エルムS
レース回顧

アドマイヤドンは中団から徐々に進出して4コーナーで先頭に並びかけると直線で一気に後続を引き離し9馬身差で楽勝した。休み明け、59キロと条件は決して楽ではなかったが、これがG1馬の底力と思わせるインパクトのある走り。最後は手綱を抑えたにも関わらず、ラップが12.3-12.3-12.2秒と落ちないのだから恐れ入る。パドックではジワッとした気合乗りで馬体の張りも良く、休み明けとは思えない仕上がり。馬体は10キロしか増えていなかったが成長を感じさせた。今後もアンカツとのコンビでダート路線に向かうが、ゴールドアリュールが引退した今、アドマイヤドンの担う役割は大きい。強い馬が強い競馬をすると競馬が盛り上がる。アドマイヤドンを負かす馬は果たしてどの馬か。現時点ではユートピアが候補とみているが、今から対決の日が来るのが楽しみだ。

トシザボスは出遅れていつもより後ろを進んだが、4コーナーで先団に取りつき、直線でしぶとく粘って2着を確保。アドマイヤドンには9馬身離されたが、強敵相手に2着したのは力をつけた証拠。スタートで後手を踏んだことを考えればよく走っている。今後もG3クラスならそこそこやれそうだ。

タニノゴードンは2番手を進み、直線でもしぶとく粘ったが3着が精一杯。ベストは1200、1400mだが、この距離でも安定して走れているように地力が強化してきたのは明らか。10キロ増だったが馬は元気でパドックではキビキビと周回していた。適距離ならG3を勝る力を持っている。

エクセシヴワードは後方から徐々に進出して4着。プラス8キロで少し重めが残っていたので悲観する内容ではないが、重賞だとまだパンチ不足の感もある。ファストフレンドの半弟で血統的に魅力は大きい馬だが、もうひと皮剥けて欲しい。

エンゲルグレーゼは3番手から直線で必死に粘ったが最後は一杯になって5着。マイナス18キロで馬体の良化は窺えたが、まだ完全には戻り切っていないようだ。ただ強い調教に耐えてきたし、まだ良くなりそうな気配はある。復活の日はそう遠くはないだろう。

プリエミネンスは3番手を進んだが、勝負どころでついて行けずに6着。直線で前が詰まる不利もあったが、いつもより手応えが悪かった。6歳牝馬でそろそろ引退という話もあるようだが、頑張ってもらいたい。馬体は悪くないし、馬が前向きになればまだやれる。

スマートボーイは逃げたが、直線で一杯になって8着。この馬のペースで逃げたが、後続のマークがきつく息が入らなかった。仕上がりは良かったが、こうなると苦しい。小回り1700mだとこういう競馬になることが多いので、やはり1800mの方が合う。人気がないときに買いたい馬。

イーグルカフェは出遅れて後方を進んだが、全く上がって行けずに10着に敗れた。調教の動き、パドックの気配も良かったが、馬に走る気がなかったようだ。時々こういうところを見せる馬だが、この敗戦で次は人気が落ちそう。馬体は悪くないのでまだ見限らない方が良さそうだ。


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