天皇賞(秋)
レース展望(3)

今回の最大の穴馬はファストタテヤマ。昨年、今年の春はどこか頼りなく映った馬体に実が入り成長してきた。これまでは坂路で調教していた馬がコース追いをできるようになったことがそれを裏付ける。京都外回りコースの実績が目立つが、直線の長い東京コースの適性も高そう。実際、天皇賞(秋)の勝ち馬には京都外回りコースで実績のある馬が多い。オールカマーは脚質的に得意とは言えない中山でエアエミネムに0.1秒差の2着なら上々の内容。菊花賞を勝ったダンスインザダーク産駒という血の勢いも怖い。

問題は展開が嵌るかどうか。東京芝2000mは長い直線で差し追い込みが利きそうだが、少々流れが速くなってもG1級の馬は前に行って簡単に止まらない。内々の好位につけてロスなく回り、直線で抜け出すというのが勝ちパターン。ただし前半の流れが速くなり、それに有力馬が巻き込まれると直線一気が決まる。今回逃げるのはゴーステディ。新潟記念は重馬場、毎日王冠は逃げられずに惨敗したことで今回は思い切って行きそう。これにローエングリンが絡むと果たしてどうなるのだろうか。

あとは好位を取ろうとしてスタートで気合をつけるとかかるときがあること。人気馬ほど勝つために好位置につけたいという意識が強くなり、過去には休み明けのオグリキャップ、トウカイテイオーがかかって惨敗した。人気馬が前に行くと自然に流れは速くなる。92年にトウカイテイオーが7着に敗れたときは1着レッツゴーターキン(牡4、大崎騎手、橋口厩舎、父ターゴワイス)、2着ムービースター(牡5、武豊騎手、坪憲厩舎、父ディクタス)で2頭とも追い込み馬だった。ファストタテヤマの母の父はターゴワイス、さらに橋口厩舎は追い込み馬3頭出しと何となく92年と似た雰囲気。もう少し展開を読みたいが、今年はファストタテヤマを筆頭に追い込み馬の一発を警戒したい。

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