芝 2400m   18頭立
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着枠 馬  馬名               性齢 騎手     斤量 タイム  3F  人体重     廐舎
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1 4  8 $カランダガン       セ 4 バルザロ  58  2.20.3 33.2  4 456 [外]グラファ
2 7 15  マスカレードボール 牡 3 ルメール  56  2.20.3 33.4  1 470 (美)手塚貴久
3 7 14  ダノンデサイル     牡 4 戸崎圭太  58  2.20.8 33.8  3 508 (栗)安田翔伍
4 1  2  クロワデュノール   牡 3 北村友一  56  2.20.9 34.4  2 512 (栗)斉藤崇史
5 1  1  ジャスティンパレス 牡 6 C.デム  58  2.20.9 33.5  5 470 (栗)杉山晴紀
6 7 13  ブレイディヴェーグ 牝 5 マーカン  56  2.21.0 33.4  9 474 (美)宮田敬介
7 8 18  タスティエーラ     牡 5 レーン    58  2.21.1 34.4  6 502 (美)堀宣行
8 8 16 $シンエンペラー     牡 4 坂井瑠星  58  2.21.4 34.7  7 498 (栗)矢作芳人
9 2  3  コスモキュランダ   牡 4 丹内祐次  58  2.21.9 35.6 16 522 (美)加藤士津
10 5 10  シュトルーヴェ     セ 6 菅原明良  58  2.22.2 34.9 17 478 (美)堀宣行
11 2  4  ディープモンスター 牡 7 松山弘平  58  2.22.3 35.6 11 470 (栗)池江泰寿
12 5  9  セイウンハーデス   牡 6 津村明秀  58  2.22.6 36.9 13 472 (栗)橋口慎介
13 4  7  ダノンベルーガ     牡 6 佐々木大  58  2.22.6 35.5 15 498 (美)堀宣行
14 6 12  ヨーホーレイク     牡 7 岩田望来  58  2.22.7 35.4 12 522 (栗)友道康夫
15 3  5  サンライズアース   牡 4 池添謙一  58  2.23.0 36.7  8 530 (栗)石坂公一
16 3  6  ホウオウビスケッツ 牡 5 岩田康誠  58  2.23.8 37.7 14 502 (美)奥村武
消 8 17  ドゥレッツァ       牡 5 プーシャ  58  ------ ---- -- --- (美)尾関知人
止 6 11  アドマイヤテラ     牡 4 川田将雅  58  ------ ---- 10 494 (栗)友道康夫
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LAP :12.3-10.8-11.4-11.5-11.6-11.6-12.0-12.2-12.3-11.8-11.5-11.3
通過:34.5-46.0-57.6-69.2  上り:71.1-59.1-46.9-34.6  平均:1F:11.69 / 3F:35.07
単勝   8 \620 
複勝   8 \210 / 15 \120 / 14 \180 
枠連   4-7 \740 (4) 
馬連   08-15 \1180 (3) 
ワイド 08-15 \520 (4)/ 08-14 \740 (9)/ 14-15 \320 (2) 
馬単   08-15 \2370 (8) 
3連複 08-14-15 \1930 (3/680) 
3連単 08-15-14 \11070 (25/4080) 

カランダガンは道中11番手を進み、直線で外からメンバー最速の33.2秒で差し切ってレースを制した。勝ちタイム2分20秒3は18年にアーモンドアイが記録したレコードを0.3秒上回る世界レコード。セイウンハーデスが大逃げして前半5F57.4秒のハイペース。後半5F59.1秒、上がり34.6秒、ラップは11.8−11.5−11.3秒で尻上がり。2番手は10馬身程度離れており、実質は平均ペース。最終週で馬場は荒れていたが、踏み固められた硬い馬場で時計、上がりが出やすい状態だった。2番手以降もある程度流れたのにも関わらず上がりが速く、尻上がりラップになったようにレースレベルが高い。今年日本で行われたレースで最高レベルのレースになった。

カランダガンは1コーナー手前で少しごちゃついたが、その後はマスカレードボールの直後を進み、直線で大外から強烈な末脚でマスカレードボールとの叩き合いを頭差で制した。道中マスカレードボールが外からダノンデザイルをマークし、3コーナー手前からはカランダカンが外からマークし、勝負どころで内に押し込んでいた。それによってダノンデザイルは直線で前が詰まり加減で外に出しながら追わざるをえなかった。予想コメントに書いたように450キロ台の小柄な馬でも勝負根性があり、スジ力が強く、末脚にかなりの威力がある。相馬眼的に日本の馬場に対応できるという見立ては合っていた。

ジャパンCは東京芝2400mのG1で連対がある馬が活躍する傾向があるが、今年は連対馬が2番枠(内が荒れた馬場)、14〜18番枠(外枠不利)に配置。カランダガンは8番枠。JRAは唯一参戦してくれた欧州年度代表馬のカランダガンに忖度したのではないか。枠順を見た瞬間にピンときた。カランダガンはG1を3連勝したが、セン馬のため凱旋門賞に出走できず早い時期からジャパンCに照準を合わせ、休み明けを叩いて臨んできた。日本での調教は軽かったが、日本の馬場に合う軽い走りをしていた。歴史にも記憶にも残るインパクトのあるレース。カランダガンがレコードで勝ったことで来年は外国馬の参戦が増えそうだ。

小柄でこれほどスジ力が強い馬は、日本ではディープインパクトは別格としてスルーセブンシーズが挙げられる。スルーセブンシーズは宝塚記念でイクイノックスにクビ差の2着に負けたが、直線でごちゃついて内に切り替えるロスがあった。スムーズならイクイノックスと際どいレースになっていた。凱旋門賞では0.4秒差の4着に負けたが、直線で外に出せず、馬群を縫うようにして追い込んできた。直線で外に出して末脚全開なら際どいレースになったのではないか。今年の日本の3歳牡馬にスジ力が強い馬が2頭いる。この先の成長次第だが、世界で活躍する馬になるのか注目していきたい。

マスカレードボールは道中10番手の外を進み、メンバー2位タイの33.4秒で上がって頭差の2着。直線でカランダガンと併せ馬で伸びてきたが、最後に少しだけ競り負けた。4コーナーから直線で少し内にモタれてギアチャンジが遅れてモタつき、態勢が整って加速するまでに時間が掛かったのが勿体なかった。超スローペースの天皇賞(秋)を勝って1番人気に支持されたが、今度はハイペースでレコード決着になったレースでパフォーマンスを引き上げ、能力が日本トップレベルであることを示した。心肺機能が高くタフなレースにも強いタイプ。3歳馬でまだ馬体が能力に追いついていない。来年の活躍が楽しみだ。

ダノンデサイルは道中8番手を進み、メンバー5位の33.8秒で上がって0.5秒差の3着。道中マスカレードボールに外からマークされ、3コーナー手前からはカランダカンに外からマークされ、勝負どころで内に押し込まれたことで直線で前が詰まり加減で外に出しながら伸びてきた。パドックでは少しイレ込んでおり、馬体のバランスがいいときとは少し違っていた。最終調教では動いていたが、英国遠征明けで本調子手前だったか。それでも厳しい位置から伸びてクロワディノールを交わしたように能力を示した。高速馬場で走ったことがどう出るかだが、状態面が整えば有馬記念に使ってくるか。

クロワデュノールは1枠2番から4番手につけ、メンバー6位タイの34.4秒で上がって0.6秒差の4着。好スタートからサッと好位につけ、直線で一旦先頭に立ったが、外から伸びた馬に切れ負けした。皐月賞はクビ差、ダービーは3/4馬身差でマスカレードボールに先着したが、マスカレードボールは皐月賞では1コーナー手前でごちゃついて後方に下がる不利があり、ダービーでは不利な8枠17番だった。元々差はなかったのではないか。欧州遠征明けの影響か、パドックでは馬体のバランスが整っていなかった。マスカレードボールに離されたのは、そのあたりもあるのだろう。

ジャスティンパレスは1枠1番から後方を進み、メンバー4位の33.5秒で上がって0.6秒差の5着。4着クロワディノールとはクビ差。1コーナーで少しごちゃついて後ろに下がり位置取りが悪くなったことが堪えた。Cデムーロ騎手が2コーナーで外に出してマスカレードボール、カランダガンを見ながら進めたが、勝負どころで反応が悪く、直線でもエンジンの掛かりが遅く、そこで連対した2頭に離された。昨年天皇賞(秋)からG1を8戦して4、5、5、6、6、3、3、5着。勝ち切れないが、ディープインパクト産駒の6歳馬が安定して走っている。次走有馬記念がラストランになる。

ブレイディヴェーグは出遅れて最後方を進み、メンバー2位タイの33.4秒で追い込んで0.7秒差の6着。2着マスカレードボールと同じ上がりを繰り出したが、最後方から追い込むレースでは厳しかった。直線でジャスティンパレスと併せ馬で伸びてきたが、最後に競り負けたのは、流れただけに距離適性の差が出たか。昨年府中牝馬Sを勝ってから勝てなかったが、社台の使い分け、レース選択もあるのだろう。まだ能力は衰えていないが、元々使い込めないタイプ。今後は繁殖入りする予定。



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