関屋記念
レース展望

新潟新装後の2年はマグナーテンが2番手から抜け出して優勝、2着に人気薄の逃げ馬が残るというのがパターン。2年ともに前半5F58.0秒、ラスト3F33.8秒で勝ちタイム1分31秒8と全く同じようなレースだったが、注目したいのは前に行った馬が33.8秒で上がった点。この時計で上がられては後ろからの馬が差すのは難しい。昨年マグナーテンが勝ったNSTオープンは前半3F33.1秒、5F55.3秒でレースの上がりは34.9秒、9番手からブレイクタイムが2着に突っ込んだ。レースの上がりが34秒台なら差し馬に出番がやっている。

その前に整理しておきたいのがここ2年の関屋記念。それほど早いペースにならなかったのは岡部騎手がマグナーテンに騎乗していたからだろう。藤沢厩舎の馬に騎乗した岡部騎手が前につけたら、わざわざ競り駆けに行く騎手はいない。必然的に前が残る流れ。01年に勝たれた馬に02年に再度同じペースに持ち込まれて勝たれてしまうとは何と情けないことか。マグナーテンの強さと岡部騎手の上手さは認めるが、競馬という点で昨年は物足りなさが残った。

さて今年の関屋記念。逃げるのはゴーステディ、2番手にグリーンブリッツとダイワジアンあたりか。メンバーを見ると差し馬が多く、それほど先行争いは激しくなりそうもない。ここ2年と同じような流れなら前残りがありそうだが、上に挙げた3頭はいかにも不甲斐ない。ゴーステディがどこまで仕上がってくるかだろう。今年はその直後につける馬が展開的には狙い目だろう。安田記念で武豊騎手が前につけて2着したアドマイヤマックス、脚質的に自在性のあるハレルヤサンデーの2頭が該当する。

アドマイヤマックスは切れ味があるので中団あたりからでも良さそうだが後藤騎手がどう乗るか。ただ安田記念の好走が頭にある陣営からリクエストがあるだろう。想定通りの流れならチャンスだ。ただ1番人気の馬に騎乗すると後藤騎手は結構硬くなる。微妙な緊張は手綱を通して馬に伝わり、出遅れなどを引き起こす。久しぶりの日本での騎乗。土曜の騎乗ぶりを見てからでも予想は遅くはないだろう。

ハレルヤサンデーは2走前の晩春Sの直線で一旦は馬群の飲まれかかったが、デザーモ騎手の渾身の鞭に応えてそこから再加速したところにこの馬の底力を感じさせた。次の安田記念では0.6秒差の10着。初の重賞挑戦がG1だったが、そこでミレニアムバイオ、ビリーヴなどに先着したのは陣営にとっても大きな自信だろう。1分32秒台の持ち時計もあるし、上位争いできる力は持っている。ただ本質的に詰めが甘いので、最後少し届かず3着というのも十分考えられる。

NSTオープンを勝ったロイヤルキャンサーも有力馬の一頭。ここ10戦全て1番人気で[6・3・0・1]でオープンまで上り詰めた。1200mのレースでのスピードを見るとベストは1400mかもしれないが、レースぶりに幅が出た今なら1600mまでは我慢できそうだ。今回の鞍上は横山典騎手。北海道から阪神遠征でローズバドを勝利に導いたが、今回は久しぶりの新潟遠征でどんな騎乗を見せるか。アドマイヤマックスの出走で1番人気にならないのは横山典騎手には好都合だろう。

あとは夏場走るエイシンハリマオーを取り上げたい。これまで新潟芝は[2・1・0・0]で連対率100%。1600mは前走が初めての連対で距離的には微妙なところはあるが、夏はとにかく調子がいいので注意したい。前走にしても追い出してからの勢いはローマンエンパイアを凌ぐものがあった。母はオークスでアグネスフローラを差し切ったエイシンサニー。エイシンハリマオーはこれまでそれほど切れ味はなかったが、母の血が騒ぎ始めているのかもしれない。

その他では新潟→函館→新潟の輸送が気になるがマイルは合うハッピーパス、七夕賞は積極的なレースで負けたが溜めれば切れるブラザータイクーン、マイルは少し短いが左回りで直線の長いコースがベストのチョウカイリョウガ、前走のNSTオープンでゴール前猛然と突っ込んだイルバチオなどが、展開が向けばチャンスがありそうだ。

新潟外回りは直線が長い特殊コース。このコースではどういう馬が走るのかが分かっているのと分かっていないのでは当然予想が違ってくる。そのノウハウは残念だが無料版ではお伝えできない。関屋記念では馬体の作り、走法など相馬眼的に大きく取り上げたい馬が2頭いる。あとは調教の動きで調子を判断すればいい。特別レースにも狙える馬が多い。今週も勝負だ。

03/07/30
競馬アナリストGM


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