天皇賞(秋)
有力馬診断

[8+]シンボリクリスエス
充実の4歳秋を迎え、馬体に実が入り成長した。相馬眼的に馬体は世界レベル。日本で走っているのが不思議なくらいの馬だ。今回は宝塚記念以来となるが、調教で外を回して攻められたことでかなり仕上がっている。昨年頂点を極めた馬が成長して仕上がりにがいいのだから素直にこの評価。さらにタップダンスシチーとヒシミラクルの回避でメンバーにも恵まれた印象。大外枠は2馬身不利だが、宝塚記念の敗戦が教訓となって前半気合をつけて行かないのでかかることはなさそう。ローエングリンの作るペースで底力が問われば実力を発揮できそうだ。前に目標がいると加速して抜かそうとするこの馬の本質を理解しているペリエ騎手というもの強調材料。直線ではローエングリンが抜け出していればいい目標になる。ただ有馬記念のように最後弾ければ勝つが、弾け方が弱いと捕まえ切れない可能性もなくもない。大外枠を引いたことで各騎手が色気を持って乗るので、余計に底力が問われそう。そういった意味では悪くはない枠とも言える。

[8+]ローエングリン
海外遠征して1戦目は馬体がガレ気味だったが、2戦目では馬体が回復していた。凄い対応能力だが、レースでは逃げてしぶとく粘り2着。追い出すタイミングがもう少し早ければおそらく勝っていただろう。その証拠にローエンの脚は全く鈍っていなかった。日本に帰ってきてからも順調で、背が伸びて馬体が成長してきた印象。東京2000mはスピードとスタミナを生かせるベストの舞台。これまでのレースぶりから1分58秒前半で乗り切る力はあるので、最後までしぶとく粘りそうだ。馬場が渋ると後ろが切れる脚を使えないので粘り込む確率が高くなる。相馬眼的にシンボリクリスエスの方が完成度が高く、ローエングリンはまだ成長の余地があるが、東京芝2000mという条件なら現時点でも勝負になる。東京芝2000mでシンボリクリスエスに真っ向勝負で勝てる馬はこのメンバーにはローエングリンしかいない。

[7+]ファストタテヤマ
この秋はコース追いに切り替えてここまで順調に乗り込んできた。前走も仕上がりは良かったが、今回はほぼ万全の仕上がり。後方から直線勝負の競馬をするので展開次第のところはあるが、ローエングリンの作る速い流れとシンボリクリスエスが大外枠に入ったことによる各陣営の色気で仕掛けが早くなるようだとラスト200mからの切れ味勝負で見せ場以上があるかもしれない。菊花賞でとても届かない位置取りから猛然の伸びてヒシミラクルにハナ差まで追い詰めた脚が再現できればチャンスはあるはずだ。天皇賞(春)は6着に敗れたが、スタンドの大歓声で馬が怯んだことを忘れてはいけない。まともに走っていればヒシミラクルに迫れる勢いだった。

[7 ]アグネスデジタル
近走は冴えないが、安田記念の前もとてもいいとは言えない状態で劇走したので、やはり底力は評価しないといけないだろう。天皇賞(秋)でテイエムオペラオーを力で捻じ伏せたようにコースの適性はあるが、問題はそのときの力があるのかどうかということ。白井調教師が最善を尽くしているのでどこまで変わり身を見せるか。元々パドックでは良く見えないので、そこは注意が必要。

[7 ]エイシンプレストン
ひと叩きされて調子を上げてきた。暮れの香港があるのでまだ目一杯に仕上げていないが、前走より力を出せる状態。毎日王冠で既に仕上がっていた馬には今回は負けないだろう。直線の長いコースは得意だが、時計の速い決着になると対応できるかどうかは微妙。その点で少し評価を下げたが、土曜のようにお湿り程度の雨が降るようだとチャンスが出てくる。1枠を引いたので福永騎手がどう捌くかがポイントになりそう。

[7 ]テンザンセイザ
毎日王冠は直線でまともに走らずにメンバー最速の上がりで2着とほとんど差がなかった。さらに強調したいのが調教の動き。鋭い前捌きはこれまで1番とも言えるもので体勢は整っている。トニービン産駒で息の長い末脚があるので本質的に東京コースは合う。前走力を出し切らなかった馬が次走好走することが多いが、今回はこの馬がそのパターン。鞍上の藤田騎手は菊花賞でも見せ場を作ったように調子を上げてきた。一発あるか。

[7 ]ツルマルボーイ
中間順調さを欠いていなければファストタテヤマと同等評価できる馬。左回りの2000mがベストで一昨年の金鯱賞は強い勝ち方だった。今年の金鯱賞で好走した馬の活躍がかなり目立っているが、実際ツルマルボーイも宝塚記念で2着に劇走した。順調さを欠いた分、評価を下げたが、鞍上がG1で2着が多い横山典騎手。菊花賞でもいい騎乗をしたように今勢いがあるだけに怖い。

[6+]モノポライザー
大原Sは終い切れたが、ナムラサンクスと頭差だった。元々休み明け走るタイプで芝の状態がいいと切れ味を発揮する。そういう意味で前走は条件が揃っていたが、今回は一気にメンバーが強化され、芝も絶好の状態ではないのでどうだろう。末脚は確かなものがあるので、各馬早仕掛けで前崩れになるようなら突っ込みがあるかもしれない。

[6+]カンファーベスト
前走は出遅れが少し響いたが、力は出し切った印象。それで仕上がり途上のエンシンプレストンに負けたので、さらにメンバーが強化される今回はどうだろう。相変わらず調子はいいので力は発揮できる状態にはある。アンカツが最大パフォーマンスを発揮させてどこまで食い込めるか。

[6+]トーホウシデン
休み明け走るタイプで前走も仕上がりは良かった。それでバランスオブゲームに引き離されたようにシンボリクリスエス相手に歯が立つのかどうかは微妙。相手なりに堅実に走るタイプなので大崩れはなさそうだが、東京コースのG1ではもうワンパンチ足りない気がする。

[6+]イーグルカフェ
昨年の七夕賞を勝ったようにハイペースに強いタイプ。昨年はジャパンCダートも勝ったように激しい戦いになると力を発揮する。今回は展開が向きそうだが、ここ2走が少し不甲斐ない内容。調教の動きを見てもあまり変わった感じはないのでこの評価に留めた。たた激しいレースになったジャパンCダートを勝ったということを評価する手もありそう。

[6+]サンライズペガサス
昨年の天皇賞(秋)3着馬。長期休み明けでなければかなり上位に評価できる馬だが、さすがに浅屈腱炎で12ヶ月ぶりのレースでは苦しそう。調教の動きは悪くないので、当日の気配次第のところもあるが、現時点ではこの評価。内枠でロスなく乗って終い勝負にかければ3着ならという気もしないでもないがどうだろう。

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