東京新聞杯
レース回顧

ウインラディウスは好位から直線で持ったまま先頭に並びかけると最後は後続を突き放してレースを制した。内が少しごちゃついたので、外からスムーズに行けたぶん有利だったが、やはり我慢することを覚えてきたのが大きい。これまで喉の手術など色々あったが、ようやく本格化してきた印象。馬体も充実してきている。ただペースが速くなると最後に詰めの甘さを出す可能性がまだあるので、その点は注意したい。

クラフトワークは後方から直線勝負に賭けて、メンバー最速の33.3秒の切れ味で2着に入った。プラス20キロで体に少し余裕があったが、パドックでは元気の良さが目立っていた。5キロ差があったとはいえ、サイドワインダーを差し切ったのは馬にとっても陣営にとっても大きな自信だろう。最後にキスミーテンダーを差した勝負根性も評価したい。走法的に直線が長く左回りの東京コースがベスト。相馬眼的に今後の活躍が期待できる。

キスミーテンダーは好位からしぶとく伸びて3着。パドックではプラス12キロで腹回りが太く見えたが、体重はこれくらいでいいのだろう。レースでは前の馬がかかるなど、かなりストレスが大きかったが、それでもきっちり抜け出してきたように底力を見せた。8歳馬だが、馬体はまだ若いし、馬が走りに前向きなので、今年も活躍できそうだ。ひと叩きされた次はさらに調子を上げてきそう。どんな展開でも堅実に走るので馬券には絡めておきたい馬。

サイドワインダーは後方から大外を捲くって差を詰めたが、最後は切れる脚がなく4着に敗れた。3コーナー過ぎでグラスワールドにぶつけられて、しきりに横山典騎手が後ろを振り返っていたが、それがどれくらい影響があったのかは定かではない。ただ直線では手前を替えず、いつもの重心の低い走りでなかったことも確か。ぶつけられたことで馬がパニック状態になったのかもしれない。調子は良かっただけにその点が残念。ただ展開的にまともでも2着争いまでだったか。


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