函館2歳S
レース回顧

フィーユドゥレーヴは後方から除々に進出して直線で先に抜け出したフラワーサークルに迫ると最後はハナ差でレースを制した。マイナス8キロは馬体が絞れたというより少し寂しくなったという感じはあったが、レースは強い内容。馬場が稍重まで回復したことも大きかった。父サンデーサイレンス、祖母ミルフォードスルーで少し気性面が心配だが、今のところ落ち着きがあるのがいいところ。祖母ミルフォードスルーは90年の函館3歳Sを1戦1勝で制したが、フィーユドゥレーヴも同じステップでの勝利になった。母ランフォーザドリームはマーメイドS、朝日CCを勝ち、エリザベス女王杯で2着した馬。母子3代で重賞制覇したようにこの血は走る。まだ馬体は小さいがこれから成長してくるだろう。順調に行けば来年の牝馬クラシックで活躍できそうだ。

フラワーサークルは4コーナーで2番手まで進出。直線で抜け出したが最後にハナだけ交わされて惜しい2着。五十嵐冬騎手が目一杯追って勝ちに等しい内容だったが、最後は決め手の差。馬場が重馬場のままなら勝っていたかもしれない。パドックでは少しカリカリしていたが、これはいつものこと。完成度の高い馬体は目立っていたし、これくらいは走れて当然の馬。今回の2着で札幌2歳Sの出走権を確保。サクラバクシンオー産駒だが、馬体、走法から見て距離1800mはこなせるはず。次走も注目したい。

ミュージックホークは後方2番手から直線だけで3着まで追い上げた。テンに行けず位置取りが悪くなったが、最後は力のあるところを見せた。まだ馬が若く、馬体にも余裕があるのでこれだけ走れれば十分だろう。あまり大物感はないが、堅実に走ってきそうな馬。

マイネルゼストは内々で揉まれて位置取りが悪くなったが、直線では馬場の悪い内からしぶとく伸びて4着に入った。ナムラビッグタイムには負けないというのは予想通りだったが、今回もスムーズさを欠いたのが痛い。まともならもう少し差を詰められただろう。調教でセンスのいいところを見せているが、レースでは2回連続でスムーズさを欠き脚を余してしまった。馬群を割って伸びてくる勝負根性はいいものがあるので混戦になると突っ込んできそうだ。あまり人気にならないタイプなので馬券に絡めておきたい馬。

ナムラビッグタイムは4コーナー先頭から最内に入れて一杯に追ったがいつもの伸びはなく5着に敗れた。ルナルナに外から競られて息が入らなかったこともあるが、パドックを見るとまだ馬体が太いし、前捌きもゴツゴツしている。ラベンダー賞のときよりはマシだったが、1.8倍の断然人気になる馬の仕上げではなかった。こういう敗戦は尾を引くことがあるので次走は人気でも要注意。

プリモスターは好位からしぶとく伸びたが、最後は止まって6着まで。パドックでは馬体の張り、気合が目立っていたが、レースでは前走のような伸び脚はなかった。まだ馬体の線が細いので稍重の馬場が影響したような感じもあるだけにこの一戦だけでは評価は下げられない。伊藤圭厩舎は馬を鍛えて強くする。プリモスターも調教に耐えられれば馬体の厚みも増すはずだ。どんな馬体に仕上がっていくのか、調教過程を含めてじっくり見ていきたい。


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