ｽﾃｲﾔｰｽﾞS展望

ｽﾃｲﾔｰｽﾞS
ﾚｰｽ展望

中山の内回りを2周する3600mの長距離戦｡96年まではG3のﾊﾝﾃﾞ戦だったが､97年にG2の別定戦に変更された｡別定戦になり以前ほど荒れなくなったが､最近3年は1～3番人気での決着がないようにそれほど堅くない｡今年は例年通り10頭前後の少頭数で行われることになりそうだ｡実績的には菊花賞2着馬ﾌｧｽﾄﾀﾃﾔﾏ､ﾀﾞｲﾔﾓﾝﾄﾞSと日経賞の勝ち馬ｲﾝｸﾞﾗﾝﾃﾞｨｰﾚの2頭だが､別定戦のため斤量は同じ古馬より1ｷﾛ重い58ｷﾛ｡ただどちらも斤量の実績があるので大きな問題にはならなそうだ｡

ｲﾝｸﾞﾗﾝﾃﾞｨｰﾚは最近はﾀﾞｰﾄ路線を進んだが､春の実績から芝でも全く問題ない｡昨年ｽﾃｲﾔｰｽﾞSは55ｷﾛを背負って0.2秒差の4着｡3歳の時点で適性を見せていたように今回もﾃﾞｷさえ良ければ大崩れはなさそうだ｡ﾌｧｽﾄﾀﾔﾔﾏは､春天で今回のﾒﾝﾊﾞｰで最先着となる6着｡直線で歓声に驚いたことで最後伸び切れなかったが惜しい内容だった｡追い込みﾀｲﾌﾟなので展開が鍵になるが､今回は少頭数なのでﾍﾟｰｽが速くなるのかどうか｡自分から動くと意外に伸びないので､安田康騎手の仕掛けどころがﾎﾟｲﾝﾄになりそうだ｡

あとはAR共和国杯2着のﾅﾁｭﾗﾙﾅｲﾝ､同3着のｴﾘﾓｼｬﾙﾏﾝも長距離で実績があるので面白い存在｡ﾅﾁｭﾗﾙﾅｲﾝは前走は出遅れが最後まで響いたが､今度はそういったﾐｽの少ない豪腕･石崎騎手だけに巻き返しがあっていい｡ｴﾘﾓｼｬﾙﾏﾝは01年のｽﾃｲﾔｰｽﾞSを勝ったｴﾘﾓﾌﾞﾗｲｱﾝの半弟と血統的な魅力がある｡使われながら調子を上げてきているし､ｽﾀﾐﾅもあるので一発あっても驚けない｡鞍上はｴﾘﾓﾌﾞﾗｲｱﾝに騎乗してこのﾚｰｽを勝った横山典騎手というのも何かの縁か｡

その他ではﾒｼﾞﾛﾏｯｸｲｰﾝ産駒でｽﾀﾐﾅがありｽﾛｰで折り合いがつけば終いの切れる脚があるﾏｲﾈﾙｴｽｹｰﾌﾟ､AR共和国杯では最後に突っ込んできたﾍﾟﾘｴ騎乗のﾊｯﾋﾟｰﾙｯｸ､AR共和国杯ではかかって10着に敗れたが長距離戦得意なﾒｼﾞﾛﾗﾝﾊﾞｰﾄ､札幌での競馬がﾅﾁｭﾗﾙﾅｲﾝと時計差がなかったﾃｲｴﾑｼﾞｪﾈﾗｽなども圏内だろう｡ｽﾃｲﾔｰｽﾞSと言えば岡部騎手が大活躍のﾚｰｽだが､今年は参戦できないのが残念だ｡早く骨折を直して来年は元気な姿と絶妙な手綱捌きをぜひとも見せて欲しい｡

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