京成杯AH
レース回顧

ブレイクタイムは2番手を進み、直線で一旦は逃げたシベリアンホークに引き離されたが、ラスト1Fからしぶとく伸びてクビ差でレースを制した。安田記念2着の実力馬がひと叩きされてキッチリ変わったが、今回は展開と開幕週の馬場が向いた感も強い。ブレイクタイムは550キロの大型馬であまりの迫力に後ろの馬が警戒して控えたり、走る気をなくすことが良くあるが、今回も微妙に後続が動けなかったのはそのあたりが影響したのかもしれない。松永騎手は平安Sのレギュラーメンバーもそうだったが、行ける馬に乗って積極的に行かずに結果的に前残りになることが多い。今後はこのあたり注意したい。

シベリアンホークは逃げて前半3F35.2秒の遅い流れ。直線で後続を引き離したが最後は一杯になって惜しい2着。51キロが見方したが、直線でのバネの利いたフットワークを見るとフロックではなさそう。一戦ごとに完全燃焼するタイプで使うと全体的に硬くなる馬だが、そういう意味で休み明けの今回が狙い目だったか。春は1200mに適性があると見ていたが、徐々に馬体が変わり、1600mの方にシフトしてきている。

オースミコスモは好位から最後ひと伸びして3着。1キロ増の55キロ、実績のない中山コースと条件は厳しかったが、力のあるところを見せた。調教は軽めでも馬体が細くなければ力を出せるタイプ。今後はさらにメンバーが強化されるが、がんばってもらいたい。暮れの阪神牝馬Sまで持ち応えていれば今年はチャンスだろう。

ミレニアムバイオは中団の外々を回り、直線で前を射程圏に入れたが、そこから伸び切れずに0.3秒差の5着。仕上がりは良かっただけに道中外々を回ったにしても最後伸びは物足りない。58.5キロが微妙に影響したか。ただし斤量は最初から分かっているし、それに対応する騎乗もあったはず。昨年のジャングルポケット、ファインモーション、今年のブルーイレヴン、ザッツザプレンディ、ゴールデンキャストなど騎乗を思い浮かべれば分かるが、中山で武豊騎手に何かを求めてはいけない。

ロイヤルキャンサーは中団から伸び切れずに6着。パドックでも良く見せていたし、デキが良かっただけに伸びが物足りない。馬体的にG3くらいは勝てる馬だが、55キロの斤量でこの競馬ではあまり強調できなくなった。ただベストは1400m。ペースが速くなれば変わる可能性もある。

ボールドブライアンは最後方を進み、4コーナーでは大外を回って見せ場なく14着に敗れた。プラス6キロと予想以上に太めが残ってはいたが、あの位置取りでは届かなくて当然。最初からペースは速くなりそうにないのは読めるはずなので、柴田善騎手のセンスも問われる。ボールドブライアンは今回のひと叩きで次は良くなってきそう。ペースが速くなった方がいいので、メンバーが揃うG1、G2の方がレースはしやすい。

柴田善騎手は重賞で藤沢和厩舎の馬に騎乗してこれで10戦連続で連対なし。ほとんどが2〜4番人気馬というのだから凄い。昨年まで含めると15回騎乗して連対したのは東京新聞杯のボールドブライアンのみで連対率は何と6.7%。藤沢和厩舎の馬に柴田善騎手が騎乗してきたら「消し」が定説になりそう。ちなみに今は藤沢和厩舎の馬に絶対に乗らない横山典騎手は昨年から今年のダービーまで21戦して8連対。連対率は38%だった。

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