ステイヤーズS
レース回顧
チャクラは中団で折り合いをつけて2週目の3コーナー過ぎからスパートすると最後は内のエリモシャルマン、外のハッピールックとの競り合いを首差制した。前走のドンカスターSでは直線で伸びを欠いたが、今回は坂のある中山でしぶとさを発揮した。チャクラが走ったというより他の馬が走らな過ぎた感もあるが、3歳で勝ったのだからそれなりに評価しないといけないのだろう。坂路でもう少しバランスのいい走りになってくればもっと良くなる。
エリモシャルマンは好位を進み、直線で内からしぶとく食い下がって惜しい2着。最近は調教でズブさを見せるようになってきたが、ここ2戦レースではいい走りを見せている。元々ブレのない走法で心肺機能の高さを見せていたが、やはり距離が伸びて頭角を現してきたといった印象。パドックでは外めをキビキビと周回して気配の良さが目立っていた。好位で折り合って切れる脚を使えるところがこの馬のいいところ。来年の天皇賞(春)に向けてどこまで上位に迫れるか楽しみだ。
ハッピールックは勝負どころで少しもたついたが、直線で外から強襲して3着。最後は差し切る勢いだったが、もう少しのところで脚色が一緒になってしまった。ペリエ騎手が乗ってこういう競馬だと今後も勝ち切るのは難しいかもしれない。ただ使われながら調子を上げていることは確か。去勢効果もありそうなので、今後も堅実に走ってくれそうだ。
イングランディーレは2番手からしぶとく粘ったが、最後は力尽きて4着。道中13秒以上のラップが7F続く超スローペースで最後切れ味勝負になったのが堪えた印象。馬場が回復したことも微妙に影響しているが、元々切れる脚はないのでスタミナ勝負に持ち込んだ方が良かったように思える。ただ馬は元気なので条件さえ揃えば巻き返しがありそう。
ニシノシンフォニーはスローペースで逃げて5着。上手くスローに落としたが、上がり35.8秒では現時点では力不足という印象。ただ持ち味はしぶとさなのでもう少しスタミナが問われる流れだった方が良かったのかもしれない。福島記念で4着に踏ん張ったように条件が揃えばG3でやれる力はある。
ナチュラルナインは出遅れて後方を進み、直線でも見せ場なく8着に敗れた。パドックでは好馬体でデキを維持しているように見えたが、レースでは少しゴツゴツとした感じの走り。前走の疲れが少しあったのかもしれない。ただ今回は流れが向かなかったということもある。馬体はいいので、今後も注目したい馬であることは変わらない。
ファストタテヤマは最後方を進み、4コーナーで大外を捲くって進出したが結局はシンガリ負け。展開が向かなかったこともあるが、それにしても負け過ぎ。デキは悪くなったので陣営もショックだろう。中山内回りは合わないということが分かっただけでも善しとするか。今後は得意の京都外回りで巻き返しを期待したい。
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