関屋記念
レース回顧

オースミコスモはアドマイヤマックスと併走するかたちで道中は4番手。直線に向きアドマイヤマックスと一緒に追い出すと持ち前のしぶとさと切れ味のある末脚で競り負かしてレースを制した。直線で外に寄れて他馬に迷惑をかけたのは頂けないが、力勝負でアドマイヤマックスを負かしたのだから評価できる。紫苑Sで繰り出した32.9秒の末脚はダテではなかった。この馬の走法は新潟コースに合うものなので覚えておけば他のレースでも役に立つだろう。

中1週続きで馬体減が心配されたが、鍛え上げてきた馬が強いという今年のトレンドを象徴するレースになった。オースミコスモはチューリップ賞と桜花賞では後藤騎手が手綱を取った馬。降ろされた常石騎手は今回1番人気の後藤騎手には負けられないという気持ちがあったことだろう。オースミコスモの全5勝は全て常石騎手。武豊騎手、デムーロ騎手が乗っても結果を出せなかっただけにいかに乗り慣れた騎手が大事かを如術に示した結果とも言える。

エイシンハリマオーは内々の後方を進み、直線で馬群がバラけたところを一気に伸びて2着に食い込んだ。田中勝騎手は乗れたときと乗れていないときの騎乗ぶりが極端だが、今回は内枠を引いたことでロスのない競馬ができた。エイシンハリマオーは5月のメイSからこれで5戦連続で2着。冬は馬体が硬くなり覇気がないが、夏は別馬のように元気一杯。昨年の新潟の阿賀野川特別(芝2000m)で上がり32.7秒を使って勝ったが、早い上がりで勝ったという点でオースミコスモと同じ。来年の関屋記念では最重要なファクターになる。

アドマイヤマックスは4番手から直線で抜け出しかけたが、最後はオースミコスモの競り合いに敗れ、さらにエイシンハリマオーにも差されて3着敗退。安田記念でプラス16キロだった馬体がさらに2キロ増えて480キロ。仕上がり自体は安田記念と同じような感じだったが、目一杯に仕上げていない分負けた印象。あとは上位にきた2頭のように究極の上がりを使うタイプではないということもあるのだろう。前半5F57.1秒でスローにならなかったのは良かったが・・・。1番人気になって連を外したのは、ラジオたんぱ賞、京阪杯に続き3回目。3回とも馬連は万馬券決着だったのは見逃せない事実。ただアドマイヤッマックスはまだ強くなるということを付け加えておく。

ゴーステディは逃げて直線でもしぶとく粘って見せ場を作ったが4着まで。直線で手前を替えてから再度伸びていたように直線の長い新潟外回りはやはり得意だ。今回は休み明けでプラス4キロ。まだ上積みが見込める仕上がりなので新潟記念では楽しめそうだ。ただ人気になってマークがきつくなると昨年のオールカマーのように苦しくなるのでそのあたりは要注意。

イルバチオは後方から直線で猛然と追い込んで0.3秒差の5着。前走マイナス12キロ、今回マイナス8キロと目一杯に仕上げてきたが、前の馬にラスト2F目で10秒台のラップを刻まれてはさすがに苦しかった。流れが早くなる上位クラスになればなるほど力を発揮するタイプの馬。次走は状態面に注意したいが、展開次第で取り上げたい。

ロイヤルキャンサーは中団を進み直線で一杯に追って差してきたが、NSTオープンを勝ったときの切れ味はなく8着に敗れた。直線でオースミコスモが寄れた煽りを間接的に食ったことで一旦立て直す不利があったが、それでも最後は切れなさ過ぎ。パドックでは馬体の張りが良く、絶好調だっただけに最後伸び切れなかったのはやはり距離なのかもしれない。ただ馬体の裏づけがあるのでこの一戦だけで決め付けられない。今後どういう路線で来るか注目したい。

ハレルヤサンデーは出遅れて前半脚を使い、さらに直線でも前が詰まって全く競馬にならず9着。蛯名騎手は昨年も1枠1番のアグネススペシャルで出遅れたが、今年も同じような出遅れ。VTRを見るとスタートは馬任せといった感じだが、もう少し何とかならないものか。ハレルヤサンデーは馬体の仕上がりが良く調子は良かったが、この競馬では仕方ない。次走は人気を落とすようなら逆に注目したい。4走前の晩春Sの内容からG3くらいは勝てる力は持っている。


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