ダービー
レース回顧(2)
サイレントディールは武豊騎手が直線勝負に徹して0.4秒差の4着。パドックではチャカチャカしてイレ込み気味だっただけに良く走っている。あれだけ調教を強めにやってプラス10キロ。馬に実が入ってきているのだろうが、馬体を見る限りはまだ少し線が細く見えた。前捌きが硬いのでおそらくダートでも走れる。ただ気性的に砂を被った場合にどうかなどあるので一概には言いにくい。陣営がどう判断するのか注目したい。
ゼンノジャンゴは後方3番手から除々に進出して0.9秒差の5着。前とは離されたが、現時点での完成度からここまで走れば上等か。見ていた通りスタミナのあるタイプなので、今後は長距離路線で面白い存在になりそうだ。血統的に切れ味がもっとあっていい馬だが、それが出てきたときが完全本格化か。
サクラプレジデントは好スタートから内々の4番手を進んだが直線では伸び切れずに7着。直線入り口で内と外から一気に来られたことで馬が驚いていたことが多少影響したようだが、1番の大きな要因はやはり折り合いか。好スタートを切った田中勝騎手を責めるつもりはないが、結果的に折り合いを欠いた。2400mをこなせなくはないが、余計にスタミナを消耗する重馬場というのが堪えたのだろう。ただ馬体はこちらが想定していたより、1800、2000mの方に適性があるように見えた。今後は菊花賞には向かわずに秋天を目指すとのこと。更なる成長と飛躍を期待したい。
クラフトワークは後方から徐々に進出したが、直線で前をカットされる不利が響いて8着まで。絶好の手応えで4コーナーに向いたが、とにかく不利が大きかった。青葉賞でも不利を受けただけに陣営のストレスも大きいが、馬体が小さいということも多少影響しているのだろう。長距離の適性が高いので菊花賞では面白い存在。
リンカーンは道中行きっぷりが悪く最後方からの競馬だったが、直線で差を詰めて8着まで押し上げた。本来もう少し前につけられる馬だが、久々の競馬で気分が乗らなかったようだ。馬体は目立っていたし、順調ならと思わせる内容。今後は順調に行けば中長距離重賞で活躍できそうだ。
エイシンチャンプはサクラプレジデントと併走して4番手を進んだが、直線では内に入れて伸び切れず10着敗退。マイナス12キロが影響したのか、いつもの行きっぷりがなかった。調教では動いていたが、最後に疲れが出たのかもしれない。馬体を見る限りは2000m前後に適性がありそうなので秋は中距離路線に進むかもしれない。
スズカドリームは中団を進み直線に向いたが伸び切れずに15着敗退。あまり見せ場はなかったが、パドックで馬体、気配が目立っていたように今後さらに馬体に実が入ってくれば走ってきそうだ。少しズブい感じがあるので、荒れて時計のかかる馬場が合いそうだ。
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