AJCC
レース回顧
ダンツジャッジは中団の外めを進み、4コーナー手前から仕掛けて直線に向くと坂上でひと伸びしてハナ差で制した。スローの上がり勝負でスタミナが問われなかったことが有利に働いた感もあるが、最後にグィッと伸びてきたのは地力の証明。勝負根性を高く評価したい。少差でも勝った馬と負けた馬の差は結構大きいことが多いということも付け加えておく。陣営はダンツフレームの後継と期待している。馬体はバランスが良くなり、かなり充実してきた。勝負根性もあるし、一歩一歩近づいてきたことは確かだろう。タフな馬なので、各馬が消耗してくる時期に一発がありそうなので注意したい。
ウインジェネラーレはスタートで煽って中団からの競馬。3コーナー過ぎから内を通って進出し、直線で抜け出したが、最後はダンツジャッジの決め手に屈して2着。出遅れたが、蛯名騎手が上手くカバーしてロスを最小限に防いだ。ただ着差が着差だけに惜しい競馬だった。昇級して一気にG2挑戦と条件は厳しかったが、今後に目処を立てる好内容。プラス6キロで若干馬体に余裕はあったが、パドックでの気配は目立っていた。馬体を見る限り、もうひと皮剥けそう。国枝調教師がどう仕上げてくるか注目していきたい。
ユキノサンロイヤルはスタートで挟まれて後方を進んだが、直線で内から鋭く伸びて激しい3着争いを制した。連闘だったが、最終調教で時計を出し、当日も前走の気配をキープできていた。これまで2000mを超えるレースは12戦して全て4着以下だったが、少差でも3着に来たのは充実してきた証拠。東京で11戦全て4着以内に敗れているが、今回これまでの敗退を覆したという点で東京でも注意したい。以前より馬体のバランスが良くなってきたなど裏づけもある。
グラスエイコウオーは最後方からメンバー最速の33.6秒で追い込んで4着。スローの上がり勝負で展開が向かなかったが、決め手は確かなものがある。今回からブリンカーを外したが、レースを見る限りは問題なかったようだ。力の衰えはなさそうなので、条件が揃えば直線一気の突っ込みがありそうだ。
チョウカイリョウガは3番手からしぶとく粘って5着。直線で前が壁になって少し脚を余したが、東京開催に向けて上々の走りだった。相変わらず首は高いが、今回は馬が回りの馬をよく見ていた点は見逃せない。まじめに走れば能力は重賞でも足りるので、得意の東京なら一発がありそうだ。全弟のネオユニヴァースが好走したときは血が騒ぎそうなので特に注意したい。
ワールドスケールは出遅れて後方を進み、直線で最内を突いて伸びたが、最後は脚色が一緒になり7着敗退。中山金杯を使われて絞れてくると思われたが、プラス6キロでパドックではいかにも太く見えた。ただし、出遅れて最後の直線で内を突いたようにスムーズな競馬ができなかったことも確か。太めが影響したといえばそれまでだが、外を回して伸び伸びと走らせた方が息の長い末脚を生かせたかもしれない。能力はあるが、馬体が絞れないことには狙いにくい。絞れないのはそれなりの理由があるのだろう。今後は休養するようだが、変わり身を期待したい。
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