スプリンターズS
レース展望(1)

スプリンターズSと高松宮記念を制したビリーヴがスプリントG1-3連覇に挑む。これまでスプリント戦10勝、重賞4勝はこのメンバーでは断然の実績。この一戦を最後に繁殖に上がるだけに有終の美を飾るかどうか注目が集まる。スプリンターズSで引退レースというとタイキシャトルを思い出すが、ビリーヴも断然人気になるのでそういう点では似ている。タイキシャトルの敗因は敢えて書かないが、もしビリーヴが崩れるようなことがあれば高配当間違いなしだろう。ビリーヴの取捨が最大のポイントになる。

ビリーヴは前走のセントウルSで57キロを背負って2cm差で54キロのテンシノキセキに敗れたが、今回は同斤の55キロ。本番のG1で条件が楽になるのだから有利だ。スピードの絶対値が互角だったショウナンカンプは既に引退したし、高松宮記念で2〜5着に入った馬の出走もない。鞍上はビリーヴを知り尽くしているアンカツ。断然人気になるのもうなずけるが、死角がない訳ではない。

昨年のセントウルSは1枠1番、スプリンターズSは4枠4番、今年の高松宮記念は1枠1番、セントウルSは2枠2番と全て内枠。今回は中山の馬場状態が絡むので外枠を引いたら駄目という訳ではないが、今までとは違うという点は考慮したい。あとは右回りだと内にもたれる、超ハイペースに巻き込まれて直線の急坂で止まるなどが考えられるが、このあたりは当然アンカツがケアしてくるだろう。

あともうひとつ。リスクが大き過ぎてここに詳しくは書けないが、ビリーヴにはまだ死角がある。その死角を突ける馬も今回出走している。これまでのビリーヴのレースぶりを良く見れば、どうすれば負かせるかが分かるが、その陣営が何らかの手を打ってくればビリーヴは危ない。アンカツは全てのパターンをシミュレーションしてくるだろうが、シミュレーションしても対処できない例外はある。相馬眼的な観点とビリーヴの地力の高さからみて大敗はないだろうが、3〜5着に敗れることは考えられないことではない。

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