セントウルS
レース回顧

テンシノキセキは3番手から直線で早めに抜け出して後続を引き離したが、最後はビリーヴに詰め寄られハナ面合わせてゴール。長い写真判定の結果、2cm差でレースを制した。TV愛知オープンを勝ったあたりから坂路での脚捌きが変わってきたが、今がまさに充実期。勝ちタイム1分7秒8は昨年4着時と同タイム。昨年はビリーヴが同斤の54キロで0.7秒前にいたが、今年は3キロ差が有利に働いた。ただ斤量の差はあったとはいえ、ビリーヴを競り負かしたのは馬にとっても大きな自信。今回かなり仕上げていたので、スプリンターズSでどこまで今の調子を維持できるかが課題になるが楽しみは出てきた。

ビリーヴは内々で控えて4番手。4コーナーから外に出してアンカツの鞭が激しく唸ったが、最後はハナ差の惜しい2着。直線でいつも以上にズブく見えたのはやはり57キロの斤量。それでも最後までしぶとく伸びたように底力は見せた。パドックでも堂々と周回し、馬体の作り、毛づやはかなり目立っていた。ただ今回は本番前の一戦。仕上がってはいたが、まだ少しお釣りを残していた。スプリンターズSでは55キロになるので有終の美を飾る可能性は高そうだが、実績のない中山コースで今年は野芝のみの特殊馬場という課題もある。

デュランダルは後方3番手から直線で追い込んで0.2秒差の3着。ペースは遅くはなかったが、上位2頭に33秒台で上がられてはこれが精一杯。それでもメンバー最速の上がり33.3秒の切れ味は見どころがあった。馬体はそれほど変わった感じはなかったが、休み明けでもそれなりに仕上がっていた。溜めれば必ず切れるので、展開が向けばG1でも十分やれそうだ。

アドマイヤマックスは中団を進んだが、直線で少し内にもたれて伸び切れず0.4秒差の4着。前半の行きっぷりも悪くなかったし、初めてのスプリント戦としては悪くない内容。本質的にスプリンターではなさそうだが、今回早いペースを経験したことが次に生きてきそうだ。パワー型で究極の切れ味で勝負するタイプではないので、馬場が少し荒れていた方が良さそう。斤量が逆転するスプリンターズSでビリーヴを負かすのは難しいが、最終週の中山の荒れ馬場を見方につければチャンスはなくはない。

ネイティブハートは最後方から直線で追い込んで5着。テンのスピードがないため、位置取りが悪くなったのは予想通りだが、最後差を詰めてきたように力のあるところは見せた。超ハイペースで前が止まるか、馬場が荒れて上がりが掛かるようならまだ見限れない。最近は大きく崩れないように着実に地力は強化されてきている。

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