朝日杯FS
レース展望

2歳王者決定戦。過去10年で1番人気は5勝2着4回で連対率90%と信頼度が高い。朝日杯FSは最も1番人気の連対率が高いG1レースだ。今年の1番人気は4戦4勝で重賞2連勝中のメイショウボーラー。2歳時に5勝目を挙げれば、グレード制が導入された昭和59年以降、初めてのことになる。果たしてメイショウボーラーが無傷の5連勝で2歳王者になれるかどうか、レースぶりに注目したい。

もうひとつ取り上げたいのが枠順。中山芝1600mはスタートしてすぐに2コーナーを迎えるため、外枠の馬はロスが大きく、特に逃げ先行馬は不利になる。実際、朝日杯では8枠が死に目で86年のメリーナイス以来16年間連対していない。最近5年は1〜5枠の馬で決着しているように枠順が大きく影響している。先週の阪神JFは不利と言われた8枠の2頭で決着したが、朝日杯ではどういう結果になるか。

まずはメイショウボーラー。小倉2歳Sは前半32.9秒の超ハイペースで逃げて5馬身差で圧勝。普通なら大敗も考えられるペースで逃げて楽勝するのだから恐れ入る。2着に敗れたコスモサンビームはその後京王杯2歳Sを勝っている。デイリー杯2歳Sでは折り合ってペースを落とし、追ってきたグレイトジャーニーに影を踏ませず2馬身差で快勝。マイルの距離に目処を立てた。現時点の完成度が高く、既に古馬並みの風格。坂路の動きも凄いが、果たして死角はあるのだろうか。

枠順、中山の急坂などが考えられるが、最も大きいのは1番人気でマークされる点だろう。デイリー杯2歳Sは少頭数で流れが落ち着いたが、今回はフルゲートの16頭。1番人気が逃げるとなれば、ペースが遅くなることはないだろう。激しく競りかけて来る馬がいても不思議ではない。ただしメイショウボーラーはダッシュ力があるので簡単には競り込まれない。競られるとすればロスのある外枠を引いた場合だが、2番手からの競馬もできるのでペリエ騎手が柔軟に対応してきそうだ。

スピードと底力のあるメイショウボーラーを積極的に負かしに行くと自分が大敗する危険があるという騎手心理が微妙に働くようだとメイショウボーラーが楽勝する可能性もある。それくらい現時点での完成度は高く、相馬眼的にも高評価できる馬。ハイレベルな馬を次々に送り込んでくる白井調教師の相馬眼、調教技術の高さは相当なものだ。ただ1週前の坂路調教でペリエ騎手が騎乗して時計を出し過ぎる誤算があり、最終調教は坂路追い1本になった。動きは良かったが、一応当日の馬体重に注意したい。

その他の有力馬はデイリー杯2歳S2着のグレイトジャーニー、京王杯2歳S1〜3着のコスモサンビーム、アポインテッドデイ、フサイチホクトセイ、東京スポーツ杯2歳S2、3着のフォーカルポイント、キョウワスプレンダ、新潟2歳S1着のダイワバンディット、マイル戦2戦2勝のメテオバースト、萩S1着のスズカマンボあたり。相馬眼的にグレイトジャーニーの将来性が高そうだが、前走からどこまで完成されてくるかが鍵。半兄ノーリーズンが皐月賞を勝った中山コースで鞍上が武豊騎手というのは魅力。

コスモサンビームは2戦目のマイル戦でキョウワスプレンダに4馬身差をつけられただけに距離に若干の不安を残す。ただ京王杯2歳Sの内容はいいし、ここにきて馬体に実が入ってきたことも確か。鞍上のバルジュー騎手も先週のターコイズSを勝ったように中山で乗れている。アポインテッドデイは2着続きで人気を落としそうだが、ハイペースに対応できるタイプで前々で流れに乗れれば残り目があるかもしれない。手前の替え方が上手いので最後のひと踏ん張りが利きそうだ。鞍上はWSJS優勝の柴田善騎手。

各馬については有力馬診断で詳しく書く予定だが、毎年朝日杯FSでポイントになる事柄に関して総チェックをかけたい。その事柄とは何かはここには書かないが、これまでの朝日杯で連対した馬を分析している人なら分かるだろう。最大のポイントはそこだ。あとは最終調教の動きと気配から各馬の状態を把握した上で枠順と展開を考慮して最終判断を下したい。ただ2歳戦は相馬眼を重視という基本的なスタンスは今回も変わらない。

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