中日新聞杯
レース回顧

プリサイスマシーンは3番手から直線で抜け出すと最後はカンファーベストに首差でレースを制した。前半スローで流れて後半は中京コース独特の激しい競馬。前走はスローの上がり勝負に対応したが、今回はダートで激しい競馬を経験してきたことが生きた印象。元々入厩当初から馬体が目立っていたが、ここ2戦強気に芝戦を使ってきた陣営の判断が見事に実を結んだ感。萩原厩舎の馬は内面も鍛えられているので今後も注意したい。プリサイスマシーンは徐々に力をつけているので中央場所のG2、G3でもメンバー次第でやれそうだ。

カンファーベストは好位から最後鋭く伸びて首差の惜しい2着。藤田騎手によると1コーナーでの不利が響いたようだ。以前より全体的にパワーアップして使い込まれても馬は元気一杯。レースもだいぶ覚えてきたし安定して走れるようになっている。器用さがあるので中京コースにも対応できるが、3コーナーからガリガリやり合う競馬は本質的には向かない。脚元に不安がなくデキも安定しているので今後も楽しみだ。

スターイレブンは大外枠から仕掛け気味に行って2番手を進み、直線で一旦は先頭に立ったが、そこから伸び切れずに3着。道中少し掛かり気味になったことでいつもの切れる脚を使えなかったが見せ場は作った。好位で折り合えば突き抜けると思っていたが、初コース、テン乗り、久しぶりの1800mでは仕方ないか。パドックでは伸びやかな馬体で大物感たっぷり。相馬眼的に高評価できる馬で春にはG1の舞台に立っていることだろう。追いかけたい馬。

マイソールサウンドは3番手からしぶとく食い下がったが最後のひと伸びがなく4着。この馬なりでデキは良かったが、最後伸びなかったのは58キロが影響したのだろう。54キロだった昨年より0.1秒遅いが内容は悪くなく復調を感じさせた。直線で並んで叩き合いになると強いタイプなので、もう少し流れが速くしぶとさ比べになればもっと際どかっただろう。最近はあまり人気にならないが、能力はあるので注意したい。

シンデレラボーイは5、6番手からそのまま雪崩れこんで5着。1000万条件を勝ったばかりだが、元々力のある馬でこれくらいは走れる馬。以前はイレ込みが激しく力を出せないことが多かったが、最近はだいぶ安定してきた。自己条件に戻ればかなりやれそう。

カゼニフカレテは後方から徐々に進出したが6着が精一杯。前半スローで上がりが速くなる展開では脚質的に仕方ないところ。調教のときは動き、気配とも良かったが、パドックではそれほど上向いている感じがなかった。そのあたりが少し気になるが、この馬の力は出した印象。距離はもう少し長い方が合う。

マイネルソロモンは中団を進んだが直線で伸びを欠き9着。少し折り合いを欠いていた感じもあるが、直線では推進力のない走りで全く伸びなかった。朝の時点で稍重だったように少し渋っていたことが影響したのかもしれない。前脚を掻き込み過ぎるので、そのあたりを少し矯正する必要もありそうだ。パドックでは馬体の張り、気配が良く、仕上がりは良かった。距離は折り合いがつくマイルが良さそう。国枝調教師の味付け次第で安田記念に出走していい馬。


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