府中牝馬S
レース展望

以前は波乱の多いレースだったが、96年にエリザベス女王杯の前哨戦的な位置づけになったことでレベルが上がり堅く収まることが多くなった。今年はエリザベス女王杯を目指すレディパステル、ローズバド、スマイルトゥモロー、マイルCSを目指すオースミコスモが出走し、まずまずメンバーが揃った印象。東京芝1800mは実力馬が能力を発揮しやすいコース。古馬牝馬の熱い戦いを期待したい。

今回の注目はレディパステル。父トニービンで東京コースの適性はかなり高いというのは周知の事実だが、オークス1着、目黒記念2着など東京芝コースは[1-4-0-1]で連対率83%。唯一連対を外したのは重馬場で行われた昨年の目黒記念だけという堅実さ。今回は休み明けだが、気性的に鉄砲駆けするし、調教過程を見ても順調に仕上がっていそうだ。昨年の府中牝馬Sは中山内回りで3着に敗れたが、東京コースなら能力全開か。

ローズバドは重馬場のマーメイドSを優勝。斤量差はあったが、テイエムオーシャンを3馬身半差突き放したレースぶりは完全復調を思わせた。3歳時にオークス、秋華賞、エリザベス女王杯で2着したように牝馬の中では一線級。追い込む競馬をすると展開が絡んでくるが、そのあたりを横山騎手がどう考えて騎乗してくるか注目したい。

スマイルトゥモローはエプソムS、マーメイドSとも折り合いを欠いた。昨年のオークスを勝った東京コースで巻き返しを期待したいところだが、今回も折り合いの不安は付きまとう。テン乗りの柴田善騎手が彼女をどうエスコートするかにかかっている。オースミコスモは関屋記念1着、京成杯AH3着と牡馬相手に結果を出してきた。昨年のスイートピーSと紫苑Sを勝ったように1800mは守備範囲だし、有力馬が休み明けなのに対し使われている強みもある。

まだ条件馬だが、ウィルビーゼアにも注目したい。使われながら徐々に力をつけ前走はようやく1000万条件を勝ち上がった。東京芝1800mはベストの舞台で5走前の石和特別でアルスブランカに頭差まで迫った走りはかなり見どころがあった。首の高い走りは相変わらずだが、馬体に実が入り今が充実期。重賞勝ちのある馬を相手にどこまでやれるのか楽しみだ。

あとはノブレスオブリッジ、トーワトレジャー、ショコットなども仕上がり次第で狙い目がありそう。休み明けの馬が多いのでとにかく仕上がり面に注意を払いたい。いつものことだが、当日の馬体重、パドックの気配を確認してから馬券を買いたいところ。

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