ダイヤモンドS
レース回顧

ナムラサンクスは2週目の4コーナーでごちゃついて後方に下がったが、直線で馬群を割って抜け出してレースを制した。勝負の分かれ目は4コーナー。無理に仕掛ずにひと息入れたことで直線で切れる脚を使えた印象。馬の力もあるが、渡辺騎手の好判断が光った。今の東京コース向きの走法ということも見逃せない。調教診断にも書いたが、以前とは馬の雰囲気が変わっており、レースを分かってきたというのか無駄な動きがなくなった。こういう雰囲気になると簡単には崩れない。次走はさらにメンバー強化されるが、今のデキを維持できれば楽しみはある。ただG1で好勝負するにはもうワンパンチ欲しい。

ミッキーベルは離れた最後方を進み、直線で大外から追い込んで2着。トウカイトニーが向こう正面から早めに上がって行ったことでラップが上がり差し馬に有利な流れになったのが大きかった。ナムラサンクスとは違うが、直線の長いコース向きの走法。初の重賞挑戦で2着と力をつけていることを証明した。ただしハンデ戦で53キロだったので過信はできない。馬体は少し線が細く映るので、実が入ってくればもっと強くなりそう。

タニノエタニティは後方から直線で追い上げて3着。前の2頭には引き離されたが、ベストとは言えない3400mで復調気配を感じさせる内容。馬体の張りが良くなり、パドックでも外めをキビキビと周回していた。徐々にこの馬本来の姿に戻りつつあるといった印象。折り合いをつけて直線勝負に賭けた岡部騎手の腕も光った。

ストレイラルホークは好位で流れに乗り、直線でもしぶとく粘って4着。京都に遠征した前走は馬体の張りがイマイチだったが、今回は持ち直していた。それほど切れる脚がないので、向こう正面から速くなった流れはこの馬には向いた印象。復調してきているので、ダート長距離ならもっとやれる。

フェリシタルは後方から徐々に進出したが、直線でごちゃつき脚を余して5着。馬体はそれほど変わっていなかったが、年齢的なものもあるのだろう。直線では抜け出して来れそうな手応えがあっただけに上手く外に出せていれば3着はあったかもしれない。次走は叩き3戦目。そろそろ堅実さを発揮しそうだ。

トウカイトニーは向こう正面から積極的に動いていったが、直線で伸び切れずに7着。スタミナはある馬だが、さすがに動くのが早過ぎた感。パドックでは馬体の作り、気配がかなり目立っていたように本格化気配があるのでこの一戦だけで見限らない方が良さそうだ。

エリモシャルマンは1週目のスタンド前で2番手に上がり終始前々で進めたが、最後はバテて9着に敗れた。直線で前がカットされたため、最後は横山典騎手が諦めていたが、直線入り口で追っても全く反応しなかった。ラスト8Fからペースが上がり、前に行った馬は楽ではなかったが、それにしても走らな過ぎの感。昨秋から長距離戦を使ってきた疲れがあったのか。馬体は良く見えただけに不可解な敗戦。気性的なものがあるような気もするので、脚質を転換する必要があるのかもしれない。


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