阪神牝馬S
レース回顧

ファインモーションは7番手から徐々に進出して4コーナーで前を射程圏に入れると外から一気に抜き去って最後はハッピーパスとの叩き合いを首差で制した。ハイペースで逃げたスマイルトゥモローに惑わされることなく、マイペースで走ってラスト3F33.8秒の切れ味。武豊騎手はこういう展開が得意だが、ファインモーションも指示通りに動いた。プラス10キロの馬体は重いという感じはなく、むしろ昨年のいい頃に戻ってきた印象。昨年の凄みのある馬体までは戻り切っていないが、かなりの復調気配を感じさせた。この雰囲気なら来年が本当に楽しみ。

ハッピーパスは出遅れて後方を進んだが、直線で大外から一気に伸びて惜しい2着。ペリエ騎手がファインモーションをマークして直線勝負に賭けたが少し足りなかった。ただ最後まで抜かせなかった相手が一枚上という感じもある。ハッピーパスはひと叩きされて気配が上向いていたが、それにしても外国人騎手が騎乗するとよく走る。これで外国人騎手が騎乗して[4-1-0-1]で連対率83%。厩舎の仕上げもあるのだろうが、今後も注意したい。

ピースオブワールドは中団のやや後ろから伸びてきたが0.2秒差の3着まで。直線で馬群を割るのに苦労して仕掛けが遅れたのが痛かった。ただ直線での伸び脚はさすがにマイルだと切れるといった印象で今後に期待を持たせた。この秋は細く見えた馬体がプラス16キロとようやく戻ってきたのも大きい。女王復活の日はそう遠くはないだろう。楽しみに待ちたい。

アドマイヤテレサは後方を進み、直線で外から差して4着。内の馬がスムーズさを欠くのとは対照的にアンカツが上手く外に出して差し来てきた。まだ1000万条件を勝ったばかりだが、このメンバー相手にしかもマイルでこういう競馬ができたのは大きな収穫。まだ幼い感じはあるが、これから馬体に実が入ってくればさらに強くなりそうだ。

マイネアイルは好位からしぶとく粘って5着。前に行った馬には楽な展開ではなかったが、持ち前のしぶとさを見せた。使い込まれて少し脚捌きが硬く映ったが、それでもこれだけ走れるのだから馬が充実してきているのだろう。少しメンバーが落ちれば馬券圏内に突入してくるので注意したい。

レンドフェリーチェは4番手から直線で内を突いて前が詰まり、完全に脚を余して8着。道中からフラフラとした走りで直線でもオースミコスモの進路を妨害して迷惑をかけた。直線ではまだ脚があっただけにもったいないが、馬が舞い上がって走ってしまっては仕方ないところ。ただ馬体の作り、気配からは走る馬のそれを感じさせる。これからレース経験を積めば、重賞を勝てそうだ。


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