ダービー
レース回顧(1)

ネオユニヴァースは内々の後方を進み、直線入り口で内からサクラプレジデントを一気に交わすと先に抜け出したゼンノロブロイをきっちり差し切って1着でゴール。直線で各馬外を回す中、内外の差はないと考えていたデムーロ騎手が内から差し切った。臨機応変の騎乗はさすが。ただ道中馬場の悪い内に入れて13番手に控えるのはよほど自信がないとできないこと。それだけデムーロ騎手がネオユニヴァースを信頼していたということなのだろう。半馬身差だったが完勝と言える内容だった。

ネオユニヴァースは馬体のバランスが素晴らしく、サンデー産駒特有の煩さがないのがいいところ。パドックで騎手が乗ると多少煩くなるが、これは皐月賞のときと同じ。走る馬の馬体、雰囲気を持ち合わせているので、相馬眼を身に付けるには絶好の教材という気がする。馬場、展開などこれといった死角がないので3冠制覇も十分考えられる。プレジデントとロブロイは秋天に向かうようなので、菊花賞に向けて夏の上がり馬の出現を期待したいところ。

ゼンノロブロイは2番手から直線で抜け出したが、最後はネオユニヴァースに差されて2着。昨年のシンボリクリスエスと同じステップでダービーも同じ2着。まだ馬が若いところはあるが、バランスのいい馬体と全体的な雰囲気は大物感たっぷり。良馬場で切れ味を生かせればもっと際どかっただろう。ただ重馬場で正攻法の競馬をして2着なら上々の結果か。秋は同厩舎の先輩シンボリクリスエスと対決する。もうひと回り馬体が成長してパワーアップするようだと楽しみだ。

ザッツザプレンティは中団から徐々に進出して直線でもしぶとく食い下がって3着。外々をスムーズに進められたことと重馬場が良かったのだろう。皐月賞では折り合いを欠いたアンカツが今度は力を出し切った。走りのストロークが小さいので良馬場だと少し推進力に欠けるが、重馬場だと逆にそれがいい方に向くようだ。とにかく重は鬼の部類に入るので今後要注意。坂路調教の動きがもっと安定してくればさらに走れるようになるだろう。


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