エリザベス女王杯
有力馬診断

[7+]スティルインラブ
競馬センスが良く、落ち着きがあり、賢さがある。さらにペース不問でスローの切れ味、ハイペースの地力勝負にも対応できる。3歳馬とは勝負付けが済んだ感じもあるが、ここ目標で調子を上げてきたアドマイヤグルーヴと秋華賞に出走できなかったヘヴンリーロマンスとはまだ勝負付けは済んでいない。京都外回り2200mはこなせるが、馬体的にストライドが小さいのでどちらかというと器用に立ち回れる内回り2000mの方が合うタイプ。ただ秋華賞にしても力で捻じ伏せる強い競馬をしたように底力があるので大きく崩れることはないだろう。あとは幸騎手が外国馬のことを全く勉強していないようなので、そこが少し気になるところ。3冠を獲ったことが過信となって早仕掛けとなれば最後差し切られるケースも考えられなくもない。

[7+]アドマイヤグルーヴ
秋華賞の前はやたらと調教が軽かったが、今回は最終調教で鋭い脚捌きを見せて調子を上げてきた。渋って時計が出にくい馬場でラスト12.4秒の切れ味を見せたところを評価したい。走法的に伸び伸びと走れる外回りコースの方が合うし、距離2200mはベストという感じがある。桜花賞、オークス、秋華賞と追い込む競馬で敗れたが、本来は好位から切れ味を発揮するタイプ。ローズSのように先行集団の直後につけて折り合うようだとスティルインラブより切れ味があるので逆転する可能性がある。ただ15頭の多頭数で内に入れればごちゃつくことも十分考えられる。ただスティルインラブを逆転するためにはある程度のリスクは仕方ないだろう。武豊騎手は勝負してくるはずだ。

[7 ]タイガーテイル
調教の動きから日本の芝の適性があるのはこの馬の方と判断した。これまでのレースを見るとスパッと切れる脚はないが、しぶとい差し脚がある。スローの上がり勝負だと切れ負けする可能性があるが、平均ペースで流れると持ち味が生かせそうだ。パドックのスクリーニングのときも落ち着いていたように初めての場所でも物怖じしない精神面は評価したい。未知なところはあるが、日本の古馬に絶好調という馬が見当たらないのでこの評価にした。

[7 ]ローズバド
マーメイドS1着、府中牝馬S2着と今年は復調してきた。最終調教の動きは絶好という感じではなかったが、前走くらいのデキはありそう。良馬場なら後方から追い込む競馬になるので、展開が向くかどうかにかかっている。スマイルトゥモローが速いペースで逃げるようだとチャンスは広がるというのが一般的な見方。スマイルトゥモローが逃げない場合はヤマカツリリーが行くことになるが、その場合でもスローということはないだろう。G1-2着続きの横山典騎手がどんな騎乗を見せるか。

[7 ]レディパステル
中間一頓挫あったが、最終調教を見る限り、前走よりは落ちるがまずまず仕上がってきた印象。東京コースなら本命にできる馬だが、右回りだとコーナーで置かれるので取りこぼすことが多い。今年は馬が完成されているのでそれなりに対応してくるだろうが、順調に来た馬とそうでない馬の差が最後に出そうな気もする。順調なら古馬では1番手に評価できる馬なので、パドックで仕上がりがいいようなら少し評価を上げたい。

[7 ]スマイルトゥモロー
府中牝馬Sはハイペースで逃げて3着。最後までしぶとく粘ってローズバドとは半馬身だった。オークスを勝っているように地力があるのは確かだが、それを爆発できないストレスの大きい競馬が続いている。今週の調教も決して褒められるものではなかったが、馬体を見ると昨年とは全く違うので甘く見ない方が良さそうだ。パシュファイアーをつけるのかどうか分からないが、そういうものをつけようとしているということは逃げないということなのだろう。ただスタートしてすぐにスタンド前を通るだけに行ってしまう可能性はある。古馬の中では一番元気がいいように見えるので、そのあたりを無視して狙うのもひとつの手だがどうだろう。

[6+]ダイヤモンドビコー
調教の動きが良くなり、少し調子を上げてきた。もう少しガツンとしたところが欲しい気もするが、ペリエ騎手が乗ったことで馬に気合が入ってきそうだ。適距離は1600〜2000mで2200mは少し長いが、スローペースなら昨年のように切れ味を発揮できる。牝馬同士だとパドックでイレ込まないので力を出せるだろう。ペリエ騎手が騎乗するので4コーナーで最低でも見せ場は作るだろう。そこから踏ん張れるかどうかは、どこまで馬に走る気があるのかとそれまでのペースにかかっている。

[6+]ヘヴンリーロマンス
秋華賞を除外されて、秋華賞当日は古馬相手に1000万条件を勝った。ペースが違うので秋華賞とは比較はできないが強い内容だった。スローの切れ味勝負に対応できたし、どんな展開でも崩れない自在性は強み。ローズSは北海道からの輸送で調子を崩していたので度外視していい。菊花賞ではネオユニヴァースを同じ社台RHのザッツザプレンティが負かしたが、今回はこの馬がスティルインラブを負かすことはないか。現時点では差があるような気もするが、馬場が少し渋ってこの馬向きになれば調子がいいだけに一発あるかもしれない。

[6+]アナマリー
調教の動きを見ると器用な脚がありそうなタイプ。京都外回り向きかどうかは微妙だが、タイガーテイルに3戦3勝という実績があるので一応注意したい。パンパンの良馬場で切れ味勝負になった場合にどう対応するかが課題だが、内々をロスなく乗って最内を突くようだと鋭い脚を使うかもしれない。今年はスミヨン騎手がかなり活躍していることも強調できる材料。

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